みかんの花日記

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zoom RSS スミレシリーズその5   キスミレ Viola orientalis

<<   作成日時 : 2017/04/15 18:44   >>

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   名前の通り黄色の花が咲くスミレです。

   黄色い花が咲くスミレの多くは、亜高山帯から高山帯に生えるものがほとんどだが

   その中で唯一、平地に生えるスミレなのです。

   とはいえ、どこでも見られるスミレではありません。


   
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   分布は静岡県から西で、あちこちに点々と見られますが

   かなり局所的で、それほど個体数の多いスミレではなく

   生える場所は割と限られています。

   ところが、例外が九州にあります。

   阿蘇・九重の野焼きが定期的に行われる草原では

   山が黄色く見えるほど大群生します。


   
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   上の画像をクリックしてみてください。

   再度クリックするとさらに大きくなります。(2段階アップ)

   野焼きが終わって真っ黒くなった草原に

   真っ先に芽を出し花を咲かせるのがキスミレなのです。

   阿蘇・九重の草原は、はるかな昔より、人の手によって築かれた人間が管理してきた草原です。

   春先の野焼きや、夏の放牧、秋の草刈りなど、

   常に人間の手が入ることによって維持されてきた半人工の自然なのです。


   
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   そんな場所にキスミレは営々と命をつないできたのです。

   草原が野焼きされないと、キスミレたちは生きていけません。

   夏には人間の背丈を越すススキの草原が

   秋に草刈りされず、春先に野焼きが行われなくなると

   キスミレは自然と絶えてしまうのです。


   
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   草原はススキやハギなどの低木が主に生え、その中にカシワの木などがぽつん

   ぽつんと生えています。

   牛馬の採草地としての用途や、放牧がメインのこれらの草原を

   ススキ草原と呼びます。


   
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   山そのものを利用しているので

   深い谷や湿地などもあります。

   大きな岩が飛び出していたり、火山岩の大岩がゴロゴロしている場所もあります。

   そんな場所は野焼きもうまくいかず

   ススキが立ち枯れたまま残っていたりもします。


   
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   別府から由布院を経由して、阿蘇へと続くやまなみハイウェイは

   峠を越えて快適な舗装道路がつづきますが

   そんな道の両側に、キスミレは黄色く見えるほど大群生しているのです。

   九重に限らず阿蘇でも、全く同じ状況が続きます。

   阿蘇や九重の草原では、キスミレはそれこそ

   山の斜面が黄色く見えるほどの、ごくごく普通の野草なのです。


   
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   訪ねた初日はあいにくの雨模様

   それでもキスミレは健気に咲きだしていました。

   水滴で花びらが濡れると、上弁と側弁がひっついてしまい

   なんともみすぼらしい姿になってしまうのですが

   あちこち歩いて探すと、今しがた咲いたのでは、と思えるほどの個体にも出会います。


   
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   とりあえず今日はロケハンに徹して

   あちこち見て歩きます。

   今年は例年より1週間から10日ほど花期が遅れていて

   山はまだ早春でした。

   この日も最初に写したのはフキノトウでした。


   
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   センボンヤリが咲いています。

   ヤマエンゴサクも咲きだしています。

   サクラソウがどっさりと芽を出し、ゼンマイもくるくると丸まった綿毛を見せています。

   末黒の芒(すぐろのすすき)は俳句の春の季語ですが

   真っ黒く焼け焦げたススキの先端からは、すでに緑の芽も伸びだしています。

   そんな中で、キスミレだけが花盛りです。


   
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   キスミレは野焼きの終わった草原に咲きますが、低木などは黒焦げになったまま

   まだあちこちにツンツンと枝を伸ばしています。

   そんな中を歩くのですから、いつの間にかズボンは炭でいたずら書きされたように

   黒く汚れてしまいます。

   ズボンの裾を汚さないためには長靴は有効ですが、結局、履いていたジーパンの膝小僧のあたりは

   かなり真っ黒く汚れてしまいました。


   
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   湯布院は双耳峰の由布岳の山麓に広がる、日本でも有数の温泉郷です。

   先の熊本地震によって被害は受けましたが、今は平常に戻っています。

   温泉に浸かってゆっくりと手足を伸ばした翌日は、天候も回復し

   まさにキスミレ日和、斜面が黄色く見える野焼き後の土手と、由布岳のピークを入れながら

   何枚も何枚も写真を写しました。


   
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   私の住む愛知県にも、わずかにキスミレは自生していますが

   阿蘇や九重の草原を歩くと、どこを歩いてもキスミレだらけで

   気をつけないと踏みつけてしまいそうになるほどの大群生に

   貴重なスミレであることなど、すっかり忘れてしまうのです。


   
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   それにしても、キスミレの花を訪ねるたびに思うことなのですが

