みかんの花日記

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zoom RSS シラネアオイ  Glaucidium palmatum

<<   作成日時 : 2017/06/27 12:32   >>

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   シラネアオイは、日本が世界に誇ることのできる名花である。

   日本だけに分布している特産種である。

   1属1種という特異性に加えて

   誰が見ても好感を持てるその花は

   なんとも優雅である。


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   シラネアオイの分類は、様々な紆余曲折があって現在に至っている。

   かつてはキンポウゲ科に分類されていたが

   キンポウゲ科として一括りにするには、あまりにも違う点が多すぎて

   シラネアオイ科という独立した科が作られた。

   1科1属1種という、極めて特異な存在だった。

   それが日本を代表する花のひとつとして、いかにもふさわしい姿に見えた。


   
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   それが今回の植物の大幅な見直しによって

   かつての分類は何だったの、というほどに変わってしまった部分が出てきたのである。

   新分類は、最新のDNAによるもので、遺伝子レベルでの共通性に基づいているものなので

   過去の外見による類似性での分類とは異なり、何ら疑う余地のないものなのだが

   シラネアオイは再びキンポウゲ科に戻されたのである。

   とは言え、キンポウゲ科の中にあっては、やはり特異なことに変わりはなく

   早い時期に分岐した分類群と考えられている。

   キンポウゲ科シラネアオイ属という、日本固有の単型属なのである。

   それが新分類によるシラネアオイの位置である。


   
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   ならばキンポウゲ科ではなく、独立したシラネアオイ科でも良いのではないか、

   と私は思うのだが。識者はどのように考えているのだろうか。

   ちなみに学名のGlaucidiumとはシラネアオイ属という意味で

   種小名のpalmatumとは、掌状の、という意味で、葉の裂れ込み具合からきている。

   シラネアオイは深山から高山にかけて生えるので

   深窓の麗人とも形容できるが、日本海側では意外と低い場所にも生え

   海辺の山でも見ることができる。


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   花期は4月下旬からはじまり、徐々に高山へと咲き進む。

   白馬岳のような高山では、7月のはじめ頃まで花が見られるが、最盛期は6月頃だろうか。

   どのような場所に生えるのか、というと、落葉広葉樹の林床や高山草原、雪崩斜面の低木林の中など

   雪と深く結びついた場所に生えている。

   分布は北海道から本州の中部地方まで、日本海側の多雪山地では、大きな群落となることも

   それほど珍しいことではない。


   
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   ところでシラネアオイの花だが

   じつは花弁がないのである。

   薄紫色の花弁状に見える4枚は萼片である。

   たくさんのオシベと、2個のメシベから成っている。

   花の大きさは、花弁状の萼片まで入れると10センチほどあるが

   中には10センチ以上もある花も、決して珍しくない。

   特に北海道のものは、花の色も濃く、大輪のものが多い。

   たった1輪だけが咲いていても、ともかく良く目立つのである。


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   急な斜面を登って、昨日も今日もシラネアオイばかり写している。

   誰も人が来ないのは良いのだが、今しがた熊が食べたであろう草の食痕や

   踏み後が新しいヒグマの足跡を見つけて、ギョッとなった。

   残雪が道をふさいでいて、森林管理所の車がもうそれ以上は林道の奥に入れない辺りで

   熊が出ているので注意してくださいね。と言葉をかけてもらったことを思い出した。

   ゲートが閉まっている林道を1日中歩いて、森林管理所以外の人とは誰にも出会わなかった。

   帰りの道すがら山菜のコゴミ(クサソテツ)を摘みながら、心細さを鼻歌で紛らわしながら

   帰りのタクシーを予約した林道の入り口まで、約束の時間に遅れないように急いだのである。


   
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   時に自然はこんなプレゼントも用意してくれているので

   熊の事はさておいても、やはり人が入らない山はいいなぁ、と思うのである。

   この日も1日たっぷりと歩いて、咲きはじめたばかりのエゾノリュウキンカやエゾエンゴサク

   カタクリの白花などとも出会った。

   それらを独り占めできる幸せを、しみじみと味わったのである。


   
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   撮影は2017年5月14日〜15日 北海道定山渓温泉の奥地で。定山渓温泉の付近でもシラネアオイは
   普通に見ることができますが、画像は主に夕日岳や余市岳山麓のものです。

