みかんの花日記

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zoom RSS エゾムラサキ   Myosotis sylvatica

<<   作成日時 : 2012/05/27 10:35   >>

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   その群落に出会うとドキッとする北海道の花を、もう1種類紹介しよう。

   エゾムラサキである。

   名前にエゾ (蝦夷) とついているように、北海道に多いが

   本州の中部地方以北に分布する。

   花期は5月から6月、ある図鑑には7月までと記載されていたが

   私は7月に花を見た記憶はない。

   本州では深山に生えるが、北海道では道端で見ることも多い。




   
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   どこにでもあるものではないが、生えている場所ではどこでも群落となる。

   遠くから眺めても、うっすらとブルーに見えるほどの大群落となる。

   ひとつひとつの花を見ても可愛いが、エゾムラサキの良さは

   いちめんに大群落となるその凄さかも知れない。

   出会うと、ともかくスゴイのである。




   
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   道路脇に、まるでベルトのように咲き続くブルーの花を見つけて車を止め

   踏み込んだダケカンバ林の下で撮ったものが上の画像である。

   これがほんの一部分。

   どうですスゴイでしょ。

   クリックして大きな画面でどうぞ。

   オオイタドリが伸びはじめているが、エゾムラサキの生える場所は

   ある程度湿り気のある、ふかふかとした土壌の場所である。

   夏になればオオイタドリやアキタブキが鬱蒼と茂り

   ここにこんな花園があったことなど、微塵も感じさせないような場所である。




   
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   これが林縁部、いわゆる道路脇。

   葉を広げているアキタブキ、赤い葉のオオイタドリに混じって、黄色い花は帰化植物のセイヨウタンポポである。

   山道を削って林道を作ったために、

   人の往来や車の行き来によって、帰化植物がどんどんと侵入している構図である。

   で、最初にギョッとなったのが下の満開状態のエゾムラサキ

   この群落が数メートルにわたって咲き続いていたのである。




   
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   まるで花壇

   園芸種ではなく、野生の花だけれど。

   エゾムラサキは園芸種の 「ワスレナグサ」 に大変良く似ている。

   どちらもムラサキ科エゾムラサキ属。

   ワスレナグサはヨーロッパ原産だが、日本には花壇の花として導入された。

   最近は困ったことに、この園芸種のワスレナグサがエスケープして

   野にはびこっている場所も見られることである。




   
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   エゾムラサキとワスレナグサの違いは、

   ワスレナグサは地面にべたっと張りつくように横に広がるのに対し、エゾムラサキは茎が立ち上がることである。

   決定打の違いは、花茎に生える毛の種類である。

   ワスレナグサには圧毛と呼ぶ、寝た毛が生えるが、エゾムラサキにはカギ状の先端が曲がった毛が生える。

   また萼片を見ると、5つに深く切れ込むエゾムラサキに対し、ワスレナグサの方は浅く切れ込む、などの違いもある。

   こんな時は10倍ほどのルーペがあるとわかりやすい。

   植物観察ではルーペは必需品、いつも手元にあると便利である。




   
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   相棒が忘れ物をして、夕べ泊まった宿にそれを取りに戻った2時間ほどの間を

   この林でゆっくりとエゾムラサキを撮影した。

   道路から外れて一歩林の中に踏み込めば、そこは自分だけの静かな世界が広がる。

   今が咲きはじめで、文句なくいい被写体を独り占めする贅沢を

   たっぷりと味わった。




   
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   最後に、思い切り花に近づいた可愛らしい画像をお眼にかける。

