みかんの花日記

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zoom RSS ヒガンバナ咲く   ごんぎつねの里

<<   作成日時 : 2016/09/26 07:00   >>

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   ヒガンバナはまるで申し合わせたように、秋の彼岸の頃に満開になる。

   その年の気候によって、多少は花期が前後はするものの

   日本全国、ほぼ同じ頃に満開になる。

   多くの草花は緯度経度によって、同じ種類であっても多少の花期のズレがあるのが普通だが

   ヒガンバナに限って言えば、このことが当てはまらない。

   寒い地方も、暖かい地方も、花期はいずれもお彼岸の頃なのである。


   
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   それゆえヒガンバナの名前がある。

   ヒガンバナはもともと日本に生えていた植物ではない。

   有史以前に大陸から持ち込まれた史前帰化植物と考えられている。

   日本以外では中国大陸の揚子江流域に多く自生している。

   人里近くに多く自生しているのは、かつて救荒植物として

   人間が食料として利用していたからに他ならない。


   
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   とは言えヒガンバナは有毒植物である。

   球根にはアルカロイドが含まれている。

   縄文人や弥生人は、あるいは飢饉に見舞われた江戸時代などでは

   球根を細かく砕き、何度も何度も水にさらして毒気を抜き

   貴重な食料としていたのである。

   球根は有毒だが、良質のデンプンがとれたのである。


   
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   これほど華やかな花でありながら、何故か万葉集に謳われることは少なかった。

   ただ1首、柿本人麿の歌集に壱師 (イチシ) の名前で登場するだけである。

   壱師=彼岸花説を唱えたのは牧野富太郎だが

   その根拠は、今でもヒガンバナのことをイチシバナと呼ぶ地方があることに由来しているようだ。

   山口県の熊毛ではイチシバナ、福岡県ではイチジバナなどである。

   だが柿本人麿の壱師については、イタドリ、エゴノキ、イチゴなどの説もある。


   
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   ヒガンバナはともかく地方名の多い植物である。

   おそらく花の中では断トツで、これほど多くの名前を持つ植物は他に見当たらない。

   花の色からのカジバナ、茨城、群馬、兵庫、島根。アカハナ、兵庫。アカコバナ、福岡。

   キツネノタイマツ、福井、大阪、兵庫、岡山。キツネノチョーチン、山口。

   根に猛毒があることからの、そのものズバリのドクバナ、群馬、神奈川、静岡、奈良、島根、山口、高知、

   愛媛、熊本、大分、宮崎。少しなまってドクッパナの埼玉など、あげていったらきりがないほどなのである。

   葉の形状や生える場所からの名前も多い。

   日本にはおよそ700にも及ぶ方言名があるとされるが

   そのいずれもが、あまり良い意味での名前ではない。


   
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   ひとつには、根に猛毒があるためにネズミ駆除のために

   土壁の中に塗り込んだり、土葬で埋葬されたお墓に植えたりしたために、あまり縁起の良い花ではなく

   むしろ敬遠される花だったのである。

   そのため庭に植えることを嫌い、庭に植えると火事になる、などの迷信も生まれた。

   ヒガンバナの美しさがクローズアップされるようになったのは

   球根がヨーロッパにもたらされた以降である。


   
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   私は縁あって、愛知県半田市に移り住んだ。

   当地に来るまでは新見南吉も、その代表作の「ごんぎつね」さえ知らなかった。

   半田市は南吉の故郷である。

   「ごんぎつね」の舞台となった里山が、いまヒガンバナで真っ赤である。

   市内を流れる矢勝川に沿って、300万株とも言われるヒガンバナが植えられているのである。

   わずか数名の有志がはじめた植栽が、今では観光名所になるほどの大群生地へと

   変貌したのである。


   
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   今年も花の時季に合わせて、露店なども出るほどの賑わいを見せている。

   真っ赤なヒガンバナが咲く土手を、白無垢の花嫁さんが人力車に乗って

   羽織袴の新郎とゆっくりと歩む花嫁行列 (今年は24日に行われた) も恒例となった。

   きょうも(25日) かなり多くの人出で賑わっていた。

   近くに駐車場がないために半田市役所近くのアイプラザより無料のシャトルバスも出ている。(土日祝日)


