みかんの花日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 高原の花野で   夏から秋へ

<<   作成日時 : 2016/08/27 00:20   >>

ナイス ブログ気持玉 22 / トラックバック 0 / コメント 12

画像



   高原にすっくと立って咲くコオニユリは

   まだまだ夏の盛りを思わせるが

   8月も中旬を過ぎれば

   高原はすっかり秋の気配となる。

   天候が今年のような不順な年でも

   花たちは季節に従順に咲く。


   
画像



   マツムシソウは高原に咲く花の中で

   最も秋の気配を敏感に感じ取って花ひらく。

   マツムシソウが咲きだせば、高原はもはや秋である。

   空に浮かぶ雲さえも、すでに秋の気配が濃厚で

   あの夏の日の、もくもくとした積乱雲は

   もはや見ることはない。


   
画像



   マツムシソウは以前の分類では、マツムシソウ科に属していた独立した分類群だったが

   最近のDNAによる新分類では、科が消滅してなくなり

   スイカズラ科へと吸収されてしまった。

   科の配列をエングラーで覚えた人にとっては、違和感があるが

   時間の経過とともに馴染んでゆくことだろう。

   エングラーの配列は高等な順から、キク科ではじまり、キキョウ科、マツムシソウ科と続く。

   今までの図鑑の多くが、その配列順に並んでいる。

   それが当たり前のように刷り込まれているので、まだ新分類には抵抗を感じることもある。


   
画像



   上の画像は秋の七草にも選ばれているキキョウだが

   最近、自生の本種を見ることは極めてまれになってきた。

   かつてはどこの里山でも見ることができた野草のひとつだったが

   キキョウが生える環境自体がものすごく減少して

   今では絶滅危惧植物のひとつである。

   だが、スキー場の斜面などでは、かつての昔を彷彿させるような場所が

   まだ少しだが残っている。


   
画像



   クリックして大きな画面で見て欲しい。

   あまりにもキキョウの密度が濃いこの場所で、結局半日は動かないままだった。

   たびたび訪れている場所なのだが

   キキョウの生える密度は、微妙に動いている。

   スキー場の斜面と言えど遷移は進むのである。

   昨年凄かった場所には、わずかな数の花しか咲いていなかった。

   キキョウの花が咲けば、ススキが穂を出し

   ハギの花も咲きだしてくる。


   
画像



   キキョウと一緒に咲いている赤い花はマルバハギである。

   スキー場の斜面のような、草刈りが定期的にされる場所には

   草丈のあまり大きくならないマルバハギが多い。

   ヤマハギに良く似ているが、花が葉の付け根に咲くので、全体が

   ずんぐりむっくりに見えるのが特徴である。

   ヤマハギが優雅に枝をしならせて咲く姿とは

   多いに趣を異にする。


   画像画像
























   上の2枚の画像はどちらもマルバハギである。

   花に近づいて側で見ると、マメ科だから立派な蝶形花をしている。

   木の姿全体は、右画像のようにこんもりと茂る。

   だから遠くから眺めても、すぐにマルバハギだとわかる姿をしている。

   花には訪れる昆虫が多く、こんな花の季節だと蜜蜂などの羽音も賑やかである。

   草原の中を歩いていて、遠くから目を射る花のかたまりがあった。


   
画像



   これもマルバハギである。

   花序(花のかたまり)が異様で、いわば奇形といったものだが

   これだけの花の密度だと

   さすがに人目を引く。

   夏から秋へと移行する今の草原は

   夏の花と秋の花が同居している。

