みかんの花日記

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zoom RSS これが世界でいちばん小さいチューリップ  Tulipa cretica

<<   作成日時 : 2012/05/08 14:16   >>

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   世界でいちばん小さいチューリップを知っていますか。

   それはギリシアのクレタ島にあります。

   もちろん野生です。

   個体数は非常に少なく、滅多に見ることができません。

   昨年訪れた時には、あちこち探してまわりましたが、ついに見つけることができませんでした。

   クレタ島には野生のチューリップが何種類かあるのですが

   その中で、最も見ることが難しいのが Tulipa cretica なのです。

   世界でいちばん小さい、と言ってもどのくらいなのか

   下の画像をご覧ください。




   
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   私の左手の人差し指を添えてみました。

   高さは5cmほど、ともかく小さいのです。

   自然の中に咲いていると、その場所に座り込んで眺めないと気がつかないほどなのです。

   個体数が少ないせいもあると思うのですが、私が常用しているクレタ島の植物図鑑には

   このチューリップの写真は載っていません。

   簡単には見つからないからだと思います。




   
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   ところがこのチューリップ、私が最初に見つけたのは、走っているバスの中からだったのですよ。

   驚きでしょ。

   話しは2005年にさかのぼります。

   身体が右に左に揺れながら、砂利道の悪路に、山の勾配も加わって、この道大丈夫だろうかと

   少々気になって来た頃でした。

   真っ黒い岩の中に、その小さなチューリップは花開いていたのでした。

   ピカピカと黒光りする蛇紋岩の中で、ひっそりと。

   決して動体視力が良いわけではないのですが、何故か花だけは良く見えるのです。

   この時は天気も良く、ばっちりと傑作をものにしました。

   比較的記録はこまめに取る方なのですが、昨年はこの場所に行き着けなかったのです。

   ギリシア語が読めない、話せない、という私は地図も英語とギリシア語が併記されているものを使っています。

   昨年のチョンボは地名の頭文字PとBの読み間違いによるものでした。

   私の記録にはカタカナでバ○○村と書いてあるのですが、そう日本語で発音したら、

   何故かPa○○村に連れていかれました。

   改めて地図を見直すとギリシア語ではBa○○村、英語表記ではVa○○村となっていました。

   う〜〜ん、難しい。




   
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   ともあれ昨年の轍は踏むまいと、過去の記録を何度も読み直し、地図を検討して

   確かにこのあたりだった、という場所に目印もつけ

   今年は万全を期して望んだのだった。

   効果はてきめん、バ○○村に近づくと、見覚えのある風景が

   そう、この道で間違いない。と確信する。

   ただ残念だったのは、山間部のために霧が発生し、やがて雨が降りだしたことだった。

   チューリップは晴天でないと開かない。

   世界でいちばん小さいチューリップの花の色は白である。

   花びらの外側だけに画像のような色がついている。

   地中海に浮かぶクレタ島は、全島が石灰岩でできたような島である。

   白く見える岩山が普通なのだが、このチューリッパ・クレチカが咲いていたのは

   真っ黒く見える蛇紋岩の中だった。

   養分の豊富な石灰岩と比べると、蛇紋岩は貧栄養で、対極にある岩の種類である。




   画像画像




























   この赤いチューリップは、よく麦畑などにも侵入する。

   ほとんどがまだ固いつぼみだったが、すでに咲きだしているものもあった。

   Tulipa doerfleri である。

   雪が解けるとすぐに咲き出すTulipa saxatilis は枝分かれするピンクのチューリップだが

   花はすべて咲き終わっていた。




   
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   今回のクレタ島の花の旅では、メインとなったのはこのチューリップ

   Tulipa bakeri である。

   大群落となるチューリップで、うねうねと続く丘がピンクのカーペットとなる。

   今年はヨーロッパも雪解けが遅く、まだ咲きはじめで

   丘がピンクに染まるのは、あと1〜2週間後、という感じだった。

   だが、様々な色のアネモネと混生して咲くその場所は

   まさに別天地だった。




   画像画像































   撮影は2012年4月9日〜13日 ギリシア クレタ島で。

   画像はクリックすると少し大きくなります。大きな画面でもどうぞ。

   撮影はすべて携帯電話についているカメラで撮っています。

   コメント歓迎します。特にはじめての方は大歓迎です。

   チューリップと聞くと、日本人は花壇の花、と思いがちですが、

   世界の様々な国に野生のチューリップがあります。

   それらの原種を元に品種改良したものが、花壇に咲く園芸種の

   チューリップなのです。

   クレタ島に咲く Tulipa cretica が世界最小のチューリップと言われています。

   これはクレタ島だけで見られる固有種ですが

   数が少なく、島民でも見たことがある人はほとんどいない、という

   言わば幻のチューリップなのです。

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コメント(26件)

