みかんの花日記

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zoom RSS 八重山花紀行   与那国島その1

<<   作成日時 : 2012/10/29 18:06   >>

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   与那国島は周囲28キロほどの小さな島である。

   断崖絶壁が島の周囲を覆い、砂浜が少ないために

   かつてはドナンと呼ばれていた。

   ドナンとは渡難、渡るのが容易ではない島、という意味である。

   すぐ隣の石垣島までは117キロ、台湾までは111キロの黒潮の海に浮かぶ。

   日本では最も西に位置する島である。

   晴れた日には、台湾の山並みが黒々と見える日本最西端の島である。

   台湾に近いために、植物では台湾との共通種や

   日本では与那国島だけに生えている特殊な植物がいくつもある。

   植物を志す者は、いつかは訪れなければならない

   そんな島でもある。




   
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   今回の与那国島訪問で、いちばん見たかった花は上の画像の

   マルバミゾカクシだった。

   小さな見るに足らないような花だが、この花は与那国島だけにしか生えていない貴重な植物なのである。

   それも、どこにでも生えている訳ではない。

   限られた場所に細々と生きている。

   絶滅危惧植物の中でも、絶滅寸前のCRにランクされている。

   友人の助言で、生えている場所は大体わかっていたが

   まさか、こんなに簡単に出会えるとは、思ってもみなかった。

   イヤ、正確に言い直そう、咲いている場所は島に在住しているMさんに案内してもらった。




   与那国島に出かける数日前に、友人の紹介でMさんのことを知った。

   八重山には友人も知り合いも、なじみの宿も多いが

   与那国島だけは知り合いが一人もいなかったのである。

   早速彼に電話して、色々と植物の情報を知りたいので、お会いできないかと連絡した。

   彼は午後の1時からは用事があるので、それ以前の時間なら、ということであった。

   私は与那国空港に到着するなり、アヤミハビル館へと向かった。

   アヤミハビル館に電話して、Mさんと話しをしたからである。

   ところが私の早とちりで、Mさんは役場の教育委員会の方だった。

   学芸員の方に彼を呼んでもらい、5分ほどして彼が車でやってきた。

   アヤミハビル館は役場からは少し離れた山の上の方にある。

   アヤミハビルとは与那国島の方言で、世界最大の蛾、ヨナグニサンのことである。

   与那国島と聞いて、すぐにヨナグニサンを思い浮かべる人は多いことと思う。

   島の名前を何より有名にしているのは、この世界最大の蛾、ヨナグニサンによるところが大きい。

   与那国島はヨナグニサンの主な生息地でもあるのだ。




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   上の2枚の画像はキールンカンコノキである。

   ヨナグニサンの食草でもある。

   ヨナグニサンは年に4回発生するという。

   成虫になってから,オスで4〜5日、メスで5〜9日の限りなく短い一生を送る。

   その間に交尾し子孫を残す。

   子孫を残すためだけに成虫になるような美しい蛾である。

   10月のはじめは発生期だが、今年は例年より遅れているために成虫を見ることができなかった。

   下の画像は蛹の状態である。




   
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   蛹もかなり大きい。

   館の近くを散策すると、随所で蛹が見つかる。

   雨が降っても濡れないような場所を選んで、上手いことぶら下がっている。

   感心するのは、ぶら下がった葉が枯れても落ちないように

   葉柄と木の枝をしっかりと細い糸で結び付けている点である。

   すぐ近くに食草が生えている場所を選んでいることにも感心した。

   蛹が多く見られる館の近くの森では、珍しい木としてはヤワラケガキがある。

   日本では与那国島だけに生えている木である。

   黒く熟す小さな実には毛がびっしりと生えている。

   どこかに果実がなっていないか探すのだが、ついに実を発見することはできなかった。

   聞けば花が咲くのも稀だが、滅多に果実はならないという。

   ところが、年によってはびっしりと花が咲くこともあるという。

   何本かのヤワラケガキを見たが、いずれも葉だけで、果実は見つからなかった。

