みかんの花日記

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zoom RSS 末期的な危機か、鹿の食害

<<   作成日時 : 2017/09/17 01:52   >>

驚いた ブログ気持玉 35 / トラックバック 0 / コメント 7

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   この所、外に撮影に出る気がまったく起こらない。

   理由は簡単、あまりにも動物による食害がひどくて

   どこに出掛けても、山が丸坊主なのである。

   特に鹿による食害がひどく、いろんな場所が末期的な危機にさらされている。


   
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   上の画像は先日(9月6日)に出掛けた滋賀県大津市の葛川上流の山林である。

   クリックして見てください。

   まさに丸坊主、植林された杉林の林床が、まるで草刈りでもされたように

   なんにも生えていないのです。

   鹿による食害です。鹿が嫌うシダの数種などがわずかに生えているだけで

   ギョッとなる風景なのです。


   
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   それだけではありません。

   食べる草がないから、鹿たちも必死で、急峻な岩場にまで駆け上り

   背伸びしてまで、ありとあらゆる草を食べています。

   京都から滋賀県の山道へと入り、なんだか変だナ、とは感じていました。

   林縁にベニバナボロギクとダンドボロギクだけが異様なほどにはびこっているのです。

   目的の葛川の中流域に着いて、唖然となりました。

   川の両側、林縁にかけて草が全く生えていないのです。

   いや、正確に表現すると緑色の草が芝生状態なのです。

   そうです、鹿に食べつくされていたのです。

   人家周辺でこのありさまですから、人のこない山奥など以て然るべきでしょう。


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   キャンプ場や公園があり、常に人出の多い場所にも鹿たちは夜に出没し

   手当たり次第に食べ尽くす。上の画像は、その公園の道すがらのオハラメアザミの食害である。

   トゲの鋭いオハラメアザミはどこにでも生えているごく普通種だが、もはや痛いなどとは

   鹿たちも言っていられないのである。

   この日の目的の植物は、葛川周辺だけに生えるカツラカワアザミの撮影だった。

   葉のトゲが痛いほどではなく、葉がバサバサと茂るカツラカワアザミは

   鹿たちにとっては格好の餌になったとみえて、中流域から上流にかけて、半日をかけて丹念に探した

   にもかかわらず、食べ残しの株さえ見つけることができなかったのである。

   かつては、この川の流域ではそれほど珍しいものではなく、普通にあったアザミだと言うのに。

   根っこが残っていれば来年に期待もできるのだが、この状態だと

   もはや絶滅してしまった可能性は極めて高いのである。


   
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   上の画像はキャンプ場で撮影した鹿の糞である。

   そもそも鹿の糞はこんなに黒くはない。正常の糞であればもっと茶色い色をしている。

   食べ物が変われば、真っ先に糞にその影響が出る。

   鹿の頭数が異様に増えて、もはや食べるものがなくなっている状態なので

   かつてはトゲのあるアザミの類やサンショウなどには見向きもしなかったのに

   今やそれらは格好の食糧。それどころか毒草や毒の成分が多い果実なども食べ始めている。

   キャンプ場の人の話しでは、毒草のシキミやトチの実も食べているという。

   その結果、糞も変わってきていると。

   最近は人間の糞のような形になって来ているという。


   
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   毒草のせいか、これが鹿の糞だとは思えないような形の糞

   こんな糞があちこちに転がっていた。

   毒草を食べ始めていることは、あちこちで目撃している。

   8月31日は伊吹山に行ったのだが、強烈なショックを受けた。

   イブキトリカブトの群生地が、鹿に食べられて壊滅状態だったのである。

   そればかりではない。今頃の季節ならトゲが痛くて歩くのさえイヤだった登山道の両側に

   びっしりと群生していたコイブキアザミも皆無。

   テンニンソウの大群生地が、きれいさっぱりと食べられていて愕然となったのである。

   そればかりではない。苔むした石灰岩地にイブキコゴメグサやコウメバチソウ、ヒメフウロなどが

   咲いていた鹿にとっては非常に歩きにくいガレ場が、まるで機械で踏み荒らされたような状態で

   かろうじてわずかな花が残っているだけだった。

   伊吹山は、それでも駐車場から上のお花畑は、遅きに失した感はあるが一応網で囲った。

   あの高さの網では鹿は飛び越えてしまうが、一時しのぎにはなるだろう。

   でもイノシシは大暴れしている。


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   上の画像は2016年6月10日の撮影だが、この柵が張り巡らされた中でも、イノシシたちは縦横無尽に

