森はステキだ 西表島   5月16日(木曜日)晴れ




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   サガリバナが咲いている、とおかみさんに告げられて



   朝食前に宿の数人とカメラを携えて



   すぐ近くの民家に見に行った。




   季節外れなのだが、ピンクの花房がいくつか垂れていた。




   サガリバナは夜に咲く花なので




   朝にはもくもくと動きながらまたたく間に散ってゆく。




   季節外れなのにラッキーな朝を迎えた。





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   折角外に出たので、少し距離はあるものの


   トンネルの出口に昨日咲いていたノボタンの所まで


   ついでに行ってみた。


   案の定綺麗に開きかけていたが、これも季節外れの花である。


   熱帯や亜熱帯の植物には、一定の花期はあるものの


   季節外れでも、思わぬ花を見ることがあるので


   八重山諸島ではそんな楽しみも加わるのである。


   きょうの行き先は浦内川の上流、滝めぐりである。



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   天気予報は芳しくなかったが、船着き場に着く頃には


   夏の青空が広がっていた。


   天候には恵まれることが多い私だが、この時も晴れ男だから、と


   心の中では思っていた。


   船着き場はマングローブの中にあるので


   メヒルギ(上の右画像)の胎生種子や、間もなく咲くであろう


   つぼみがたくさんふくらんでいた。



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   折しも朝日がさんさんと降り注ぐ初夏の浦内川を


   船は快適に上流へと進む。


   いちばんの船は9時30分の出発である。

   船のキャプテンは、船を繰りながら周辺の観光案内もしてくれる。

   まわりで見られるマングローブの事や、鳥や魚のことなど


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   マングローブの仲間では、とりわけオヒルギが多い。

   潮が引きはじめの時間帯だったので

   呼吸根がよく見えた。


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   リュウキュウマツは遠目ではわかりにくいが

   本土のアカマツやクロマツと比べると、はるかに葉が長い

   西表島に自生してるのは、このリュウキュウマツだけである。

   船の終点は軍艦岩と呼ばれるかなり上流である。

   ここから先は船で遡ることはできない。

   この船着き場のごく一部だけに、わずかにケイタイが通じる場所がある。

   他は一切ケイタイの通じる場所はないので

   覚えておくと、何かの時に役立つかも知れない。

   船長は人員をチェックし、帰りの時間を確認する。

   私と相棒の2人は、最終の4時30分の便で帰ります、と告げると

   船長はあきれたように、エッそんなに遅くまで何をするのですか、と

   なかば訝しむ表情をした。

   植物などの盗掘者も多いからである。

   一般の観光客は滝までの往復が主で、普通2時間ほどで

   帰ってくるからである。

   撮影なのですよ、と説明して、ゆっくりと歩きはじめる。


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   最初に撮影したのがこれ、アオノクマタケランである。

   咲きはじめの、なかなかすっきりした株だった。


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   リュウキュウコンテリギも咲いている。

   花の形からもわかるようにアジサイの仲間である。

   今の季節、この道では花はあまり多くない。

   だが、鬱蒼と茂る森はなかなか魅力的である。

   随所に小さな滝がある。


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   私にとっては何十回も歩きなれた道だが

   はじめての相棒のために、ゆっくりゆっくり歩いてゆく。

   植物だけではなく、昆虫や虫や鳥などにも興味があり余るほどの相棒は

   見るものすべてが面白いらしい。


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   面白いトンボがいると言っては止まり

   キノボリトカゲがいた、と言っては夢中でカメラで追いかける。

   私もついつられてシャッターを押す。

   こんな具合だから、後の船でやってきた観光客の人達にも

   どんどんと追い越されてゆく。あはは


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   事実、こんな行動が二人ともたまらなく楽しいのである。

