みかんの花日記

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zoom RSS ハマボウ  Hibiscus hamabo

<<   作成日時 : 2017/07/24 21:26   >>

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   ハマボウは川が海に流れ出すあたりの河口の泥湿地に生える。

   満潮になれば、根元まで水が押し寄せてくるような場所に生えるので

   大潮の時などには、根元が完全に水に浸かっている。

   川の流れに沿うように、一列になって並んで生えていることも多い。

   こんな具合である。


   
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   この時は潮が引いていたので、左下に見える泥湿地に水が来ていないが

   満潮時には水で埋まってしまう場所である。

   こんな場所を住処にしているハマボウは、落葉低木で

   高さは普通1〜3メートルになるが、大きなものでは5メートルほどに育つ大木もある。


   
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   樹皮の色は白っぽく、根元でいくつもの枝をわけ、全体的には

   こんもりとした樹形となる。

   花は夏に咲く。

   朝開いて、夕方にはしぼむ1日花である。

   花の形からもわかるように、園芸種のハイビスカスと同じ仲間である。

   植物学的には、アオイ科フヨウ属となる。

   フヨウ属は学名をHibiscus(ヒビスクス)と言うが、一般にはハイビスカスと言った方が通りが良い。


   
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   ハマボウの学名はHibiscus hamabo (ヒビスクス ハマボウ)で、和名のハマボウが

   そのまま学名として使われている。

   神奈川県の三浦半島が北限地で、分布は神奈川県以西の本州、四国、九州である。

   南現地は鹿児島県の奄美大島である。

   屋久島以南には、良く似たオオハマボウが海岸に生え、花も良く似ているが

   葉の基部が深く湾入するので区別することができる。

   下の画像は葉の基部が円形かややハート形になるハマボウの葉と、つぼみ(右画像)である。


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   上の画像をクリックして見て欲しい。

   夏の最盛期には、ともかく毎日毎日たくさんの花が咲く。

   だが、どんなにたくさん咲いても、これらの花はすべてたった1日だけの、はかない命。

   午後になると、黄色かった花の色が、やや赤みを帯びてくる。


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   そして突然、ポロリと散る。

   落下した花は途中で枝に引っかかったり、そのまま砂浜に落下したり

   散った花の数もおびただしい。

   夕方木の下に入ると、ポロポロと落下した花が肩に降りかかるほどなのである。

   少し丸まるように色づいた花は、ものの哀れを感じさせる。


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   落下した花の脇に丸い穴が見えますね。

   この穴、なんだかわかりますか。

   ハマボウの木の下の泥湿地には、このような小さな穴が無数に開いています。

   少し離れた場所で見ていると

   この穴から無数の白い小さなカニが、わさわさと現れます。


   
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   片方の爪だけが極端に大きいハクセンシオマネキです。

   まるで、おいでおいでと呼びこむような動作は、見ていて可愛いのですが

   ひとたびカニに近づくと、みなあっという間に砂の中に潜り込みます。

   でも動かずにジッと待っていると、ハクセンシオマネキはすぐに出てきて

   またおいでおいでとハサミを打ち振るうのです。

   ハマボウの木の下には、こんな世界も広がっています。

   ちなみに片方のハサミが大きいのがオス、メスはどちらも同じ大きさをしています。

   おいでおいでの仕草に見えるのは、ウェービングといって、メスへの求愛行動なのです。

   (画像のピントが甘いのはご容赦のほど)


   
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   ところで、和名のハマボウだが、ハマは浜で砂浜や浜辺を意味することだとは誰にも想像がつくが

   ボウとは一体何を意味する言葉なのだろうか。

   「植物和名語源新考」で深津 正は、ボウとはハワイ語に由来するのでは、と述べている。

   ハワイではオオハマボウのことをhauと呼び、hou(ホウ)と発音することに着目し、

   それが小笠原住民に伝えられ、オオハマボウが山間部に自生するのに対し、浜辺に生える本種を

   ハマボウと呼んだのではないか、と考察しているのである。

   ちなみに、小笠原にはオオハマボウは自生するが、ハマボウは自生していない。


   
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   また、粘菌の研究で知られる博物学者の南方熊楠は、植物の研究でも牧野富太郎と競うほどの実力が

   あったが、熊楠は「ハマボとは浜穂又浜帆の意か」と考えていた。

   ハマボウが文献に登場するのは1695年のことである。

   元禄8年「花壇地錦抄」の巻三の木槿のるいの項に、『はまぼ花形木槿のごとく色うこん』とあるのが確実な

   記録である。当時からすでにハマボウの名は知られていたことになる。


   
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   たった1文字違うだけで、全く別の植物になってしまう。