   
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   ところでヒガンバナには種子ができない。

   日本のものはすべて3倍体なので種子ができないのである。

   繁殖は球根の分裂によって増える。

   中国には3倍体のものと、2倍体のものがあり、2倍体のものには種子ができる。

   最近は日本でもあちこちで2倍体のヒガンバナが植えられている。

   我が家でも今年、種子を蒔いて育てたコヒガンバナ Lycoris radiata var. pumila に

   はじめて花が咲いた。8月のことである。

   一般にコヒガンバナは花期が早く、普通のヒガンバナより1ヶ月ほど早く咲くのが普通である。

   あわてん坊のマスコミが、もうヒガンバナが咲いた、などと報道するのは

   種子のできるコヒガンバナなのである。

   種子を蒔いてから5年ほどが経過したと思うのだが、いま手元に播種した日時の資料がない。


   
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   半田市の矢勝川のヒガンバナの話しに戻そう。

   まだまだつぼみも多く、今月いっぱいくらいまでは花を楽しめそうである。

   自然界では滅多に白花は見られないが

   ここでは白花も多数植栽されているので

   赤と白の競演も見放題である。


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   ヒガンバナの色は赤だが、緋色といったらピッタリするような鮮やかな赤である。

   どちらかと言うと、淡い色を好む日本人には、あまり歓迎されてはいなかった。

   だが最近は、各地にヒガンバナの名所ができるほど人気がある。

   ほんの一時、突然に現れて、まるで燃えさかる炎のような朱赤に

   人々は一体何を重ねて見ているのだろうか。


   
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   撮影は2016年9月25日 愛知県半田市の矢勝川沿いで

   撮影はすべてスマホのカメラで撮っています。

   画像はクリックすると大きくなります。特に群落は大きな画面でご覧ください。

   折角苦労して撮影してきたのに、自分で傑作だと思える画像が操作ミスでアップできませんでした。

   まだまだ編集においてはパソコン初心者の域を出ません。残念なりぃ。

   広角のスマホレンズを苦労して駆使したつもりだったのですが。

   旬が命、とりあえずのアップです。感想をどうぞ。

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コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
コメントするのは初めてです。ときどき拝見させていただいています。彼岸花 毎年のように叔父叔母と 花畑を見に行っていたのですが 今年は、行かなかったので 真っ赤なヒガンバナを見せてもらえて嬉しかったです。
とくじぃ
2016/09/26 08:48
く(-"-)ポリポリ
困ったもんだ。
σ(-_-;)は基本的に「百万本の◎◎」の類は好きじゃないんだけど・・・
プロが撮ると綺麗に見えちゃうじゃないか。
きょうのσ(^_^)のブログネタは小さな彼岸花の群生にしよう。
(ΦωΦ)ふふふ…
アライグマ
2016/09/26 13:31
とくじぃさん はじめまして。
みかんもじいさんです。あはは
これからもよろしくお願いします。コメントは大歓迎です。
このブログには毎日平均700人ほどが見に来てくれているのですが、コメントを
書いてくれる人はほんの少しの人達です。
感想を書いてくれる人は神様のような存在なのですよ。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
みかん
2016/09/26 14:41
アライグマさん こんにちは。
みかんも花の名所と言われる場所は敬遠したい方なんですよ。
半田市という所は、ほんとに植物的にはつまらない場所なので、たまには
名所に乗ってみるか、と。
半田市の観光PRに一役買って出た、という訳です。
どこからこんなに人が集まるの、というほどの人出。20分おきに出るシャトルバスは常に満員。画像にはあまり人物を入れていませんが、人混みが苦手な人には向きませんね。アレッPRになっていないか。
みかん
2016/09/26 14:49
おかげさまで彼岸花のことが良〜く分かりました。。彼岸花ってアスパラガスのような芽が出たと思ったらあっと言う間にニョキニョキ伸びて、植物がこんなに早く生長するのは不思議です。
むっちゃん
2016/09/26 19:33
むっちゃん 今晩は。
どうせここでは仕事にならないだろうからと、最初からカメラは持参せず、スマホだけ持って出かけました。
まだつぼみも多く、咲きはじめの綺麗なヒガンバナだったので、スマホとは言えついつい夢中になりました。
トップ画像にはお気に入りの写真を入れたかったのですが、変な変換をしてしまったせいか、お気に入りの画像はすべてブログに載せることができませんでした。
ここに載せたものは、いずれもその次に良かった画像です。あはは
パソコンに関してはまだまだ素人です。
みかん
2016/09/26 22:00
みかんさん、おはようございます。

これがゴン狐の里の彼岸花なのですね。
青空に生えた赤色は独特の風情があります。

かって読んだゴン狐はもの悲しいストーリーで、私はいつかこのイメージのヒガンバナを撮りたいと思っていました。いまだ撮れていませんが。
祖母から「舌曲がり」と教わっていました。
神様の造形美のような花だと思います。
さなえ(花の庵)
2016/09/29 08:23
素晴らしい、私も前に行ったのですが、こんなに彼岸花が
咲いてなかった。 とっても残念!
もう一度行ってみようかな。コメントは初めてですが、朝日でお世話になり、見せていただいてます。
リリー
2016/09/29 17:37
さなえさん こんにちは。
ヒガンバナのことを「舌曲がり」と呼ぶ地方は多く、私が住む愛知県をはじめ、鳥取県などでも各地で舌曲がりと呼ぶようです。