   ひとつの花の直径は、8ミリほどである。

   学名の Myosotis (ミオソティス) とはエゾムラサキ属という意味だが

   myos (ハツカネズミ) とotis (耳) との合成語からきている。

   エゾムラサキの花びらの一片を、ハツカネズミのかわいらしい耳に例えたものである。

   種小名の sylvatica (シルバチカ) とは、森林に生育するとか、樹間に住む、といった意味で

   生育環境を表わしている。

   つぼみの部分をアップにすると、特徴である萼片の深裂が良くわかります。

   2段階アップでどうぞ。

   画像はいずれもエゾムラサキで、ワスレナグサはありません。
















   撮影は2012年5月18日 北海道の定山渓付近で

   これらの画像はすべて携帯電話についているカメラで撮っています。

   画像はクリックすると大きくなります。

   本州では長野県の上高地でエゾムラサキの大群落が見られます。最盛期は6月中旬頃です。

   初めての方のコメント歓迎します。ひとこと感想をお聞かせください。

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コメント(24件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。写真を見た時 思わず忘れな草??ってやっぱり思っちゃいました。実は昨年 我が家の小さな花壇に忘れな草を植えたんです。土をそのままにしておいたら 今年2つだけ芽を出していて小さな小さな淡いブルーの花をつけています。ホントに似てますね
私のブログに気持ち玉 ありがとうございました。名前のわからなかったお花の名前は 図鑑で調べたんですが・・・それでもちょっと自信がないです。
間違いがあったら またご指摘していただけるとありがたいです。
のの ☆
2012/05/27 22:26
こんばんは。
エゾムラサキの群生、見事ですねー!
庭先のワスレナグサだって咲きそろってると、ワ〜ッ!て思うのですが
自然の中でこんなにたくさんのエゾムラサキに出会ったら、もう大興奮まちがいなしです。
むしょうに上高地へ行きたくなってきました。(^^ゞ
nekoppana
2012/05/27 23:30
のの ☆さん こんにちは。
忘れな草によく似ているでしょう。でもエゾムラサキは純粋な国産の野草なのですよ。街路樹などでもハナミズキが多用されていますが、みかんはどうせ植えるならヤマボウシにすれば良いのに、といつも思います。中にはヤマボウシの街路樹もありますが。国産のものに良いもの、強いものも多いので、やはり外国産のものより、日本産の良いものを使うべきだと考えています。
今回のブログも拝見しましたが、植物名に間違いはなかったですよ。天気も良かったようで、素敵な花たちと対面できましたね。
みかん
2012/05/28 12:27
nekoppanaさん こんにちは。
上高地の6月も花が多いですよ。ニリンソウなどもあれだけ大群落になるとちょっと感激します。穂高にはまだたっぷりの残雪がありますが、どこにカメラを向けても絵になるのが上高地です。ズミやエゾノコリンゴなど、これからが花の良い季節になります。休日は混雑しますが、雑踏を離れれば素晴らしい自然が待っています。1度訪ねることをお薦めします。
みかん
2012/05/28 12:36
 江戸紫? ああ、ごはんにかけたら美味しいアレね
違うやろそれは海苔の佃煮。

 一人でボケ、ツッコんで楽しませていただきました

ひょっとして同じ思いした人いるんでは。

 エゾムラサキってきれいですね こちらでは見られない花
紹介していただくので楽しみにしております。
風太
2012/05/28 16:12
風太さん こんにちは。
あはは、思わず笑ってしまいました。それが居たのですよ。同じ発想をした人が・・・・・・。
ごく親しい友人には現地から直接画像を送っているのですが、江戸紫なら佃煮だ、という人が。「何はなくとも江戸紫」あのおとぼけキャラはインパクトが強かったですからね。
繰り返し、繰り返し、エゾムラサキと言っていると、いつしかエドムラサキになりそうですね。あはは、お粗末でした。
みかん
2012/05/28 16:43
がーーーっ
だから静かにしてたのにーーー
このままだと、また海苔の佃煮の話になってしまいそうだから。
(/||| ̄▽)/ 犯人はσ(^^;)です
アライグマ
2012/05/28 20:25
こんばんは〜。
なんか親しげなフレーズだと思いながらかわいい花を見てましたら…
「エドムラサキ」ですか〜(^∇^)アハハハハ

そこまでは思いも寄らなかったですが…

最後の画像…・
愛らしいですね!!
わすれな草とは違うんですね!!

初めて聞く名前です〜。

『エゾムラサキ』ですね〜♪♪
ぐーま
2012/05/28 21:32
ワスレナグサとの区別がつきません(^_^;)上高地で咲いていたのは、エゾムラサキでいいのかな?
群落は、何であれ、いいですね。ヒメオドリコソウでさえ、ものすごい群落に出会えば、なかなかのものです。