   撮影はスマホのカメラで撮っています。クリックすると大きくなる画像もありますので、シラネアオイだけ
   ではなく、写り込んでいる他の花々も楽しんでください。

   時期を逸してしまい、どうしようかと思ったのですが、あまりにも多くのシラネアオイの画像があるので
   その一部をお目にかける次第です。

   コメントを歓迎します。

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
キンポウゲ科と聞いて
あれっ、それじゃ「あのピンクは花弁じゃなくて萼片?」
と聞いてみようかと思ったら既に答えが書いてある。
(* ̄∇ ̄*)至れり尽くせり
アライグマ
2017/06/27 20:37
ヒィエー 
たまらない画像ですぅ。
シラネアオイはもちろん、やはり自然の林床は見飽きないですね。ウラヤマシー。

那須八方ヶ原のトウゴクミツバツツジ(子間々の女王)、今年は花数が少なくて一寸残念でした。また機会をみつけて会いに行くことにします。
ちゅうちゃん
2017/06/28 09:05
アライグマさん 今晩は。
キンポウゲ科には花弁状の萼片を持ったものが多いですね。
植物学的には萼片ですが、正しい認識というのは風情に欠けます。
この薄紫色の花びらがなかったら、シラネアオイは魅力がありません。
ちなみに学術用語には、花びらという言葉もありません。
素敵な花の世界を、言葉でつまらなくしていますね。
みかん
2017/06/28 16:48
ちゅうちゃんさん 今晩は。
喜んでもらえてアップした甲斐がありましたね。
いつもブログネタは山ほどスマホの中に眠っているのですが
陽の目を見るものは少ないので、今回はあえて載せてみました。
いま山で花盛りのコアジサイなんて、もう10年近くも毎年毎年アップしようと思いながら、いまだにアップできていません。
古いガラケーの時から撮ってますから、ボツにした画像はそれこそ山のよう。もうとっくに消してしまったものもあります。やはりタイミングみたいなものもありますね。
ツツジ類も当たり年と外れ年がありますから、来年の楽しみが増えたと思えば、それはそれで楽しいことかと。
みかん
2017/06/28 16:57
たおやかなシラネアオイの花が瑞々しく咲いてる風景は、本当に素敵ですね〜♪
実は、5月の始め、TVのローカルニュースで、大豊町の古いお寺で栽培されてるシラネアオイの花を紹介してまして〜^^(喜)
四国では見られない花なので、たとえ植栽でも見たいと思い日曜日を待って見に行きました。
するといちめんにシラネアオイの萎れた花が・・・・(トホホ)
管理してる方によると、
「TVの取材が来た前後が、いちばんきれいだったから、もうちょっと早く来てほしかった」そうです。
大柄の花の萎れ方は激しくて、哀しかったので、一枚も写せずでしたぁ〜。。
次は紅葉の頃来てくださいと云われて、帰りましたけど。。
その時の喪失感が、おかげさまで癒されましたぁ〜^^(喜)
リサ・ママ
2017/06/28 17:22
リサ・ママさん それは残念でしたね。
来年は是非、咲きはじめの美しい時に訪ねてください。
シラネアオイは暑い都会でなければ、栽培は割と簡単なようですよ。
私の実家は群馬の山間部ですが、今は亡き母が植えていて、それが増えて群生状態になってました。
その花盛りの状態を見た私の友人達は、歓声をあげてそのシラネアオイを撮ってました。黒土だけなのに結構丈夫に育ってました。その家は道路の拡幅で立ち退きとなり、今は跡形もありませんが。何故移植しなかったの、と生前の母に聞いたところ、芽が出る前で気がつかなかったと。私は今でも惜しいことをしたと思っているのですが。
みかん
2017/06/28 18:23
シラネアオイは、また、キンポウゲ科に戻ったんですね。
APG分類体系は、なるべく、科の範囲を大きく取る方針だということを、何かで読んだ気がします。