   少し前までは斜面がピンクに霞んで見えていたヤナギランは

   もう花は花茎の先端だけになっている。

   オオバギボウシも最盛期はもう過ぎているのだが

   所々に、まだ充分見応えのある花も咲いていた。


   
画像



   自然のままにまかせたスキー場の斜面は、思いのほか花の種類が豊富である。

   だが、多くのスキー場では、芝を蒔いたり、園芸種のコスモスやラベンダーなどを植えたりして

   夏の観光客を狙っている施設が多い。

   それらが決して悪いことではないのだが、中途半端なままの所が多い。

   中にはお花畑と称して入場料金を取る所さえある。

   草刈りをするだけで、スキー場の斜面は山菜畑になったり、お花畑になったりする。

   手間暇かけずに最も効率の良い方法だと思うのだが、その良さがわかる人が

   少ないのだろうか。


   画像画像























   上の画像はどちらもコウリンカである。

   左が咲きだしたばかりの花、右が最盛期の花である。

   コウリンカは面白い花で、花が最盛期なのに、花びらは萎れたように

   下向きにだらりと垂れ下がって咲く。

   右画像を見て、花が最盛期を過ぎている、と思った方は

   まだまだ初心者である。


   
画像



   ハナイカリもだいぶ咲きだしてきた。

   花の形はまさに錨、良くぞ名付けたり、と思える名前である。

   すぐ側には、ウメバチソウの固いつぼみが、もう次の出番を待っている。

   リンドウのつぼみもかなり色づいてきた。

   ワレモコウは地味な色だが、その坊主頭のような花序は

   やはり秋を知らせる色である。


   
画像



   ヤマハハコは遠目には白く見えるが

   よく近づいて見ると、意外と繊細な花であることに気がつく。

   花に触るとカサカサとしていて、まるでドライフラワーのような感触だが

   確実に生きていることを実感する。

   花には雄花と雌花があって、それらが別の株となって育っている。

   雌雄異株(しゆういしゅ)なのである。

   さて、下の画像のヤマハハコは、どちらかわかりますか。


   
画像



   志賀高原を皮切りに、本州中部の高原を5つほど回って来た。

   長野県内の高原が多かったが、新潟県や一部群馬県なども

   どこでも多くの花に出会ったが

   やはり群を抜いて種類が豊富だったのは

   長野県の中でも菅平高原や峰の原高原だった。

   菅平には友人の別荘がある。

   今回も5日間ほどはこの別荘にお世話になった。


   
画像



   シナノキやシラカバに囲まれて、静かな森の中にある。

   最近は良く熊が出没し、庭先をのっしのっしと歩いた跡があった。

   山ブドウなども実る森の中なので、熊にとっても快適な場所なのかも知れない。

   都会地が連日の猛暑日であえいでいる時に、朝夕は布団を掛けないと寒いほどの菅平だから

   窓を開け放つと、何ともさわやかな風が流れ込んでくる。

   まるで自分の別荘のように、何度も使わせてもらっているので

   特に菅平のスキー場の斜面の花は、どこに何が咲くか

   絵地図を書けるほどである。


   
画像



   この日は、朝、峰の原のスキー場の斜面まで車で運んでもらった。

   最初にカメラを向けたのはカセンソウだった。

   車を降りたその場所から、すでに花野が広がっていた。

   ヤナギラン、コオニユリ、マツムシソウ、オオバギボウシ、ヨツバヒヨドリ、ワレモコウ

   ミヤマシシウド、ヤマハハコ、エゾカワラナデシコなどなど

   咲いている花の名前をあげていったら、それこそ切りがないほどに。

   黄色のオミナエシがベタいちめんに咲いている所もあった。


   画像

   