ヤマボウシの街路樹、たまーに見ます。きれいな花なんですが、ハナミズキとちがって普及しないのは、上からでないと花がよく見えない、からでは?
でも、私も、国産の街路樹がいいなあ、と思います。新大阪では、コブシの通りがありますが、なかなかいいなと思います。ただ、コブシは、ほんの数日しか、きれいな花が見られないのが、欠点かも。
私が、街路樹にしたらおもしろいと思う木は、ウワミズザクラです。街路樹にはできなさそうですが、ウツギやタニウツギも、公園に植えたらきれいなのに、と思います。
ほととぎ
2012/05/28 21:48
アライグマさん 今晩は。
自分から名乗らなくても、あはは、他にも同じ発想の人、きっと居たと思います。案外、はじめて名前を覚えるのには、印象強く覚えられるかも。
以前、オトコヨウゾメの花を見て、オトコヨウズミと間違えたおばさんがいて、皆で大笑いしたことがありました。
みかん
2012/05/28 22:16
ぐーまさん 今晩は。
そうです、エゾムラサキです。エドムラサキではありません。1文字間違えるだけで佃煮になってしまいますから。あはは
北海道は思わぬ場所でとんでもない大群落に出会うことがあります。それが帰化植物だったりすると、ぞっとなります。場所によっては人海戦術でこれらの帰化植物を抜いている観光地もあります。帰化植物の侵入もある意味では自然なのですが、純粋な意味での植生となると、帰化植物は分が悪いようです。
みかん
2012/05/28 22:26
恐ろしい覚え方ですねーーー
まーーσ(^^;)の周りにも「男用済み」な方が一杯いらっしゃいますから。
何とも言えませんが。
街路樹に採用されるためには手入れが楽なことと
利益供与が・・・・(゚◇゚)☆\バキ
アライグマ
2012/05/28 23:21
ほととぎさん 今晩は。
最近はタニウツギはかなり公園に植えられるようになりましたね。忌み嫌う地方もありますが、ウツギの仲間ではとても見事な花なので、良い傾向だと思っています。ウワミズザクラは面白そうですね。地域によっては成立するかも。街路樹もお役所が決めるのではなく、地域住民の意見を取り入れたら、さらに面白くなりそうですね。
上高地にはワスレナグサはまだ侵入していないと思います。多分エゾムラサキで正解です。
みかん
2012/05/29 00:42
アライグマさん たびたびどうも。
くだんの件、大うけしていたのはおばさん達でした。あはは
山菜として利用するコシアブラを、アブラコシと間違えて覚えていたのも、やはりおばさんでした。おばさんパワー恐るべし、です。
みかん
2012/05/29 00:48
みかんさん、こんにちは。
わたしもおばさんのひとりなので、連想ゲームのような記憶法の一部でとちり、
いろんな失敗をやらかします。
やらかしてもめげないのがおばさんのいいところと、思ってまーす♪
エゾムラサキがこんなに群生してるところを、見に行きたいものですね!!
そして可愛い花がいっぺんに萎んで、次の植物と移り変わるところも、見たいものです。
こういう大いなる自然界の花たちは、人が見ようが見まいが、いのちのサイクルを、延々と繰り返してるんでしょうね。
今年、それに行き逢わせたシアワセ者が、みかんさんだったわけですね!!
うらやましぃ〜〜〜
リサ・ママ
2012/05/29 17:40
リサ・ママさん 今晩は。
自然界の花は人に見せるために咲くわけではないですから、人間が見ようが見まいが、営々と命の営みを続けます。だからこそ美しいのかも知れません。偶然にもこんな群落に出会う人は、やはり果報者なのでしょうね。でも、花に興味がないとこんなに咲いていても、何も眼に入らない人が多いのですよね。花好きからすると信じられないことですが。
偶然の産物、ということもあるでしょうが、みかんは出会うべくして出会っている、という感じが強いです。
みかん
2012/05/29 23:07
みかんさん、こんにちは。

北海道の花紀行は素敵ですね〜羨ましい!
みかんさんの後ろを歩いて花観察ができるといいなぁぁ・・・と夢を抱いています。

エゾムラサキは草木染になるムラサキとの違いがあるのですか?
花の感じが違うような・・・・??

最後の画像をPCの背景で、暫く楽しませてくださいね。

北海道の春の季節〜花の季節に出かけたいです。羨ましい〜。

かげろう
2012/05/30 18:24
かげろうさん 今晩は。
お久し振りです。風薫る5月もあっという間に過ぎ去ってゆきます。時間の経つのが歳とともに早くなるような気がします。行きたい所は山ほどあるのに、なかなか思うにまかせません。北海道にも九州にも頻繁に出かけている割に、いつも慌しくて、じっくりと自然と対峙しているのか、自分でも疑問に思うこともあります。
ですが、撮影の合間に、なんて贅沢なんだろう。と思うこともしばしば、やはりこれが自分の天職なんだと感じています。

エゾムラサキはムラサキとは違って、根が染料になることはないですね。
みかん
2012/05/30 21:09
確かに、ギョッ! ですね。
負け惜しみじゃないですが、元畑で、キュウリグサの大群生なら見たことがあります(笑)
もしかして、ワスレナグサ?・・・でも、キュウリグサでした。
北海道とは比べ物になりませんが、これはこれでとてもステキ! 小さな小さな幸せの一瞬でした。
ケイ
2012/05/31 11:54
ケイさん こんにちは。
キュウリグサが大きかったら、この雰囲気そのものですね。と感想を伝えてきた方がいましたが、なるほどと思いました。キュウリグサも小さいながらとても可愛いですよね。春の盛りに畑が淡いブルーに見える群落、みかんも見ていますよ。雑草畑に感謝したものです。
みかん
2012/05/31 14:26
こういった微妙な色合いの花なら、高画質なデジイチの画像で見たかったな〜
Tatsuya@能登
2012/05/31 21:07
Tatsuya@能登さん おはようございます。

もちろんデジイチで撮ってますよ。
何しろプロですから。
みかん
2012/06/01 08:44
みかんさん、おはようございます。
エゾムラサキの群落、見事ですね!うっとりです。
数年前、焼岳から下山した上高地で出会ったことがありますが数は少なめでした。
爽やかなブルーが印象的でした。
そして、昨年、美濃戸に群生していたのはエゾムラサキをではなく忘れな草だったようですね!ちょっとガッカリ…^^;
今度はルーペで確認してみたくなりました。
fu-co
2012/06/03 07:12
fu-coさん こんにちは。
今年のアポイ岳は収穫が多かったようですね。念願のエゾキスミレも見られて何よりでした。
上高地のエゾムラサキは広範囲にありますが、河童橋より奥、徳沢にかけての方が密度が濃いと思います。今回行かれたアポイ岳の麓、様似の周辺にも結構エゾムラサキはあるのですけどね。花茎の毛が開出していますので、fu-coさんならすぐに区別がつくと思います。
みかん
2012/06/03 10:14

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