   柿の木の仲間は、大きくなる木が多いが

   ヤワラケガキはそれほど大きな木には育たないようだった。




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   上の画像は島随一のアコウの大木である。

   樹齢は150年超か

   見事な枝ぶりである。

   結局この日は、Mさんが案内する10人ほどのグループに便乗して

   私もMさんの車で島内を巡った。

   飛び込みで大丈夫かな、と心配したが、私も植物の説明などしながら

   仲間に加わらせてもらった。

   お陰で、要所要所で植物のポイントも教えてもらい

   明日からの行程が楽しみとなった。




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   この日の圧巻はイソマツの大群落だった。

   これほどの密度の群落は、日本一かも知れない。

   花の最盛期はやや過ぎているものの、あっけにとられるほどの大群落

   午後の陽に輝く海が眩しかった。

   画像をクリックしてください。

   うっすらとピンクに見えるのがイソマツの花

   左右に見える緑色の低木はミズガンピです。

   ミズガンピの群落も半端ではない量でした。




   
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   で、こちらがそのミズガンピの花

   沖縄ではミズガンピは盆栽として珍重されるため

   盗掘が絶えない受難の木でもあります。

   ぱらぱらと咲く花は、ほぼ一年中見ることができます。

   画像では大きな木に見えますが、あまり大きくはならず

   高さはせいぜい1メートルほど、海辺の岩などに根を食い込ませて育つので

   掘り取るのは容易ではないと思うのですが。









   次回 与那国島その2 につづく

   トップ画像はデジカメで撮影。観光名所のひとつ軍艦岩

   その他はすべて携帯電話についているカメラで撮っています。

   撮影は2012年10月5日〜6日 八重山諸島の与那国島で。

   しばらく八重山花紀行を続けます。




   




   

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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん 首をなが〜〜くして待ってました!

中身の濃そーーーーーな一泊二日の与那国島だったようですね(^^)
次回の図鑑レッドデータプランツにも載りますよね?
たのしみです。
shuku
2012/10/29 22:48
お待ちしてました。
八重山ですか!
いつもながら、読みごたえのある記事をありがとうございます。
今回は、知らない事ばかり。南の島もおもしろそうです。
その2も楽しみにお待ちしてます。
れい
2012/10/29 23:44
憧れの南の島、ドキドキです。
アコウの大木、かっこいいですねー!
王様のヨナクニサン、地味な袋に納まっているのが意外でした。
次回も楽しみです。
ケイ
2012/10/30 00:00
shukuさん おはようございます。
1泊2日では何もできません。与那国島には4日間滞在しました。核心はこれからですからね。もちろん次回の図鑑にはこれから紹介する花々も載りますよ。楽しみに待っててくださいね。
みかん
2012/10/30 07:54
れいさん おはようございます。
今月は月の半分ほど八重山の撮影に出ていましたので、久しぶりのブログのアップとなりました。大変お待たせしました。これから与那国島固有の数々の花をお目にかけます。
みかん
2012/10/30 07:58
ケイさん おはようございます。
与那国島といえばヨナグニサンですよね。羽化したての成虫を見たかったのですが、今回は無理でした。植物でもそうですが、やはりタイミングというものがあって、すべてが上手くかみ合わないとダメですね。花期に訪れたからと言って、必ず花が見られるわけでもありません。
みかん
2012/10/30 08:06
 みかんさん、こんばんは。
 与那国島は一度行ってみたい憧れの島です。西表島までは何度か行ったのですが、その先まではなかなか足が伸ばせませんでした。ヨナグニサンも見てみたいのですが、発生するタイミングと合わないと難しいようですね。
 このあとのみかんさんの記事を楽しみにしています。
ペン
2012/10/30 21:47
 みかんさん、みなさん、こんばんは。宮本@神奈川です。八重山諸島の植物は、南西諸島や小笠原諸島のそれと同じく、「日本の野生植物」や「新日本植物誌」でも写真などの情報の少ないものが多く、その正体がわかりにくいものが多いというのが正直なところです。