   画像























   
画像



   私の姿がすっぽりと隠れてしまうほどの谷の斜面で

   何とも面白いものを見つけた。

   ミヤマバイケイソウである。

   高山から亜高山帯の草原に生える植物である。

   緑色の花をびっしりと咲かせるのが普通の姿だが、なんと

   白花まで混じって咲いていた。

   3枚目の白い花をクリックしてみてください。

   後方にわんさかと茂っている紫色の小さな花が見えますか

   カリガネソウの大群落です。

   2メートルを越す背丈で茂っていました。じつはこのカリガネソウを写そうと

   近づいて行ったのです。ジャコウソウが咲いていたり

   なかなか面白い谷でした。


   
画像



   上の画像はカラマツソウですが、深い藪に覆われて

   この花などはまったく目立たない存在でした。

   私の身長を越す藪をかき分けながら斜面を下ります。

   下の方で咲いているマルバダケブキが呼んでいるからです。

   ヨイショ、コラショ、などと掛け声を出しながら

   その藪の中を行進して行きました。


   画像画像
























   花は咲きはじめで、なんとも新鮮でした。

   実はこのところマルバダケブキのイメージが悪くて

   自分から進んで撮りたい花ではありませんでした。

   その理由は、今や世の悪者の象徴のようになっている鹿の嫌う代表的な植物で

   場所によってはマルバダケブキだけのお花畑が

   随所に広がっているからなのです。

   ですが、ここはまだ鹿の食害がほとんど発生していないので

   花が豊富な上に、マルバダケブキもまだ自然のままの姿なのです。

   花には何の罪もないのに、こちらの偏見によって

   あやうく素敵な株を見逃すところでした。

   下の方から濃霧が発生し、徐々に山腹を登ってきました。

   風景も時に濃く、薄くガスに包まれはじめました。


   
画像



   ガスに包まれる前に、ミヤマシシウドだけは撮っておこうと思いました。

   ミヤマシシウドは、何ともダイナミックな花です。

   まるで夜空に広がった花火のように、豪華に咲きます。

   青空の中に佇む姿も絵になりますが

   濃霧の去来する高原で、揺るぐことのないガッシリとした巨体で

   威風堂々と立ち尽くすさまは、何とも惚れ惚れとする力強さが満ち溢れています。


   
画像













   撮影は2016年8月6日〜12日 本州中部の高原で。 志賀高原、妙高高原、南葉高原、菅平高原、峰の原    
   高原などで撮影しましたが、メインは菅平と峰の原高原です。

   撮影はスマホのカメラで撮っていますが、少し大きな画像で撮影しました。画像は2段階にアップになりま

   す。拡大して大きな画像でも細部を楽しんでください。

   コメント歓迎します。ひとこと感想をお聞かせください。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 22
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
かわいい かわいい
驚いた
ガッツ(がんばれ!)

コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
寝る前にちょいとのぞいたら、大サービスで感激です。
どこでもいいから高原に行ってみたいなー、と昼間ぼやいていたところです。
近頃、暗いニュースばかり、私の感性も鈍って腐る寸前だったのですが、何やら元気が出てきました。
今晩は素敵な夢が見られそう、きっと少し霧がかかり始めた高原で、マツムシソウやキキョウに囲まれて写真撮りまくっているでしょう。
ミヤマシシウドやマルバダケブキも大歓迎!
ありがとうございます。
ケイ
2016/08/27 01:07
ケイさん おはようございます。
昨夜は良い夢が見られましたか。ご機嫌な朝だとよろしいのですが。
8月12日、午前中は再度菅平で撮影して、夜には我が家に戻ったのですが
なにしろ酷暑の愛知県ですから、アツイ、暑い。クーラーなしでは寝られませんでした。今まで快適に過ごしていたことが、まるで遠い昔の夢のようでした。
きょうも相変わらず暑いです。まさに残暑です。今すぐにでもまた涼しい高原に飛んで帰りたい気分です。
みかん
2016/08/27 09:13
おはようございます。
*.:゚+。★オヒサ*(´∀`q嬉)*ダネ★.:゚+。*です〜

何だかリュック背負って一つ一つの花の説明を受けながら
歩いてる気分になりました♪♪

涼しい高原の別荘に逗留して
みかんさん超羨ましいです!!

