みかんの花日記

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zoom RSS マツグミ   Taxillus kaempferi var.kaempferi

<<   作成日時 : 2018/07/13 19:06   >>

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   マツグミは松の木に寄生する常緑低木である。

   アカマツ、クロマツ、ヒメコマツなどの松の木ほか、

   モミやツガなどの針葉樹にも寄生する。

   大きな木の枝の部分に寄生して育つ、小さな木なのである。

   だから、松の木の枝で、違う種類の木が育っているという

   ちょっと変わった景観を作り出す。

   
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   あまり小さな木に寄生することはなく

   画像のような大木の松に寄生するのが普通である。

   樹齢が数十年は経っているだろう大木の、枝垂れた枝先などに寄生することが多いが

   松の木肌にじかに着いて、こんもりと茂っていることもある。

   下の画像を見ていただこう。


   
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   黒い塊のように見える部分、これはすべてマツグミである。

   寄生しているのはアカマツだが、マツグミに寄生されたことによって、木が枯れることはない。

   松からの養分を一方的に吸い上げるのではなく

   自分自身の葉でも光合成を行っているので、半寄生と呼ばれている。

   ちゃっかり屋さんではあるが、自立もしているのである。


   
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   木の上の高い場所に寄生していることが多いので

   すぐ目の前で見られることは少ないが、

   運が良ければ低い部分の枝に着生したものを見ることもできる。

   また、花が咲くと結構目立つ存在にもなるので、オヤッと見上げることもある。


   
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   ある人は、上の画像のような地面に散った花やつぼみを見て

   おもむろに頭上を見上げて花の存在に気が付いた、とも言っていた。

   なるほど、と思ったので、今回はあえて地面に散った花の画像も写してきた。

   たが、花の最盛期になると枝いちめんに花が咲くので

   少し気をつけていれば、結構遠目でも赤い花に気が付くかも知れない。


   
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   マツグミはオオバヤドリギ科マツグミ属の常緑低木である。

   日本にはマツグミ属が全部で3種ある。

   このマツグミの他に、オオバヤドリギとコウシュンヤドリギである。

   コウシュンヤドリギはかつてニンドウバノヤドリギと呼ばれていたもので

   日本では八重山諸島の石垣、西表島だけに自生する特殊なもので

   一般の人ではまず見ることができない。

   (拙著「レッドデータプランツ」では花と果実の両方の写真を載せている。お持ちの方は412ページをどうぞ)
   お持ちでない方は、図書館等でご覧ください。

   ともかく花の形が面白いのである。


   
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   思いきり花に近づいてみました。

   ツートンカラーの変な形の花です。おかしな形をしているでしょ。

   私はこの花を見ると、いつもオーストラリアの大地に咲くカンガルーポーを思い出します。

   反り返った緑色の花びらといい、赤い筒部といいカンガルーポーにそっくりなのです。

   日本でも切り花としてカンガルーポーは栽培されているので、

   花屋で実物を見たことがある人も多いと思います。

   マツグミの花は、カンガルーポーと比べるととても小さいですが。

   ひとつの花の長さは、1センチ5ミリほどしかありません。

   花は赤と緑のツートンカラー。

   赤い部分は筒状になっていて、緑色の部分が咲くと4裂し反り返ります。

   ついでなので、花を分解してみました。


   画像画像






















   緑色の小さな玉の部分が子房。これが膨らんで果実となります。

   そこからまっすぐに伸びているのがメシベです。

   赤い部分は筒状になっていますが、そこを開いてみました。

   オシベ4本はこの筒の壁面から伸びています。

   つまり反り返った緑色の花びらの、筒上の部分からオシベが出ているのです。

   この緑色の反り返った花びらの部分は、時間が経過すると

   だんだんと淡い赤色に変化してきます。

   そして、ある一定の時間が経つと、花びらはするりと抜け落ちて

   最後は画像の左手のような状態となり、メシベも散って

   だんだんと果実が赤く熟してきます。

   ついでなので葉も見てみましょう。


   
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   葉は革質で厚く、表面にやや光沢があります。

   葉の長さは3センチほど

   横幅はいちばん広い部分で約8ミリ。

   小さな葉ですが枝の先端では互生して、結構たくさんついて木らしい形になります。

   下の画像だけを見ていると、これが松の木に寄生しているようには見えないでしょ。


   
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   この株が、はたしてどのくらいの寿命があるのか知りませんが

   被陰をはじめ、様々なアクシデントによって

   枝が枯れこんでしまうこともあります。

   また、隣りあっている松でも、樹齢や枝ぶりなどが似ていても

   マツグミにはかなり片寄った好みがあるとみえて、どの株にでも寄生するわけではありません。


   
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   関東地方以西に住む人なら、それほど身近な植物ではないのですが

   ともかく面白い花の形をしているので

   是非とも花の季節の7〜8月に探してみてください。

   年配の方なら、赤く熟したこの果実をガム代わりにかんだことがある人も多いはず。

   森のチューインガムなどとも呼ばれていました。

   赤く熟せばもちろん食べられます。だから松グミなのです。

   最近の研究では薬効もあって、血圧を下げる効果も認められているそうです。

   マツグミの果実は撮影しているものの、花はまだ撮影していなかった、と

   ふと思い出して、暑い夏の一日、マツグミの花を訪ねました。

   最後に花盛りのマツグミの枝をご覧に入れます。


   
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   撮影は2018年7月12日 愛知県豊橋市の2ヶ所で。

   クリックすると画像は大きくなります。

   いつものスマホでの画像が大部分ですが、最初の画像はキャノンM3

   最後の画像はキャノンマークUで撮っています。

   無断での使用は固くお断りします。著作権はすべてみかんこと永田芳男に帰属します。

   自生場所の情報、1ヶ所は豊橋市在住のT先生にご教示いただきました。感謝します。





   


   


   




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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
へ〜〜〜〜
「マツグミ」という名前は聞いた事が有ったけど・・・
そんな、変な奴とは知らなんだ。
(ーー;)
「グミ」って名前が付くという事は比較的に名前を付けられたのは最近なのかな。
(-◎_◎-) 面白いものを見せて貰いました。
アライグマ
2018/07/13 20:14
アライグマさん こんにちは。
みかんも長い間、神奈川県に住んでいましたが、神奈川県内ではマツグミは見たことがありません。そこで気になって調べたら、神奈川県では絶滅危惧植物に指定されています。丹沢箱根などに若干の記録がありますが、個体数は相当に少ないと思います。神奈川県内で探すのは無理かも知れませんね。
当地、愛知県内では意外と多く、街中の公園の松などに多数が寄生しています。とは言え私が住んでいる知多半島では、松は多いもののまだ見たことはありません。
みかん
2018/07/14 11:31
昨年 実の画像を見ていて今年は花の時期に写しに行こうとしていました。
それもみかんさんと同じ場所かも・・・
グッドタイミングの記事でしたが、この三連休のあとでは遅いでしょうか?
silk
2018/07/14 18:11
silkさん 今晩は。
豊橋市内のマツグミはこれからが花の最盛期です。まだ充分に間に合うと思います。2ヶ所目の場所では、まだほとんどがつぼみでした。
道路の通りに面した場所では、かつては目の高さの場所にたくさん花が咲いていましたが、今は松の下枝を整理してしまうので、望遠レンズで撮影しました。良い花の写真が撮れますように。
みかん
2018/07/14 20:46
マツグミという名前は知ってましたが、そう言えば、見たことがなかったです。
京都府ではレッドデータになっているようですが、関西でも、探せば見つかりそうですね。
この夏、気を付けて、アカマツを見てみます。
ほととぎ
2018/07/16 18:30
ほととぎさん 今晩は。
普通は割と高い位置に寄生していることが多いので、花の頃や果実の季節でないと気が付かないことが多いですね。
同じ松の木だけに多数が寄生していることも多いので、出会いはやはり偶然などのチャンスかも知れません。見つかりましたらまたブログにでも載せてください。楽しみにしています。
みかん
2018/07/16 23:01
マツグミですか…
寄生(半寄生?)植物で、アカマツやクロマツなどに寄生する…
アカマツやクロマツは、植物園で良く見かけますが、じっくりと見た事が無いので、こういう存在は知らなかったです。
1.5cmでも、赤色で、これだけ咲いていたら目立ちますね。
葉っぱも違うから、良く見ると解りますね。
でも、双眼鏡が要るかなぁ…(^^ゞ
7〜8月が開花時期ですか。
いつも行く植物園のアカマツやクロマツに寄生しているのかは解らないけど、行ってみよっと。(^^ゞ
花盛りのマツグミの枝を見ると、殺風景(?)な木が、とっても華やかになってますね。(^^)
yoppy702
2018/07/17 01:05
yoppy702さん こんにちは。
高い位置に着いていても、花や果実の季節だと結構目立ちます。
双眼鏡があればバッチリと確認できますが、肉眼でもわかりますよ。松の木の上をあまりじっくりと見ている人はいないと思うので、散っている花に気が付いたら上を見上げてみるのは、良いアイデアだと思います。
みかん
2018/07/17 11:09
マツグミの花をまだ見たことがなくて,いつか会いたい花のひとつです。
面白い花の造形,みかんさんが解剖して見せてくれて,幸運なり。

8年ほど前,東京都の山で,雪上に落ちたマツグミの果実付き枝をたくさん見ました。前日の大雪と風で落ちてしまったようです。冬芽観察に行ったのに,珍しいマツグミの果実観察もできて興奮しました。

果実付きの枝が落ちていなければ,マツグミがあることさえ知らずに歩いていたでしょう。
今頃行けば,花ガラがたくさん落ちていそうで,見に行きたくなります(暑いので今年はやめておきますが)。
はるこ
2018/07/23 12:00
はるこさん こんにちは。
連日の酷暑に出掛ける気も起りません。
出掛けても、どこもかしこも鹿の食害がひどくて、目的の植物どころか、ブナの林床が丸坊主になっていて、葉さえないような状態です。長野県境に近い愛知県で唯一ブナ林がある面の木峠付近も、今年は惨憺たる有様です。
食べ物がなくなっているので、多くの鹿たちがこちらに移動してきているようです。本当に鹿の食害は頭の痛い問題です。
マツグミのように木の上に着生しているものでも、寄生している樹皮が食べられたりすると、問題が出てくる可能性は多いにありますね。鹿が爆発的に増えているので、ヒルやダニと言った問題も顕在化してきています。
もうどうしようもないほど問題は大きくなっているのに、国の対策のなんとも遅いこと、あきれるを通り越しています。
みかん
2018/07/26 11:39

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