 みかんさんが撮られた写真や記事が、次世代に引き継がれていく貴重な財産になると大いに期待しています。わたしも今は、なかなかまとまった時間がとりにくいですが、みかんさんがまとめられる図鑑を片手に、いつかじっくりとかの地を訪ねてみたいと思います。

 ところで、野生植物を紹介するホームページの先達だったYasukoさんのご遺志を引きついで企画している「今年出会った花ベスト集」ですが、第4回となる今年も、今月19日から作品募集を開始したところです。みかんさんからも作品提供でご協力をいただきながら、例年、100点前後の作品を多くの方々からご応募いただいております。

 今回も11月以降、みなさんから投稿いただいた写真を日替わりで紹介していきますので、この1年に撮影された思い出に残る花、ベストショットなど、ご投稿いただければうれしく思います。くわしくはわたしが運営するホームページ「野生植物写真館」をごらんください。みなさんのご応募をお待ちしております!

○「2012年版・今年出会った花ベスト集」を募集します!
http://www.wildplants.sakura.ne.jp/bestflowers2012.htm
宮本@神奈川
2012/10/31 02:00
ペンさん こんにちは。
与那国島はなかなか素敵な島ですよ。飛行機を利用すれば石垣島からすぐですから、是非とも行かれることを薦めます。西表島とは随分と変わった植物が見られます。このブログが参考になれば幸いです。
みかん
2012/10/31 14:44
宮本さん こんにちは。
明日からは11月、あっという間に10月が過ぎて行きます。今年ももう振り返る季節が近づいてきた、ということですね。
恒例の「今年出会った花ベスト集」の季節なのですね。みかんはまだしばらくは撮影に動き回るので、もう少ししたら応募します。

このブログを見てくれている皆さんにお願いです。

野草の写真を撮っている方で、まだ一度も参加したことがない人は、是非この機会にあなたの傑作を見せてくれませんか。1人3点までですが、お気に入りを是非、よろしくお願いいたします。詳細は宮本さんのホームページで。
みかん
2012/10/31 15:15
みかんさん、こんばんは。
与那国島の植物、楽しく拝見いたしました。
キールンカンコノキ、なんてケッタイな名前・・・
“キールン〇〇”という名前を見かけることがたまにあるので、
思い立って調べてみたら、キールンというのは台湾の地名だったのですね。
それにしても「植物を志す者は、いつかは訪れなければならない」なんて言われると、いてもたってもいられないではないですか〜!(^^ゞ
写真でしか見たことのない南国の植物を、その2でも楽しみにしています。
nekoppana
2012/11/07 22:03
nekoppanaさん 今晩は。
不具合が長いこと続いたウェブリブログも、やっと正常に戻ったようです。コメントを書いたけれど、載らなかった、という人もいたのではないか、と気にしています。
「植物を志す者は・・・・・・・」と書いたのは、植物を生活の糧とする者は、という意味だったのですよ。ですがnekoppanaさんのように、植物に夢中になっている人は多く訪れているようですよ。それだけ魅力的な植物が多い、ということでもあります。
みかん
2012/11/07 22:53
みかんさん、こんばんは。先頃は見舞いなどありがとさんでした。
ところで、ヤワラケガキですが7年程前に西表島の山中で自生を確認しており、与那国島のみではなくなっています。
うらの
2012/11/09 00:39
うらのさん 今晩は。
その後、手の具合はいかがですか?順調に回復していると良いのですが。
ヤワラケガキの新情報ありがとうございます。いつか西表のものも見てみたいですね。仕事で山を歩いているうらのさんだからこその快挙と思います。うらのさんも関わりのある「改定・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物」は一応チェックはしたのですが、あの本が出来上がる頃に発見したということですね。滅多に手に入らない本ですが、沖縄県の現状を知る上で非常に参考になっています。
みかん
2012/11/09 21:35

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