   細い小さな沢を何本も何本も横切ってゆく

   ジャングルの中の水辺で、晴天、当然のことながら蒸し暑い

   持ってきたペットボトルの水を頻繁に飲みながら

   あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロしている。


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   着生しているのヤエヤマオオタニワタリ

   シダの仲間である。

   こんな風景を見ながら進んで

   やっと展望台に到着した。


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   展望台からのマリユドゥの滝である。

   以前は手前の樹木が育ちすぎて滝が見えにくくなっていたのだが

   思い切り友人が伐採してくれたお蔭で

   日本の滝百選にも選ばれている滝の景色が良く見えるようになっていた。

   今回は画像の右上にチラッと見えているカンピレの滝まで行くつもりである。


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   再び樹林の中の道、板根が珍しい。

   ヤシの葉のようなクロツグが茂り、マルヤマシュウカイドウの葉も見える。

   花が咲いていないか、先ほどからこのベゴニヤの葉が出てくるたびに探すのだが

   どうも綺麗な花が見当たらない。

   少し急な坂道を下ると、立派な鉄製の階段が出てきて、マリユドゥの滝に着いた。

   この前までは川に降りられなかったのは、この階段を作っていたせいかも。

   観光客の安全のために作られた鉄製の階段なのだろうが、困ったことだ。

   貴重な植物の自生地がまたひとつつぶされた。


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   このシダはヤブレガサウラボシ

   西表島を特徴づけるシダのひとつ。この岩壁にはさらに貴重な絶滅危惧種が

   結構たくさん付いていたのですよ。

   植物の専門家の意見を聞くでもなく、どうやら唐突の設置だったらしい。

   かつては川に降りられ、丸い滝壺に飛び込んで遊ぶ若者も多かったのだが

   今や西表島の外せない観光地と化した感のあるマリユドゥの滝は

   観光業者にとってみれば大切な資源、安全性を重んじることは重要なことか

   つくづく考えさせられてしまった。


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   この滝壺で結構楽しく遊べたのだけどなぁ。

   そもそもこんな山の中にやって来るのは、すべてが自己責任だと思うのだが。

   文句を言っても仕方ないので、さっさと今日のいちばんの目的地

   カンピレの滝に向かうことにする。

   観光客の多くは、ここでUターンする人が多いので、山道で出会う人の数も

   ぐっと少なくなる。


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   これがカンピレの滝

   滑滝なので、ここまで頑張ってやって来た観光客も、拍子抜けした感じで帰る人が多い。

   落差のほとんどない滝なのである。

   今回の西表島で私が最も嬉しかったのが、ここで出会ったオオシラタマホシクサである。

   過去に何度もここで撮影しているのだが、今までの中で最高の状態の株に出会えた。

   どの株もどの株もそれなりに魅力的で、何枚写してもきりがなかったのである。


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   生えている場所も絵になる水たまりなのだが

   花の状態の鮮度が文句なく良かったので、次から次へと撮影していった。

   水に反射する影も面白く、ここでかなりの時間頑張った。


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   持って行ったカメラは2台

   生態写真用のデジカメと、接写用のコンデジ

   それぞれで撮影した後で、このブログ用にスマホでもパチパチ

   だからそれなりに時間がかかる。

   いちばんの目的地はもう少し上流なのだが

   こんな格好のチャンスは、なんとしてもモノにしたい。久しぶりのプロ根性の発揮である。


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   足はなおも止められる。

   ビッシリと実をつけたアコウが、すぐ目の前に横たわっている。

   どうぞ写してくださいと言わんばかりである。


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   イチジクの仲間のアコウは、紀伊半島にもあるが

   四国や九州以南の海岸近くに生える木である。

   こんなに都合よく目の前で見られることはないので

   ついつい三脚の足を伸ばす。

   この後、やっと同行の友人に見せたかったサキシマツツジの咲き残りが

   ぽつぽつと現れた。


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   私と彼との距離は結構空いてしまったが、振り返るとついてきているので

   その先を急ぐ。朱赤なうえにヤマツツジなどよりはるかに大きな花なので

   黙っていても目につくはずである。

   少し時間はかかったが、やっと目的に到着した。


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   この川を渡った向こう側が目的地。

   対岸の岩で靴やズボンを脱いで、急流の川を渡る。

   増水すれば結構な水位があがるが、対岸の岩場には、それらの渓流沿いに進化した

   特殊な植物が多いのである。

   もう少し季節が早ければセイシカが見事に咲く場所でもある。

   かろうじて咲き残りの花が点々と見られたが

   ヤエヤマスミレはすでに終盤だった。


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   流れの早いところでは足を取られそうになりながら

   それでも踏ん張ってこのスミレを写す。

   すでに最盛期はすぎているので、花の数も少ない。


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   きわめて小さなスミレではあるが、この1株から最盛期であれば数輪の花が咲く。

   そういえば初めて、いがりまさし氏に出会ったのも、この場所で

   ヤエヤマスミレを撮影している時だった。あれからもう20年もの歳月が流れている。

   日本のスミレ全種類を撮影済みだが、私のスミレ図鑑はいまだに陽の目を見ていない。

   依頼されての仕事だったのだが、依頼した出版社というより、担当者のいい加減さに

   ほどほどあきれている。フィルムが変色していないだろうか。

   すぐ見える範囲に彼はいるのだが、ついにここまではやってこなかった。

   帰りの船の時間もあるので、そろそろ帰り支度をはじめよう。




   少し余裕をもって下山してきたので、最終の船が到着するまで少しばかり時間があった。

   帰りの船では来るときほどの説明はない。

   それでもポイントには寄ってくれて、満潮に近いマングローブの景色なども見せてくれる。


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   心地いい疲労感に包まれて、ゆっくりと船を降りる

   この日もいい1日だった。










    毎日、毎日、250人超の人達がこのブログを訪ねてくれるので

   今頃になってしまいましたが5月の西表のその後を書きました。

   スマホの画像を確認しながらの記録です。
   
   年を取るといろんなことが面倒になってきます。
   
   それに新しくなったここ使いにくいのよ。愚痴ばかりですみません。

   コメント歓迎します。当方のヤル気を喚起するようなコメントなら大歓迎です。

  


