花紀行1  晩秋の平戸島  最終回

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   島の中を車で移動していると、今の季節あちこちで白いサザンカの花に出会う。

   地元に住む人達は、それがごく当たり前の風景なので珍しいなどとは思わないが、野生のサザンカが見られ

   るのは主に四国と九州だけなので、本州からの旅人は「アッ!」と小さな歓声をあげたりする。

   品種改良されたサザンカには、八重のものや色の華やかなものもあるが、野生のサザンカは白の一重で

   花びらの数は5枚が基本である。

   森の中にも生えるが、林縁部に生えることが多く、特に日当たりの良い林縁に生えた株は、花の数が多い。

   最盛期には、木全体が真っ白くなる。

   個体差による違いもかなりあって、側に寄って眺めて見ると、花びらが長かったり短かったり、花びらの枚数が

   多かったり、とかなりの変化が見られる。

   遠目には皆同じように見える花も、よく観察するとこんな違いがあることに気がつく。

   平戸島は大きな島なので、右も左も山が連なって、海が全く見えない場所も多い。山の中にいると、そこが島

   であることを忘れてしまいそうになる。

   Sさんが見つけたというクマノギクを見に行くことになった。

   海に向かってなだらかにカーブした道は、棚田のような小さな田んぼを見ながらくだってゆく。

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   海岸近くのやや湿った場所を好む性質があるので、水田の土手はまさに生育にピッタリの場所である。

   セイタカアワダチソウの太い茎の根元に、群生して咲いていた。

   花の直径は2~3センチ、小菊といった感じの花である。

   熊野古道は世界遺産に指定されたが、その熊野で最初に発見されたのでこの名があるが、分布の中心は

   熱帯にあり、日本では九州以南で多く見かけるようになる。

   花期は春から秋まで、長い期間にわたって咲くが、今頃になって最盛期を迎えるのは珍しいかもしれない。

   田んぼの土手にはヨメナやミゾソバ、キツネノマゴなど、秋の花の常連さんが咲いていた。

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   中でもヨメナの紫色が、ひときわ目立っていた。

   ヨメナに寄り添うように目立たないタウコギの花もあった。

   田んぼの土手や海辺を散策していると、思わぬ帰り花を見つけた。

   スイカズラの花が咲いていたのである。

   今頃の季節は春と勘違いして、春先の花が結構咲いている。

   だが、スイカズラは初夏の花である。

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   別名をキンギンカというように、花の色が変わる。

   咲いた当初は白いが、時間の経過と共にクリーム色になる。

   二色の花が混じって咲くので、それを金と銀に例えたのである。

   夏になると海水浴場になるらしい砂浜には、ハマヒルガオの光沢のある葉や、ツルナが這い、水田との境には

   3メートル近くあるダンチクが茂っていた。

   この季節、平戸島では特徴ある花の多くは、やはり草原の山に多い。

   4日間島に滞在したが、やはり多くの時間を費やしたのは草原の山だった。

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   夕方、5時近くになって到着したその草原には、ヒナヒゴタイがぽつんぽつんと立っていた。

   名前もよく似たヒメヒゴタイは、北海道から九州まで分布する広域種だが、

   ヒナヒゴタイは九州だけに分布する。

   しかも基準標本の産地は、この長崎県である。

   平戸島に花を訪ねるのであれば、是非とも見て欲しい花のひとつである。

   上の画像は同じようなアングルでヒナヒゴタイを撮っている。

   最初に左画像を撮影したのだが、花が一部咲き終わっていたので、花のきれいな株を探し右画像となった。

   だが、夕方、暗くなりかけた時間帯だったので色は悪い。

   おまけにケイタイの欠点で、このような風景的なものを撮ろうとすると、何故か主役の花にピントがこなくなる。

   特に右画像ではピントが甘い。

   日を改めて天気の良い日に再撮影するつもりだったので、この日は記録にとどめるだけにした。

   この時間になると、風が結構冷たいのである。

   

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   11月はじめの頃に平戸島を訪ねるのであれば、見て欲しいもののベスト3は、先ずイトラッキョウ

   次にチョウセンノギク、そして見られる可能性は極めて低いけれど、シマシャジン

   ということになるだろうか。















   撮影は2008.11.2~5 長崎県平戸島の全域で。
   画像はクリックすると大きくなります。

   この取材では風太さん、いっしいさん、Sさんにお世話になりました。
   特に風太さんには2日間も同行してもらい、色々と教えていただきました。
   3人に感謝します。