下界ではもうヘロヘロになっていましたよ。

何度も何度も画像を大きくして見入っています〜♪
ぐーま
2016/08/28 09:37
ぐーまさん こんにちは。
毎月のカルチャー教室が無くなったので、かなり自由に時間が取れるようになりました。じっくりと自分の写真が撮れるのは嬉しいことです。
9月1日からはまた西表島に出掛けてきます。長い年月をかけて狙っている植物がふたつあるのですが、その花の撮影です。台風が来なければ何とかなりそうなのですが、出かけてみないとこればっかりは。海の中の植物も今回はじっくり再撮影してくるつもりです。
みかん
2016/08/28 12:07
みかんさん とってもご無沙汰してます。2年ぶりにブログを再開したものの・・なかなか進まず 2カ月遅れです。それでも 昨日は 以前みかんさんが大好きと仰られてたササユリをアップして 今日報告しようと思っていたら すでに気持ち玉が・・・嬉しかったです・・相変わらず 知識は浅くてなかなか覚えられず悪戦苦闘してますが またみかんさんの図鑑を片手に山に行き 沢山のお花に出会いたいと思ってます。
ありがとうございます。
のの ☆
2016/08/28 12:47
のの ☆さん お久しぶりです。
ボランティアのガイドの方も頑張っているようですね。
マイペースでのんびりがいちばんだと思います。時間のある時に自分の好きな場所を歩いて、好きな花を写す。それがいちばんです。
すぐに名前がわからなくても良いのです。花の名前調べも、気の向いた時にマイペースで、が長く続ける秘訣ですよ。
これからもマイペースで進みましょ。応援しています。
みかん
2016/08/28 14:10
なぜ今コオニユリですか?と思いながらページを開いたら、
いきなり秋の高原へトリップさせてもらって、感激でしたぁ〜♪
クマは怖いけど、こんな山小屋で朝を迎える気持ち良さを味わいたいな〜^^
髭さんの身長を越す藪をかきわけて進むのは、きっとムリなことだけど、
白いバイケイソウや、ミヤマシシウドに興味津々ヽ(^。^)ノ(喜)
リサ・ママ
2016/08/28 23:52
リサ・ママさん おはようございます。
たくさん写したなかから、大き目なサイズで撮った画像を並べてみました。
今の季節、色々な高原を巡ってみると、いかに菅平が植物の宝庫かが良くわかります。ちょっと期待外れだったのは南葉高原でした。春先にはカタクリやキクザキイチゲなどが見渡す限り咲く場所なのですが、今の季節は余りにも花が少なくて、風景写真を2〜3枚写しただけで帰ってきました。標高が低いと暑さも半端なかったですよ。
みかん
2016/08/29 06:59
もう,圧倒されました。
普段会えない,花,花,花…。うれしい。
(この2か月間仕事で家に閉じこもりきりだったので,余計にうれしかった)

読み進めて行くほどに,興奮しました。

雪のない時期のスキー場には,樹木観察によく行きますが,ハナトラノオのお花畑になっていたりして,草本には期待せずにいました。
でも,どこかに,もともと育っていた草本もあるのだから,探してみよう,と思いました。
はるこ
2016/08/29 16:14
σ(^^;)の中ではスキー場と言うとスキーシーズン前に適度に草刈りと言う手入れが入って野草観察にはもってこいというイメージがあるのですが。
と言っても六日町や赤城山と菅平のダボスだけなんですけど。
キクザキイチゲやエンゴサク類・スミレなど極楽です。
(-ω-)ふふふ…(V)o¥o(V)ふぉーふぉーふぉ
しかし、ダボスは良いね〜〜〜〜
アライグマ
2016/08/29 18:55
はるこさん おはようございます。
2ヶ月も家に閉じこもりだったとは、ご苦労様でした。
異常な雨や酷暑や、外は大変な天気が続いていましたから、案外、室内はある意味で正解だったかも知れませんよ。
秋の気配も大部忍び寄ってきましたから、これからのフィールドの方が気持ち良いでしょうね。仕事も一段落していれば、気分的にもスッキリでしょうから、どうぞこれから楽しんでくださいね。
みかん
2016/08/30 07:43
アライグマさん おはようございます。
数少ない高原散策の中に、ダボスが入っているのはスゴイですね。
でもね、最近のダボスは、サッカーやラグビーやマラソンやその他諸々の学生たちが、スキー場の斜面の上を綺麗に刈り込んで、運動会状態になっているのですよ。
だから土ぼこりがモウモウと立ってます。そのせいかどうか、今年はユウスゲが極端に減少していて、往時の10分の1くらいしかありませんでした。
昔からラグビーの夏の合宿場所として知られていましたが、最近は宿泊できない学生たちがバスを連ねてやってくるので、飽和状態に近いみたいですよ。
みかん
2016/08/30 07:54

コメントする help

ニックネーム
本 文
高原の花野で   夏から秋へ みかんの花日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる