みかんの花日記

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zoom RSS 北海道花紀行  釧路の海岸線は、早や秋の気配

<<   作成日時 : 2015/08/03 01:14   >>

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   7月13日、釧路の海岸線ではノハナショウブが花盛りだった。

   車で走っていても、道路の両側に

   随所に紫色のかたまりが見えた。

   花菖蒲の原種と言われるノハナショウブである。

   とある場所で車を停めて、海と道路の間にある原野に降りてみた。


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   どこもかしこも、上の画像のようにノハナショウブが花盛りだった。

   それも今が最盛期で、花が終わったものはほとんどなく

   まだこれから咲くつぼみも多かった。

   砂浜から原野へとつづくその場所は

   どこもかしこもハマナスだらけ

   大きな紅い花はよく目立ち、北海道の海辺や原生花園を代表する花でもある。

   夏の花であるから、5月から7月にかけて

   いたるところで大きな花畑を作っている。

   夏に北海道を旅するなら、珍しくもないハマナスだが

   風に乗って漂ってくる甘い香りと、咲いたばかりの新鮮な花には

   どうしても立ち止まってしまう。


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   咲いている花を無視して通り過ぎるには

   あまりにも抵抗があり、何度も何度も立ち止まり

   繰り返しハマナスを撮影していると

   まれにはこんな出会いもある。


   
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   ハマナスの白花である。

   少し痛みかけた花もあったが、オオッと声を発して撮影する。

   最近はハマナスとは全く関係のない地方の道路脇などにも植栽されているので

   ハマナスは珍しくもなんともないが、やはり北海道の海辺で

   潮風に吹かれ丈低く咲いているハマナスには

   野趣があって、植えられた株とは趣が随分と違う。


   
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   この日、見事だったのは、上の画像のエゾオオヤマハコベである。

   まさに最盛期、見事に咲いた株がこんもりと茂って

   この花だけの群落を作っていた。

   特に釧路周辺の湿った草地では、夏に目立つ北海道らしい花である。


   
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   その場所に踏み込むことをためらってしまうほどの

   大きな群落を作っている。

   野生の花は、何もこればかりではない。

   ハマボウフウやマルバトウキなどのセリ科の花が無数に咲き続き

   ピンクのハマフウロなども咲きだし

   キタノコギリソウのうっすらとピンクを帯びた花なども咲きだしていた。


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             上の画像はどちらもハマボウフウ。若葉は刺身のツマとしても利用される。




   
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   セリ科の植物は分類が難しいが、上の画像は葉の幅が広いことから

   丸葉の名前が付いたマルバトウキ。

   海岸の草地に多いが、岩場などにも生える。

   北海道では、礼文島などでは大群落になるほど

   その数が多い。


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          左が咲きだしはじめたハマフウロ。右がキタノコギリソウ。これも咲きはじめたばかり。



   で、本題はここから。7月13日の探訪は、ある植物の下見のつもりだった。

   絶滅危惧植物に指定されている釧路地方の固有種を探しに行ったのである。

   だが、この日は半日を費やして、地図にポイントまで落としてもらったその場所を探したが

   見つけることができなかった。

   リベンジというわけではないのだが、その絶滅危惧植物を撮影するために

   7月28日〜30日を数ヶ月前から予約していた。

   その絶滅危惧植物の最も良い花期に、と予定を組んでいたのである。

   前回の訪問から2週間が経過した。

   どんなに不穏な天候が続こうが、季節は確実に進む。


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   まるで赤く色づいたリンゴのように、ハマナスの実が色づいていた。

   まだ花も咲いているけれど

   もうレンズを向けたくなるような新鮮な花は少ない。

   それにしても驚くほどのハマナスの果実に

   なんだか不思議な気がした。


   
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   この実のなり具合、不思議だと思いませんか。

   まるで咲いた花全部が果実になったような気がします。

   それほどこの一帯のハマナスは実が多かった。

   熟したハマナスの季節にも、何度も北海道に来て、あちこちで撮影しているのですが

   この果実のなり具合は

   尋常ではないような気がします。


   
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   花にはすべてにポリネーターがいて

   受粉の仲立ちをしてくれます。

   近くにまだ咲き残っていた新鮮な花があって

   その花にカメラを向けている時に、原因がわかりました。


   
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   画像に写っている昆虫がハマナスのポリネーターです。

   昆虫はエゾオオマルハナバチだと思います。

   私は昆虫の専門家ではないので、もし名前が間違っているようならご指摘いただけると嬉しいです。

   単なる絵合わせにすぎないのですが、顔ががっしりしているのでそう判断しました。

   マルハナバチの類はとてもおもしろい生活史を持っています。

   蜜蜂のように花ならなんでも良い、というわけではなく、この花、と決めたらその種類の花だけを

   次から次へと訪花するのです。

   つまりハマナスを選んだエゾオオマルハナバチは、ハマナスの花しか訪花しないのです。

   このことは、ハマナスにしてみればマルハナバチさまさまで、確実に受粉できるありがたい存在なのです。

   一定の距離の範囲を生活圏にしていますから、画像のようにハマナスの果樹園的な風景が

   見事に出来上がったのです。

   今回私がカルチャーショックを受けたのは、その集粉の仕方です。

   ハマナスの花に飛んできたエゾオオマルハナバチは、花のまんなかで仰向けにひっくりかえりました。

   と、同時に頭を中心にして、だだだっとオシベの花粉をすべて受け取るかのように

   目にもとまらぬほどの早業で、1回転したのです。

   私がああっ、と声に出した瞬間でした。お見事としか言いようのない早業でした。

   昆虫の体についた花粉は、こうして次に訪花する別の花へと運ばれ

   確実に受粉が成立するのです。

   昆虫にとっては、花粉は体をつくるのにかかせないタンパク源となるのです。

   花が昆虫を利用している良い例です。

   それにしても、あの集粉方法は何とも意外でした。

   話しがそれてしまいました。

   元に戻しましょう。


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   前回咲きはじめていたキタノコギリソウは、もう秋の雲を思わせる青空をバックに

   あちこちで花盛りになっていました。

   花の色は白からピンクまで、株ごとに違うほど

   微妙な変異があります。


   
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   どうしても花の色の美しいものを探すので

   少しでも色の濃い株を

   咲きはじめの新鮮な個体を、と

   あちらの株、こちらの株と見て歩きます。

   下の画像は、たくさん撮った画像の中で、特にお気に入りの株です。


   
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   ところで、この日、天気予報では釧路地方はくもり、でした。

   朝のうちは濃霧のかかる釧路地方独特の天気でしたが

   伝説の晴れ男がやって来たせいではないと思うのですが

   どんどんと晴れてきたのですよ。

   真夏の晴天は、いかに涼しい(実際は結構暑い)北海道とはいえ

   それほど嬉しくはないのです。

   むしろ曇りくらいの方が撮影はしやすいのですけれどね。あはは


   
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   まだ7月の終わりだというのに、結構秋の花が咲きだしていました。

   ツリガネニンジンは秋草、と言ってもよい花ですが

   海辺の草原は、選り取り見取りなほどその数が多いのです。

   しかも北海道のツリガネニンジンは、枝も太くがっしりしていて

   花の色も総じて濃いのです。


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   ともかくたくさんありますから、中には花の色の薄いのや白花もありますし

   本州のツリガネニンジンより、はるかに花の豪華なのが多いですね。

   秋の花といえば、秋の七草に数えられているオミナエシやナデシコも多いですね。

   特にオミナエシは海辺のせいか茎が太く、ガッシリとしています。


   
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   上の右画像のように、キタノコギリソウと2ショットの画像なんて

   北海道ならではのものでしょう。

   ナデシコは、北海道のものは苞が2対のエゾカワラナデシコです。

   パラパラと咲くカワラナデシコと異なり、エゾカワラナデシコは花がやや大きく

   びっしりと咲くものが多いです。

   下の画像では葉が見えないほどに、花がびっしりと咲いていました。


   
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   海辺の花野は、決してこれらだけではありません。

   太陽の顔を確認するかのように、いっせいに咲きだしてきたのは

   あまり出会うことのないヒロハノカワラサイコでした。

   前回来た時に数が多いことは確認していたので

   今回はしっかりと撮影して帰りたい花のひとつでした。


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   花の時季に、株元の葉が赤く紅葉していることが多いのも

   同定の良い目印になるかも知れません。

   夏から秋にかけては、草原はまさに花の宝庫

   歩けば歩くほどたくさんの種類に出会います。

   カセンソウの黄色い花が咲きだしていました。

   ミソハギのピンクの花もあります。

   ナミキソウが葉の陰に隠れるように咲いています。

   エゾオトギリソウが咲いています。

   ハマフウロは最盛期。標準的なピンクも白花もよく見かけます。

   エゾノヨロイグサは高々と咲き、草原を白い花で埋め尽くします。


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   この日、結局、いちばんのお目当ての絶滅危惧植物は見つからず

   私にとっては、またまた幻の植物となってしまいました。

   この日、最大のホームランは、下の画像のエゾベニヒツジグサが撮影できたことでした。


   
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   ご覧いただいた皆さんのコメントを歓迎します。

   この画像はすべて携帯電話のカメラで撮ったものです。

   撮影は2015年7月13日、29日 北海道の釧路地方の海岸線で。


   





















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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ノハナショウブを初めて見たとき,園芸種のショウブ類よりも気持ちを引き寄せられました。
海岸線でノハナショウブが他の植物達と群生しているようすは,なんとも幸せな気持ちにさせてくれます。
ハマフウロ,ツリガネニンジン,キタノコギリソウ,ナミキソウ…同じような顔ぶれと青森県太平洋岸で出会っています。現地ではごくありふれた種ではありますが,やはりこのお花畑では何度もシャッターを切ってしまいます。
セリ科の花々も,いつも同定できずにいます。数が多いこと…。私がわかるのは,特徴のあるオオハナウドくらいです。

よく言われるのが,北国のツリガネニンジンは「違う種じゃないの?」。
私も20年ほど前にツリガネニンジンに見えなくて悩んだものです。専門家から「萼片を観察してください」と指導を受けました…確かに…ツリガネニンジンなのですよね。
それにしても,北国のツリガネニンジンの色と形の豪華さには見とれてしまいます。
(出会ったことはない,エゾオオヤマハコベの満開加減に見とれてしまいました。)
はるこ
2015/08/03 11:02
はるこさん こんにちは。
早速のコメントありがとうございます。
青森県の海岸草原は、確かに北海道とかなり共通した種類が多いですね。一般の人達は海岸にお花畑があることが、なかなか理解しにくいようです。夏に限らず素晴らしい景観になるのですけどね。
ツリガネニンジンは変異が多いですが、お化けシャジンとも呼ばれるように、本州の草原で見るものとはかなり違って見えますね。北海道の他の海岸には、ツリガネニンジンとは別の種類もあるのでややこしいですが、釧路の海岸はツリガネニンジンだけのようでした。
みかん
2015/08/03 12:49
暑〜い部屋で開いた北海道の花だより、
何だかどこかで見たような? 懐かしくて嬉しくなるお花たちばかり。
それはつい10年ほど前まで付き合っていた、今は失われたに等しい北総台地のススキ草原の花々。
ノハナショウブ、オミナエシ、ヒロハノカワラサイコ、オトギリソウ、濃淡さまざまな色形のツリガネニンジン、群生するカセンソウ等々全く同じ種名のものと、強引にハマナスをテリハノイバラに、ハマボウフウをイブキボウフウに、ハマフウロをタチフウロに置き換えると9種類も同じようなものが!
実際にはもっと同じようなものがあるのではないでしょうか?
海岸植物の力強くたくましい美しさに圧倒されました。
それに比べるとススキ草原の植物は、なんと楚々とした植物だったことか!と今更ながら感じ入っています。
北海道の野性味あふれる海岸草原、何時までも健在でいてほしいと願っています。

エゾオオマルハナバチの集粉の様子、想像するだけで愉快ですね。
こんなの大好き!
ケイ
2015/08/04 11:39
ケイさん 今晩は。
毎日暑い日が続きますね。家の中にいても汗をかいています。
本州のススキ草原は良いですね。日本の原風景のような気がします。
オミナエシでもススキでも、やさしくたおやかなのが良いですね。北海道の海辺の花達は、みんなガッシリとしていますが、これはそれなりの魅力があります。
エゾオオマルハナバチの一瞬の行動には、思わず声が出てしまいました。駄々っ子が道の真ん中にひっくり返って、駄々をこねている。そんな感じだったのです。
みかん
2015/08/05 00:37
ミソハギだったのか〜〜〜〜
ノビネチドリか何かだと思っちゃったよ〜〜〜
雰囲気しか見てないことがバレちゃうよ
ヽ(´ー`)ノ素人だから仕方ないと言い訳しておこう。
葉も見ていなかったねーーー
アライグマ
2015/08/05 22:24
アライグマさん 今晩は。
はい、エゾミソハギではなくミソハギでした。
湿地だと群生することが多いのですが、この株は、ぽつんと1本だけでした。
最初は画像の下に種名を入れたのですが、なぜかズレてしまい、とても変なレイアウトになってしまったので、最終的に種名はカットしました。上の解説文でなんとか解るかな、と思ったものですから。
みかん
2015/08/06 19:49

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北海道花紀行  釧路の海岸線は、早や秋の気配 みかんの花日記/BIGLOBEウェブリブログ
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