   この後も、みかんは佐賀県、福岡県と主に海岸の植物を訪ねる旅を続けました。

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この記事へのコメント

かげろう
2008年11月24日 01:20
みかんさん、こんばんは!
又、一番乗りかしら。実家熊本から、平戸は遠いので、出かけた事は無く、又最近は実家に帰る事も難しい状態では、こうしてみかんさんがUPされる九州の草花を楽しみにしています。
そうそう、スイカズラに黒っぽい実がなりますか?先日見かけましたので。
次も楽しみにしています。m(_ _)m
風太
2008年11月25日 22:34
 みかんさん、こんばんは
平戸では沢山の事お教えいただきありがとうございました。
サザンカ自生はいくらでもあるからか いつの間にか
見向きもしなくなりました。これではイカンです(反省)

 またご一緒させていただける機会がありましたら
よろしくお願いいたします。ありがとうございました。



みかん
2008年11月26日 01:20
かげろうさん 今晩は。
スイカズラには黒っぽい丸い実がなりますよ。今の季節に結構目に付きますね。葉はだいぶ赤くなってきていると思います。
みかん
2008年11月26日 01:25
風太さん 今晩は。
その節はありがとうございました。
背振山地にはもう雪が降ったのですね。今年はどこもかしこも雪や霜の訪れが早いような気がします。野生の花は極端に少なくなりますが、冬に咲く数少ない花を楽しんでいます。
やまそだち
2008年11月26日 19:22
平戸島の花,楽しませて頂きました、
遠くて,なかなか行けませんが、秋は南の方は花が沢山見られ、
行ってみたい気分のなります。


2008年11月26日 23:57
みかんさん こんばんは~
平戸の花も最終回になりましたね
沢山のお花を紹介していただいて、ありがとうございます
サザンカの花は、本当に地元だと普通にあるので写真も撮ろうとしませんが・・
そうなんですよね、遠くから来た方は「わ~サザンカが咲いてる!!」って喜んで下さいますね~
地元の花、大切にしながら花散策を楽しんで行きたいと思います
またご一緒できる時を楽しみにお待ちしています
これからも宜しくお願いいたします
みかん
2008年11月27日 08:29
やまそだちさん おはようございます。
機会がありましたら、また一緒に出かけませんか。これからの季節でも、四国の高知あたりでは、まだ驚くほど沢山の花を見られる場所がありますよ。
みかん
2008年11月27日 08:53
いっしいさん おはようございます。
我が家にも2本サザンカの木があります。長崎県の田平町で私設植物園を開いていた方からいただいてきたものです。1本は根っこがほとんどない状態でしたが、両方とも根付いて毎年沢山の花を咲かせています。もう18年も前の話しです。そのサザンカは鉢植えなので高さが今でも60センチほどですが、今日も真っ白な花をたくさん咲かせています。
またご一緒できる機会を楽しみにしています。いつの日か、いっしいさんが見つけたキバナノヒメユリも見てみたいです。
keitann
2008年11月28日 23:01
みかんさん、こんばんは。
自生の白いサザンカ、我が家の庭にあるサザンカとよく似ているのです。
うちは家もかなり古いので、たぶん庭も100年以上経っていると思うので、もしかしたら原種かな?とひそかに、自分だけで楽しんでいます。
明後日、高知に花散策に行く予定ですが、去年、これとよく似た白いサザンカを大堂海岸付近で見ました。恐らく自生のサザンカだろうと思っているのです。平戸島でも、自生の真っ白なサザンカが咲くんですね。
高知は同じ四国内でも、私の住んでる瀬戸内側より3度ほども気温が高いので、12月に行っても、まるで春風のような風が吹いています。
アシズリノジギクやツメレンゲなど、精々、楽しんでこようと思います。
みかん
2008年11月29日 01:11
keitannさん 今晩は。
100年以上も経っている庭なんてスゴイですね。是非1度拝見したいものです。白の一重のサザンカなら、野生種の可能性が高いですね。
高知の海辺はまだまだ花盛りですよ。ノジギクをはじめタイキンギクやハマナデシコ、サザンカなど、まだ随所で野生の花にお目にかかれるはずです。楽しんできてくださいね。
azami*
2008年12月13日 11:02
みかんさん こんにちわ~♪
晩秋の平戸島の花や風景素晴らしいですね!!堪能させていただきました!!
お花を追い求め、夢中になっている様子が目に浮かぶようです。(^^
お疲れ様でした。そして貴重な花の紹介ありがとうございます。

このブログを拝見していると、いつか行ってみたいと思うことばかりです。
いつかなんて悠長なコトではダメかもしれませんけど、心掛けておきたいです。
みかん
2008年12月19日 10:05
azami*さん こんにちは。
花の多い場所や特殊なものがある場所は何度も訪ねることが多いですね。同じような時季に訪ねても、見られるものが必ずしも同じとは限らず、常に新しい発見があります。それがまた楽しいですね。