   暴れまくっていた。

   同じ日に撮影した頂上付近のイノシシたちの足跡が下の画像である。


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   まるで張られた網なんて無視するような暴れ具合である。

   鹿には多少の効果はあったようだが

   イノシシはあちこちで網を潜り抜けているようだった。

   シモツケソウなどの花が咲かなくなったことも気がかりで

   伊吹山には頻繁に訪れている。

   張り巡らした網の効果は

   やはりイノシシには効果が薄かったようである。


   
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   同じ年の8月16日にも訪ねてみた。

   張られた網の効果を期待しながら登ったのだが

   頂上付近は、やはりイノシシの被害が顕著だった。(上の画像)

   鹿たちも結構入り込んでいるのが、食害にあっている植物を見てわかった。


   
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   頂上付近で黙々と網を張り続けている画像の方と

   少し話す機会を得て、伊吹山の植物保護のことについて

   色々な話しを伺った。

   日本が誇る花の名山でありながら、行政は余りにもあてにならなくて

   手弁当のボランティアに近いこと。

   色々な方が植物保護には関わっていて、考え方が必ずしも一致せず

   苦労の多いことなどを。

   この日、頂上付近のお花畑では、それなりの花は見ることができた。

   だが、張られた網の中での鹿の食害跡を見るにつけ

   鹿たちの必死な具合も見てとれた。

   何よりもショックだったのは、毒草と言われるイブキトリカブトの葉を食べていることだった。


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   左画像がイブキトリカブトの食害、右がサラシナショウマの食害。

   これらのせいかどうか、網で大きく張られた中に、さらに小規模の網の囲いがあるのだが

   その場所が特に貴重な植物が生えている場所とは思えないのが不思議である。

   単なる実験的なものなのだろうか。

   植物の専門家は関わっていないのだろうか。

   私が最も疑問に思う点である。

   確かに小規模な網で囲われた地点は植生は回復してきている。


   
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   あまりにも悲惨な現状報告なので、伊吹山には花は咲いてないの、と思われた方もいるかも知れない

   なのでこの日見た花の画像も少しだけ紹介したい。

   この季節なら群落となるサラシナショウマは群生していましたよ。

   イブキトリカブトもコイブキアザミも、頂上付近のお花畑では咲いています。


   
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   スマホの画像とはいえ、そこはプロですから、アラが見えないように誤魔化して撮ってます。

   クリックして大きな画面でお花畑を楽しんでください。

   今年、私が何よりもショックだったのは、駐車場より下の部分。

   つまり動物の食害に対して、何の手も打っていない山の8合目から下の部分なのです。

   2016年8月19日に撮影した下の画像をご覧ください。

   イブキトリカブトが群生していた場所です。


   
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   この場所のイブキトリカブトが鹿に食べられて全滅していたのです。

   真っ黒くなった茎だけが数本は残っていましたが。

   コイブキアザミにいたっては1本も生えていませんでした。

   楽しみにしていたマネキグサも、綺麗に食べられていて

   やっと数輪の花を見ただけでした。

   たった1年でこの変わりように、ただただ唖然としたのです。

   イブキトリカブトの毒性は他のトリカブト類より弱いのでは、と思ってしまったほどなのです。

   ことあるごとに鹿の食害について書いてきました。北海道アポイ岳の悲惨さ

   植生までも変えてしまった宮城県の話し、南アルプスは丸坊主の話し

   九州の屋久島や対馬での被害等々。

   いま日本列島は末期的ともいえる状態なのです。

   鹿が日本の自然を変えてしまうかも知れません。







   撮影は2017年9月6日滋賀県大津市、2016年6月10日、8月16日滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山で。
   今年8月31日の伊吹山ではショックで1枚も写せませんでした。というより花がまったく咲いていなかったの
   です。こんなことは伊吹山では珍しいことです。この日は上のお花畑には行きませんでした。
   鹿の食害がどれほどひどいことになっているのか、多くの人に知ってほしい問題です。

   鹿が特に嫌うのはマツカゼソウ、ヒヨドリバナ、ダンドボロギク、ベニバナボロギク、ワラビなどですが
   食糧難が続けば、そのうちに食べるようになるかも、これらの植物が群生している場所は危険信号が
   灯っています。

   

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
ご無沙汰しています。酷い現状ですね。日光でも霧ヶ峰でも被害が目立ちますが、これほどではないけど、今後はどこもいずれ切迫すると憂慮されますね。
目黒のおじいちゃん
2017/09/17 10:01
余りやりたくは無いけど国会や環境省の無策を罪として裁判に訴えると結果は別として世論を喚起する切っ掛けくらいにはなるか。
どこかの国と同じでもう時間がない感じですね。
アライグマ
2017/09/17 16:40
ご無沙汰しています