   ハマボウとハマゴウである。

   上の画像はたまたま一緒に同じ場所に生えていたので写してみた。

   手前に這っている薄紫色の花がハマゴウ、後方の黄色の花がハマボウである。

   文字はたったの一文字違いだが、花の感じは随分と異なるが

   どちらも浜辺を住処としている落葉低木である。


   
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   この日はまさに花盛りで、花の数の多さに圧倒された。

   あまりの見事さに、スマホで初めての試みをした。

   少し大きなサイズで撮影してみたのである。

   上の画像をクリックしてみてください。2段階に大きくなります。

   三脚が使えるわけではないので、本業の合間に手持ちでポチッと押しただけなのだが

   大きくなるので、どうぞ大きくして臨場感をお楽しみください。


   
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   急に思いついて出掛けた吹上浜だったが

   想像以上に沢山の花が咲いていて、ついつい上機嫌で

   思の他、長い時間をここで過ごしてしまった。

   そろそろ引き上げようかな、と思う頃になって

   海からの水が少しずつ川へと逆流してきたようだった。












   撮影は2017年7月21日 鹿児島県吹上浜の河口にて

   画像はクリックすると大きくなります。大きな画面でもお楽しみください。

   はじめての方のコメントを特に歓迎します。

   ここに見には来ているけれど、感想ははじめてという方、ひとこと書いてくれると嬉しいです。

   よろしくどうぞ。撮影はすべて記録用のスマホ画像です。

   文章中の敬称は省略しています。先人に感謝しながら。



   🌼オマケ画像

   最後に沖縄の海岸ではごく普通に見かけるオオハマボウの画像を。

   沖縄ではユウナの名前でも親しまれています。

   昼間は黄色の花なのですが、夕方になるとハマボウ以上に見事に赤くなります。

   沖縄県の名護市で2017年7月4日に撮影。

   全く同じ花を時間差で捉えてみました。

   ハマボウとの葉の形の違いにも注目してくださいネ。


   画像画像

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
当地方は梅雨入りと梅雨明けが逆転した感じ。
今頃になって毎日曇り空で気温が低めでしとしと雨です。

青空の下、元気色のハマボウの花めでながら散歩したら気持ちいいでしょうね。
一日花でも、落ち花お掃除は海まかせ、というのが何とも魅力です。

我が家の渋いローズピンクのムクゲはハイビスカスそっくりさん。
毎朝たくさんの花を咲かせ、夕方にはしおれた花がお隣の通路にぽたぽた落ちてご近所迷惑してます。
朝一番の美しい花をめでながら、これをお掃除するのが夫の日課になっています。
ケイ
2017/07/27 12:28
ケイさん 今晩は。
朝一番の日課が落花のお掃除とは、花の季節だけの楽しみでもありますね。
みかんも毎朝、前日に咲いたユウスゲやハイビスカスの花がら摘みが、家にいる時の日課でもあります。
雨は降りすぎても困りますが、降らないのもまた困ったことです。部分的に極端に降る傾向の昨今の気象状況は、各地で災害を引き起こしているので、なんとかならないだろうかと思っています。東京の八王子で、みかんも大粒の雹に遭い、車のフロントガラスが割れないかとびくびくしたことがありました。今年の6月16日のことでした。
みかん
2017/07/28 00:00
みかんさん こんにちは。
ハマボウの名前の由来 興味深く読ませてもらいました。
「ハマ」は「浜」だと思っていたのですが 「ボウ」とはどんな花なのかなあ〜 と思っていたので 疑問が一つ解決です 
さすがに プロの手にかかると ハクセンシオマネキも 可愛らしく楽しい写真で 笑顔になります。
先日の休みに また ハマボウを見に行ったのですが 時間が 夕方だったので オレンジ がかった花がたくさんでした。
とくじぃ
2017/08/02 10:31
とくじぃさん こんにちは。
その節は色々とお世話になりありがとうございました。
ハマボウをまた見に行かれたのですね。時間帯が変わると、花の色が変わるので随分と印象も変わると思います。日本の西の方の河口ではハマボウはそれほど珍しい木でもないのですが、それでも生えている場所が限られているので、あまり一般的ではありません。
吹上浜の河口には2本の川が流れ込んでいるので、よりたくさんのハマボウが生えているのだと思います。
みかん
2017/08/02 14:32
海岸に咲くハマボウの花は、好きな花の一つです。
関西だと、紀伊半島に自生があるので、時々、訪れます。
自生の環境は、国道の堤防のすぐわきだったり、決して良くありませんが、元気に咲いています。
大きな花で、色も鮮やかだし、もっとみんなで、愛でてあげたいなと思います。
ほととぎ
2017/08/08 23:42
ほととぎさん こんにちは。
ハマボウは愛でるに値するいい花だと思うのですが、一般にはあまり騒がれることがありませんね。自生地の少なさや、生える環境にもよるのかも知れません。
私は種子から育てたものを、鉢植えで咲かせています。
みかん
2017/08/09 12:57

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