サガリバナ  Barringtonia racemosa

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   サガリバナは夜に咲く花である。

   夕方になるとつぼみがほぐれはじめ

   陽が沈むころから

   たくさんのオシベがふわぁっと広がるように伸びだしてくる。

   
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   花は夜通し咲いて

   翌朝には散ってしまう何ともはかない花である。

   花の最盛期は真夜中の上に、誰もがすぐ見られるような場所には生えていない。

   サガリバナはマングローブ後方の湿地や、海辺に生える常緑の木で

   高さは10メートルほどになる。


   
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   画像の木は、それほど大きな木ではないが

   道路から撮りやすい場所に生えていた。

   全体からもわかるように、かなり大きな葉をつける。

   ホオノキの葉を想像すると、それに近い大きさの葉である。

   分布が奄美大島以南に生える熱帯の木なので

   一般にはほとんど馴染みがない樹木である。


   
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   花の色は白とピンクがあるが、その間には色のグラデーションがあって

   上の画像はピンクだが色の薄い個体である。

   花期は夏、6月頃から8月にかけてが最盛期だが

   熱帯の木なので、まれに冬にぽつんと咲いていたり

   4月頃に花を咲かせることもある。


   
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   サガリバナの名の通り

   葉のわきから長い花柄が垂れ下がる。

   普通は60センチほどのものが多いが

   長いものでは、1メートルほどの長さのものもある。

   1本の花柄には50個ほどのつぼみがつき

   柄に近い方から先端に向かって咲き進む。

   花は一度に咲ききってしまうのではなく

   何日かに分けて先端まで咲き進む。


   
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   西表島に一人でやってきた私は

   足の便がない。

   ともかく自分の足で歩くしか方法がないのだが

   サガリバナを時間の経過とともに追ってみた。


   
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                    2016年9月4日 日曜日 18時14分


   
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                    2016年9月4日 日曜日 18時15分


   
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                    2016年9月4日 日曜日 18時40分 太陽が山の端に沈んだ


   
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                    2016年9月4日 日曜日 18時42分


   
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                    2016年9月4日 日曜日 19時00分


   
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                    2016年9月4日 日曜日 19時02分 最後の光芒 一気に暗くなる


   ライトは持っているものの、撮影はこれが限度、これから暗い夜道を私は宿まで戻らなければならない。

   良く知っている道とはいえ街灯もない真っ暗な道、それなりに心細い。自分の勘では7時くらいまで待てば

   花はきれいに開くと踏んでいたのだが、結果は画像の通りである。

   かくなる上は狙いはただひとつ。明日の朝、暗いうちに起きて、朝日が昇る前にまたここまでやってくること。

   そうすればギリギリ満開の花が撮れるはずである。

   と言うことで翌日、暗いうちに起きてテクテク歩いてやってきました。


   
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                    2016年9月5日 月曜日 6時50分


   
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                    2016年9月5日 月曜日 6時50分


   なんとか満開の花には間に合ったものの、ともかく忙しいのです。

   花にピントを合わせていると、風もないのにモコモコと花が動きだします。

   そうです。すでに散り始めているのです。

   撮影している間に、花はぽとぽとと散ってゆきます。

   花は待ってはくれないのです。あの花も写したい、この花も写したいと

   陽が昇る前から汗だくです。


   
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   なんとも優雅な花なのだが、ゆっくりと鑑賞している時間はない。

   夢中で撮影している間にも、花はぽとぽと、ぽと、ぽと、散ってゆく。

   何してるの、と言わんばかりに私の体にぶつかって散ってゆく花もある。

   待って、待って、と口には出さず叫びながら

   やぶ蚊に刺されるのをタオルで払いながら必死である。


   
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   散ったばかりの花が地面に新鮮である。

   サガリバナは湿地の中や海辺に生えるので

   散った花びらが水に浮かんで

   流れに沿って、ゆっくりと移動してゆく。

   あたかも葬送の行列のように。


   
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   サガリバナやゴバンノアシは海流によって分布を広げる。

   果実は軽く水に浮く。海水にも強いのである。

   サガリバナの果実はゴバンノアシほど大きくはないが

   この2種が我が国にあるサガリバナ属なのである。


   
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   花はたくさん咲くが、夜に咲く花のせいか受粉率はあまり高くないようだが

   上の果実の画像は、よほど効率が良かったとみえ

   たくさん実っている。

   普通はこれほどたくさんの果実は実らない。

   ひと房にせいぜい1個か2個である。

   果実は熟すと自然に落下する。


   
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   これが熟して落下した果実

   花の大きさから大体の大きさがわかると思う。

   長さは5センチ、横幅は3センチほどの果実である。

   この果実が海水に浮き、分布を広げるのである。










   撮影は2016年9月4日~5日 沖縄県西表島で

   撮影はすべてスマホのカメラで撮っています。

   画像はクリックすると大きくなります。

   早起きしたおかげで、すぐ側でカンムリワシやシロハラクイナをたくさん見ました。

   また、夜中に咲くもう1種類の花、ハマザクロも今回の目的の花でした。

   オマケ画像

   
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                    これがハマザクロ、別名マヤプシギです


   


   

   

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