でも、分類っておもしろいと思います。
種や、属や、科レベルは苦手ですけど、目や綱や、もっと上のレベルの分類がおもしろい。劇的に変わった植物の分類、なかなか頭に入りませんけど、以前のエングラー体系よりは納得できます。
動物の分類も、けっこう変わってるんですね。例えば、ウシとクジラは近縁であることがわかり、一緒になって、鯨偶蹄目だそうです。ハヤブサは、ワシやタカより、ハトに近いらしいとか。
最も大きな分類単位は界だと習ったのに、もう一つ上位のドメインという単位ができてるんですね。日本語すら当たっていません。
ほととぎ
2017/06/28 23:40
シラネオアイ,って,本当にきれいな植物だといつも感心します。

「人が入らない山」の魅力もわかります。
とはいえ,みかんさんのような,ひとにぎりのかただけが入るべき場所だ,とも感じます。
私はまだそういう場所への立ち入りは許されていないわぁ(経験と知識と伝達力を鍛えてからじゃないと,山からの許可が出そうにない)。
はるこ
2017/06/29 10:30
いつも勉強になってますが、今回も、シラネアオイ、メッチヤ、勉強になりました。
綺麗な花やから、ただ、単に撮りたいという事だけで、どんな花なのか全然知りませんでした。
植物の分類が変わるのは良く聞きますが、シラネアオイは特異なんですね。
最新のは、キンポウゲ科シラネアオイ属ですか。
キンボウゲ科の決め手がDNAですか。
「日本だけに分布している特産種。1属1種という特異性。」
素敵な花姿だけでなく、こんな面があるんですね。
シラネアオイの見方が変わりました。(^^ゞ

北海道定山渓温泉の奥地やったら、熊が多いですね。
自然のプレゼント、独占できる幸せは素敵ですけど、お気をつけてくださいね。
yoppy702
2017/06/29 16:28
ほととぎさん おはようございます。
6月下旬から7月はじめまで、しばらく沖縄に行っていてコメント返しが遅くなりました。夕べ帰ってきました。
エングラーで植物を覚えた人間には新分類はなかなか馴染めませんね。
まだまだ戸惑うことばかりです。ですがアジサイ科のように、エングラーよりはるかに納得できる新設された科もあるので、内容的には肯けるのですが。
科の範囲を大きく取ると、シラネアオイは当然キンポウゲ科になりますね。ですが日本の学者が頑張ればシラネアオイ科が復活することも充分ありえますね。
分類と言うものは新知見が加われば当然変わっていくものですから。
みかん
2017/07/06 08:07
はるこさん おはようございます。
西表島を皮切りに、最後は本島のヤンバルに取材に行ってました。
今年は花期が遅れていて、目的のランが撮影できなかったりもしましたが、絶滅危惧植物でやっと撮影できたものもあります。ともかく暑かった。

人が入ってはいけない山は、原則的にはないと思っています。
入る人が限られるべきでもないと思います。
自然は共有の財産ですから、誰にでも平等であるべきだと思っています。
ただ、自然を敬う心や、大切にする心だけは持ち続けていたいですね。
みかん
2017/07/06 08:22
yoppy702さん おはようございます。
いつもコメントありがとうございます。沖縄から昨夜帰ってきました。
自然の中には危険な生物もいますが、出会って嬉しくなるような生き物もたくさんいます。今回のヤンバルでは毒蛇のハブに2度出会いました。足もないのにシュルシュルと逃げ足はとても速かったですよ。アハハ
何より嬉しかった出会いは、ノグチゲラでした。巣立ち後の親子の姿を、しばらくの間眺められました。人がほとんど入らない森のせいか、アカヒゲなども全く警戒心がなく、目の前で何度も出会いました。巨大なナナフシがじっと動かずにいたり、やはり自然は感動ものです。
成果は今ひとつでしたが、こんな自然の中にいられる幸せを感じました。やはり自然は偉大です。
みかん
2017/07/06 08:40

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