   


   

   

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この記事へのコメント

アライグマ
2019年09月04日 21:29
続編がまたてんこ盛りですね~~~
取り合えず最初のサガリバナって
見た目の印象はフトモモ科のフェイジョアやブラシノキみたいな!!
って蕊が長くていっぱいあるってとこが似てるだけ。
ヽ(´ー`)ノ
デジカメになってσ(^^;)にとって一番のメリットはフィルム代現像代を気にせず何枚も失敗できることだな。
36枚撮りでフィルム代現像代で2000円くらいかかっていた記憶が。
ケイ
2019年09月05日 12:18
お久しぶりです。
いいですねー!
瑞々しくて湿度感たっぷりの景色や植物の写真を見るとホッとします。

今度は何が見られるのかしら? ウキウキドキドキ、
こんなに夢中になってしまって船の時間に間に合うのかしら? ハラハラドキドキ、
いつの間にか私も同行させてもらっているような気分になっていました。
たぶん一番最後になっていたことでしょう(笑)

木にしがみついているキノボリトカゲの可愛いこと!
オオシラタマホシクサ、アコウの実、苔むした岩のスミレ、最高です。
どこを向いても花だらけの旅もステキですが、
一生に一度でいいからこのような贅沢な旅をしてみたいものです。

読み終わってふと現実の、昨日の里山散歩の写真を見ると・・・・
雨雲が避けて通る当方の里山は乾燥しきっていて、惰性で撮った写真をPCに落として拡大すると、どれも土ぼこりがついていたり、虫食い、病気が多く変色していて、何とも切ない気分になり全て消してしまいたい気持ちですが、これも記録、とPCを閉じます。
毎年楽しませてもらえるミズオオバコも皆無でした。

お忙しい中の、ブログの更新、感謝します。
みかん
2019年09月05日 15:20
アライグマさん こんにちは。
早速のコメントありがとうございます。最近の西表はサガリバナツァーが何本もあるほど人気です。早朝に船で上流に向かい、散って流れてくる花を観賞するのです。ピンクと白との2色があるので、これがなかなか壮観なのです。
フィルム時代と比べると、確かにデジカメは便利ですよね。現像代ももちろんですが、撮ったその場で確認できたり、色温度など気にする必要がないので撮れる時間帯も長くなりました。
みかん
2019年09月05日 15:32
ケイさん こんにちは。
久しぶりです。みかんは今はそれほど多忙ではないのですよ。昔と比べたらかなり時間に余裕ができたのですが、何しろ年金生活の老人ですので、そうそう遠出も出来なくなりました。あはは
今はLCCを利用して、なるべく長く取材地に滞在できるよう、ない知恵を絞って頑張っています。病院通いも増えてます。あはは
年相応の体力の衰えや、多少の体の不具合もありますが、まだまだ好きなことに没頭できるのですから良しとしなければ、と年寄りくさいことも言うようになりました。爺様の戯言です、がはは
2019年09月05日 19:52
サガリバナに始まり 本土とはだいぶ違う 植物に、目を見張りますね。
私は、もう8年になりますか行ってきました。
みかん
2019年09月06日 14:55
ちごゆり嘉子さん こんにちは。
8年も経つと西表島と言えど随分変わったと思いますよ。
新しい施設ができたり、毎年出かけていても戸惑うこともあります。
今回もバス停の場所が変わっていて失敗しました。
バスの乗り方さえもどんどんと変わっていって、戸惑うことが多くなりました。
リサ・ママ
2019年09月06日 16:31
こんにちは
サガリバナ、ステキですね~♪
私は、この9月は、青息吐息で過ごしております。
パソコンを使うのは、午後4時までと決め、
閉める前にこちらを開けたら、まぁ‼‼更新してるじゃないの~(喜)
せめてお伺いした印を残そうと、こんなん書きましたぁ~(笑)
ではまたの日に~♪
みかん
2019年09月06日 22:08
リサ・ママさん 今晩は。
体調の思わしくない時に恐縮です。今頃になってしまいましたがもう少し続けたいと思います。

お蔭様で「みかんの花日記」はアクセス数が100万回を越えました。
いつも訪問してくれている皆さんに感謝です。そろそろ超えそうだとは思っていましたが、自分でも驚いています。
誰にも何も知らせずはじめたブログでしたが、まさに継続は力、という言葉の重みを噛みしめています。
  
ここを訪問してくれている皆さま、誠にありがとうございました。
2019年09月15日 15:55
オオシラタマホシクサ あの可愛さ いいですね。
それに本土では見られないお花の数々を有難うございました。
お元気でねです。