伊吹山、憧れの山ですが一度も行ったことが無い私ですが
悲惨な現状を見て、本当に末期的な症状に言葉も出ません
本当にどこに行っても、鹿の食害と猪の大暴れは何とかしないと
大切な植物が絶滅してしまいますね
いっしい
2017/09/17 21:33
何とも、憂鬱な見たくない画像です。
日本中の植物写真を撮り歩いているみかんさんの発する言葉だけに、なおさらです。
特に、鹿の軟便の写真には衝撃を受けました。
そのうち、解毒の能力を身に付けた鹿が現れたりして・・・
たまに地元以外に出かけても鹿の防護柵、身近な里山はイノシシが我が物顔で荒らしまわり、行動範囲の狭い私でさえ危機感を感じていました。
開発途中の北総の草原で初めて見た人参に似た花がイブキボウフウと知り、それ以来、伊吹山は憧れの山となっていました。
友人の土産話を羨ましがったり、みかんさんのブログを見て感激していたのは、つい何年か前のこと。
兆候はあったものの、まさか日本国中こんなにひどいことになるなどとは夢にも思っていませんでした。
希少種の盗掘に憤慨しているどころではなくなってしまいました。
メディアは、スキャンダルばかり執拗に追いかけてないで、もっとこういう現状を取り上げてくれたら何とか良い知恵も浮かんでくるのでは? と思ってしまいます。
みかんさんの現状を伝える説得力のある画像と文章に心動かされない人は無いと思います。
多くの人がこのブログを見てくれることを祈っています。
ケイ
2017/09/18 22:56
伊吹山の頂上お花畑は、今年の7月末に行きました。
途中の金網のドアは、以前に来た時にはなかったので、伊吹山も食害が大変なんやと驚いてました。
「さらに小規模の網の囲い」というのは、ボクも目にしたのですが、「シモツケソウ再生試験地」の事かもしれませんね。
シカの食害は方々で聞いてますが、トゲや毒のあるものまで食べてるなんてビックリです。
動物の体は環境変化に順応するので、毒にも順応していったんでしょうか?
普段、耳にしている情報よりも、冒頭のみかんさんの文章に愕然としました。
生の声と丸坊主の山。
末期的な危機。
天敵がいなければ増える一方なので、後は、人的な駆除しかないんでしょうね。
奈良でも、駆除対象地域が出来て、鹿の駆除に乗り出したそうですから、猟師さんって必要なんやと思いました。(^^ゞ
yoppy702
2017/09/23 19:08
悲しい現状をなんとかしたいとは思うものの,いろいろな事情が絡みすぎて,なんとも難しい課題。
せめて,国有地の環境保護(植生も動物も含めて)政策が話題にあがるような世情になってほしい。
金儲け,ケイザイ一辺倒ではなくて。
はるこ
2017/09/26 16:42
まとめコメで失礼します。

相変わらず憂鬱な日々が続いています。
どこに撮影に出かけても多かれ少なかれ、鹿の食害に出会います。
ほんとに憂鬱なのは、被害の比較的少ない場所であっても、先端が喰い荒らされて、植物体全体が奇形状態で咲いていることです。
標本的な画像の撮影がなかなか困難になっているのです。

先日も出かけた山の中の湖畔で、ジョウシュウトリカブトがことごとく鹿に食べられていました。急な沢沿いでかろうじて鹿に喰われなかった花を撮影できましたが、たまたま運が良かっただけの事でしょう。
鹿が異様に増えたせいか、ヤマビルも増えているように感じます。足首をやられてしまいました。靴下は血でべったり、宿に戻って気がついたのですが、なかなか血が止まらず少々あせりました。(糖尿病のせいで血が止まりにくい)
こんなことが続くと、撮影に出る気がますます失せてしまいます。とは言え仕事ですから、それなりに出掛けてはいるのですが。

このまま鹿が異様に増えてゆくと、行く末は一体どうなるのか、鹿の共喰いでもはじまるのでしょうか。

対策は驚くほど稚拙です。環境省も自治体も何もしていない訳ではなく、それなりの対策は講じてはいるのですが、何しろ後手、後手過ぎて、成果ははなはだ疑問なことばかり。このまま進行すれば、10年後に絶滅している植物の数は、考えるとゾッとします。

豊かな自然を取り戻すには、すでに50年くらいのサイクルでは追いつかないほどの、切羽詰まった状態になっているのです。
みかん
2017/10/02 21:43

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末期的な危機か、鹿の食害 みかんの花日記/BIGLOBEウェブリブログ
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