植物似たもの同士 1   ネズミモチとトウネズミモチ

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   きょうから新シリーズのはじまりです。

   まずネズミ年にふさわしく、植物名にネズミと名前がつくものからはじめましょう。



   うまい名前をつけたものだ、と感心するもののひとつにネズミモチがあります。

   葉がモチノキに似ていて、果実がネズミの糞に似ているところからの命名なのです。

   ネズミの糞など見たことがない人がほとんどでしょうが、この果実の形と色はなるほどと

   思わせるのです。

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   関東地方以西の、主に暖地の山に自生します。比較的里近くの雑木林の中などに生え

   る常緑樹です。今の季節には長さが1センチ前後の果実がたくさんついています。

   あまり大きくなる木ではないので、目の前で果実や葉をじっくりと見ることができます。

   葉は厚くて光沢があり、椿の葉にも似て丸みがあるので、タマツバキという別名もありま

   す。

   
   これに良く似ていて、公園などに植えられている木にトウネズミモチがあります。中国原

   産で日本には明治のはじめ頃に渡来しました。

   潮風にも強いので防潮樹として、海辺の緑化などにも利用されています。日本の山野に

   自生している木ではありませんが、鳥達がよくその実をついばむので、野生状態で大きく

   なっている木もたくさんあります。

   
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   今の季節はどちらも果実をつけているので、先ずは果実で見分けましょう。

   下の画像を見てください。

   左がネズミモチ 右がトウネズミモチです。

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   違いがわかりますか。

   実がついているこの枝の部分を、植物用語では果序(かじょ)といいます。

   注目して欲しいのは、実がついている枝の色です。

   ネズミモチは白っぽい色をしていますが、トウネズミモチは赤茶色をしています。

   この部分の色を見るだけでも区別できますが、果実の色も随分違います。

   どちらも紫黒色なのですが、より黒っぽく見えるネズミモチに対し、トウネズミモチは白い

   粉をふくので、全体的が白っぽく見えます。また、ブドウの房のようにたくさんの果実を

   重そうにぶら下げるのもトウネズミモチの特徴です。

   ふたつの違い、わかりましたか。



   並べて見ると、こんなにも違って見えるネズミモチとトウネズミモチですが、都合よく両方

   が並んで生えている場所なんて、滅多にありません。

   人間の記憶はかなりあいまいで、1本ずつが別々に出てくると、アレッどっちだったっけ、

   ということにもなりかねません。果序の色はハッキリ覚えておきましょう。

   


   それでは果実がなっていない季節にはどうしましょう。

   幸いにしてどちらも常緑樹です。花や果実は限られた季節にしか見られませんが、

   葉は一年中見ることができます。葉だけでも区別することができるのですよ。

   先ず葉を裏側から光に透かして見てください。

   左がネズミモチ、右がトウネズミモチです。

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   ネズミモチは葉が厚いので葉脈は見えません。ところがトウネズミモチは葉が薄いので

   葉脈がはっきりと透けて見えます。

   葉を空にかざしてみて、葉脈が見えなければネズミモチ、透けて見えればトウネズミモチ

   と覚えても良いですね。

   それだけでも区別は可能ですが、せっかくちぎった葉ですから、もう少し良く葉を比べて

   見ましょう。

   ネズミモチの葉の先端は少しとがりますが、トウネズミモチの葉は先端が次第に細くなっ

   て、鋭くとがって見えます。これでわからない人は、葉の幅がいちばん広い部分はどこか

   見てください。下の画像には2枚の葉が並んでいます。左がネズミモチ、右がトウネズミ

   モチの葉です。

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   わかりましたか。

   もう少し見やすいようにシルエットにして見ましょうか。これならわかるかな。

   さらに真ん中あたりに糸を引っ張ってみました。

   
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   ネズミモチは葉の真ん中あたりがいちばん広いですが、トウネズミモチは葉の真ん中より

   少し下の部分の幅がいちばん広いことがわかります。

   植物をきちんと調べるためには標本が必要ですが、標本にすると葉の幅はどこがいちば

   ん広いかが良くわかります。



   最後にもう一度整理をしてみましょう。

   ネズミモチの果序は白っぽい         トウネズミモチの果序は赤茶色
   ネズミモチの葉脈は透けて見えない     トウネズミモチの葉脈は透けて見える 
   ネズミモチの葉は真ん中が広い       トウネズミモチの葉は真ん中より下が広い 


   これでネズミモチとトウネズミモチの区別はもう完璧ですね。



   ところが、これ以外にも違いはあるのですよ。

   それはあなたが実物を見て、あなた自身がわかる違い是非探してみてくださいね。

   
   

   画像はクリックするとより大きく見やすくなります。植物図鑑にも書かれていないことを
   これからもたくさん書いていきます。あなたの参考になることが、ひとつでもあればいいな
   と思っています。

   (ネズミモチは愛知県武豊町で2008.1.5と13日に撮影 トウネズミモチは愛知県半田市で   
   2008.1.9~10と13日に撮影)

    

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