   柵で囲われた自生地で、遠くから眺めるのと

   思う存分歩けて、好きな花を自由に選べて、それこそ選り取り見取りのこの違い

   はるばる出掛けて来た価値は、充分すぎるほどあると思うのです。

   誰もいない草原で、キスミレの大群落を眺めながら

   自然の素晴らしさを実感するみかんがいました。


   
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   撮影は2017年4月11日〜12日 大分県湯布院周辺で

   画像はクリックすると大きくなります。風景的なものは2段階に拡大しますので

   大きな画面で草原のキスミレを堪能してください。

   画像はすべてブログ用にスマホで撮影したものです。

   今回は以前に書いていたスミレシリーズとして取り上げました。

   決してキスミレだけを撮りに行ったわけではなく、他の植物も色々撮影しています。

   時間的な余裕があれば他の花々も紹介します。

   コメント歓迎します。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
〇〇のつかないキスミレはそちらに行かないと見れないので見てないですね。
北関東から新潟あたりの苗場キスミレやオオバキスミレは何度も見ましたけど。
野焼きをしないとOUTなのは日照の関係なのでしょうかね、それとも発芽条件に熱とか有るのでしょうか。
商売敵が居なくならないと駄目とか。
(ーー;)そうか、小心者で恥ずかしがり屋なのかな。
アライグマ
2017/04/15 21:21
アライグマさん 今晩は。
いつも一番乗りですね。毎回のコメント感謝です。
ただのキスミレは関東地方に住んでいると見る機会は少ないですね。みかんも初めてキスミレを見たのは社会人になってからでした。関東地方からだと最も近い静岡県で見ましたが、枯れ草の中から数輪が咲いているだけの淋しいものでした。
後に阿蘇で山が黄色く見えるほどの大群落を見て、本当にビックリしました。野焼きをしないとアウトなのは、もちろん日照の関係もありますが、それより何よりもススキや他の草が茂ってしまうと、競争に勝てないのが第一の原因です。
みかん
2017/04/15 23:29
こんなに鮮やかな黄色いすみれの花があるものなのですね‼
スミレというからには 青紫系 スミレ色の花色とばかり思っていましたが!!
野焼きをしているおかげで 出会えるのですか  
いつか この時期の湯布院に出かけて 実物のキスミレを見てみたいものです。
とくじぃ
2017/04/17 00:17
とくじぃさん こんにちは。
菫色という言葉があるくらいですから、普通は紫系の花の色のスミレが圧倒的に多いのですが、黄色い花のスミレも結構色々と種類があるのですよ。
オオバキスミレやタカネスミレなど、黄色のスミレは群生するものが多いですね。
平地でお目にかかれるのはこのキスミレだけですが、九州では何といっても阿蘇・九重が圧巻ですね。鹿児島にも分布はしていたのですが、現状はどうなっているのか、遷移が進むと短期間のうちに絶えてしまいます。
みかん
2017/04/17 11:08
キスミレの大群生、お話と写真だけで驚いてます。
もし、目の前にしたら、言葉は出ず、見入ってしまうでしょうね。
黄色のスミレは、ボクが、時々行く、六甲高山植物園で、オオバキスミレというのが咲くので、そこで、初めて黄色のスミレがあるんやという事を知りました。
ビオラの黄色は見ていたので、黄色のスミレが貴重というのも知りませんでした。
そのキスミレが、こんなに咲いているんですね!
阿蘇や霧島の方は、ミヤマキリシマが頭を過ぎりますすが、キスミレの事を教えて頂けるのは、こちらに訪問させて頂いてるから。(^^)

地面が黒いのは野焼きの跡ですね。
そんな所からも、健気に咲いているなんて、植物ってスゴイです。
そういう所を歩くと、確かにズボンが汚れます。
ロングスパッツなんかは着用されないんですか?
まぁ、膝小僧のあたりまで汚れるんやったら、完全防備にはなりませんが。(^^ゞ
yoppy702
2017/04/17 18:36
yoppy702さん 今晩は。
ロングスパッツは本格的な登山をする時には使っていますが、使うのは主に雨の日だったりします。普段はほとんど使いません。
キスミレの撮影の時などは、ズボンが汚れるのは当たり前と思っているので、あまり気にしませんね。そんな事を気にしていると良い花に出会えませんから。あはは
阿蘇や久住のミヤマキリシマの大群落もスゴイですね。山が遠くから見ても紅く見えます。土日は登山道が渋滞するほどの人出になりますが。九州はどこに行っても温泉があるので、また別の楽しみもあります。
みかん
2017/04/17 23:32

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