「ごんぎつね」は何とも悲しい物語りです。発売されている絵本や教科書に掲載されている物語りでは、ハッピーエンドに終わっていますが、新見南吉が書いた原作
原稿を見て、私は衝撃を受けました。原作では決してハッピーエンドではないのです。いつか原作を踏まえて、新見南吉の人生も絡めて取り上げてみたいとずっと思っているのですが。

ヒガンバナ、じつはみかんも大好きな花のひとつです。ヒガンバナが咲いていない地域で育ったので、はじめて見た時は、まさに造化の妙と感心しました。私の母も全く同じ気持ちだったようで、母は実家の庭にヒガンバナを植えていました。
みかん
2016/09/30 13:22
リリーさん ようこそお越しくださいました。
歓迎します。
私のカルチャー教室の生徒さんかな?
確かに数年前と比べたら、ヒガンバナの量はさらに増えていますね。
延々2キロに渡って咲き続いていますが、これほど植え込まなくても良いのでは、と思うほどです。昨日も側を通りましたが、まだ花盛りでした。
でも花は咲きはじめの時がいちばん綺麗ですから、再訪するなら、来年の平日にどうぞ。
みかん
2016/09/30 13:30
おはようございます〜。

彼岸花にキツネってついてたことを
半世紀ぶりに思い出しました〜(笑)
岡山です〜。
それも西の端山陽線の端っこです。

「きつねんばな」って言ってました。
カタカナで書くべきかな?
かなでもいいのかな??

茎をポキポキ折って(細かく)
聴診器にして遊びましたが・・・

何だか彼岸花って(こちらへ住むようになり)
とても都会的な呼び名だと(爆
)そればっかり使うようになりました。
(^∇^)アハハハハ

8月頃咲くのは種でしたか〜。
知らないから慌て者の彼岸花だと思ってました。
(○゚∀゚)ガハッ∵∴
ぐーま
2016/10/03 08:24
ぐーまさん おはようございます。

相変わらず各地にお出かけのようですね。里山巡りにはみかんも興味があります。
面白そうなカルチャー教室だと思います。

ヒガンバナをキツネに例えた方言名は非常に多いのですよ。キツネバナと呼ぶのは茨城、富山、京都、和歌山、岡山、島根、広島、山口、香川、大分など、広範囲に及びます。キツネンバナと呼ぶのは兵庫県から記録があります。ぐーまさんは岡山でも兵庫県寄りの場所だったのかな?
その他、キツネに関した名前としてはキツネクサ、キツネゴーラ、キツネノイモ、キツネノオーギ、キツネノカミソリ、キツネノカンザシ、キツネノシリヌグイ、キツネノタイマツ、キツネノチョーチン、キツネノヨメゴなどなど、狐と関連付けた名前は多いのです。
この名前の調査は、日本植物友の会が中心になって1966年(昭和41年)に編纂されたものですが、私が使用している本は、昭和47年に発行された千部だけの限定本です。通しナンバーが打ってあって、私のはNO730です。私は古本で手に入れたのですが、当時の値段で4500円ですから、かなりの高価本だったのですね。
こういった貴重な本がうずもれないことを期待したいですね。
みかん
2016/10/03 09:50
みかんさんGood morning!!

この高価な部数限定の本のことカルチャーで
おはなしされましたよね。
欲しい!!
一瞬心が動いたのですが発行されてないとのことで
すぐにあきらめました。
本当にこういう貴重な本がないなんてザンネンですね。

キツネンバナ・・・やはり岡山県笠岡では使っていたようです。
広島県境です。
きっとキツネバナがなまったんでしょうね(笑)
ちなみにこてこての南濃町北部出身の友人に聞いたら
「チョウチンバラバラ」と言っていたそうです(爆)

こういうの調べると面白いですね〜。
その本・・・本当に欲しいです〜(笑)
花の方言って興味大ありです〜♪♪
ぐーま
2016/10/04 07:33
ぐーまさん こんにちは。
しばらく鹿児島県に撮影に出ていてコメントが遅くなりました。
花の名前に関する方言名は面白いものが多いですね。
以前、長崎県で私設植物園を開いていた方が調べた、長崎県内の方言名を集めたものをいただいたことがあるのですが、ともかく面白くて
抱腹絶倒したことがありました。
日本国内では標準和名が浸透してきていますが、方言名というのは、ある意味日本の財産でもあると思います。
みかん
2016/10/09 12:10
はじめまして。
小生のブログに気持ち玉をいただきありがとうぎざいます。
mikanさんのブログを拝見したら、
ヒガンバナ咲く ごんぎつねの里を見つけ
ました。半田市は故郷で懐かしく見させて
もらいました。これからも時どき見させて
もらいます。  よろしく
ミッチャ
2016/11/24 17:35

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