内 容 ニックネーム/日時
このサイズだと1つ見つけて撮影している時に気が付かずに他の株を踏みつけていそうですねーーー。σ(-_-;)なら
まさか、指の関節2つ分だとは。!!!( ノ──__──)ゝジトッー!!
アライグマ
2012/05/08 21:01
アライグマさん 今晩は。
本当に小さいでしょう。我々がここで撮影していると、目ざとく我々を見つけた地元の赤い車の人がずかずかと近づいてきて、このチューリップを踏みつけるようにして彼が向かったのは、派手なピンクのランの側でした。彼の眼には
小さすぎて、このチューリップは写らなかったのでしょう。可哀そうに。
みかん
2012/05/08 22:11
みかんさん、こんにちわ(^^)/
世界いち小さなチューリップ ほんとにほんとにちっちゃいんですね〜〜
思わず自分の指をみてしまいました。
shuku
2012/05/08 23:50
 いやぁ、小さいですねぇ 去年の記事を

見直しました 今年は見れてよかったですね。

風太
2012/05/09 00:21
高校まで豪雪地帯の田舎で育ったので、自然の中の花には惹かれます。
中学生の頃通学路(もちろん徒歩)の脇の林に薄紫のキクザキイチゲが
沢山咲いていたのをなつかしく思い出します。山奥の集落のさらに奥にある
田んぼの畦にはモウセンゴケもありました。
やはり品種改良?された園芸種より野生の花はいいですね。
K.o
2012/05/09 11:00
こんにちは。
凄〜くちいちゃいですね〜。(ビックリ)
小さいと言うより「ちいちゃい」と思わず言って見たくなりました。(笑)
ハルリンドやウコケリンドウぐらいの大きさですね。
珍しいお花を見せていただき有り難うございました。(^^)
アザミの歌
2012/05/09 11:01
ちっちゃいですねー!
花の大きさは、フデリンドウくらい?ツクシの胞子嚢くらい?
もう一方のチューリップの群落もいいですね。
やっぱり、花は、自生地で咲いているのが、いちばんですね。
ほととぎ
2012/05/09 22:21
こんばんは!!
わぁーーーー!!
このTulipa cretica さまは、ちっちゃいけど強いんですね〜♪
あんな岩場の渓流に根を生やして花を咲かせて、
なんて、かっこいいんでしょう!!
何回見ても、ウットリですぅ(*^_^*)
どうして進化を遂げたほかのチューリップたちは、
草場に移行して行き、増え拡がったのに、
Tulipa cretica さまは、岩場から動こうとせず、
孤高を保ってるのでしょう??
もし、まだ、誰も、盗掘してないとすれば、
それはきっと、
Tulipa cretica さまの見えざる威力のなせるワザかも!!
・・・・なーんて、つかの間の妄想ですが・・・

リサ・ママ
2012/05/09 22:35
なんてかわいいチューリップ!!
やっぱり現地で見ないと…そんな気持ちになる。
幻の花…・

ツアーの皆さんも感動だったでしょうね!!
去年カルチャーの開講日にこの花のお話を聞いて
場所がわからなかったって。
でも今年はバッチリ!!

みかんさん昨日は貴重なホソバシャクナゲ・・・
雨の中にポッと咲いてる姿には感動でした。

花の画像…楽しみにしてます♪♪

それかた『キランソウ』と『タチキランソウ』の違いも!!
過去記事(2009.5月)を見て納得しました。
現地ではイマイチ???だったんです〜。
過去記事blogにリンクさせていただきました。
すごくわかりやすいです〜。

これからもどんなサプライズがあるか…・
楽しみですね〜o(^O^*=*^O^)oワクワク

ぐーま
2012/05/10 05:47
群生の様子は日本のアマナのようですね。
同じ仲間でも似たような環境でも花の姿はところ変われば・・ですね。
野生の姿は画像からものびやかで小さいながらに悠々と咲いている様子が伝わってきます。実際にその場に立つことができたなんて素晴らしいですね。
一番小さなチューリップが開いた様子を見たかったですね。
C-NA
2012/05/10 08:28
shukuさん おはようございます。
ほんとにちっちやいのです。あはは
思わず自分の指を側において撮ってみました。こうすると小ささの実感が湧きますよね。なんでこんな場所を選んだのか、というような厳しい環境に生えています。
みかん
2012/05/10 09:23
風太さん おはようございます。
去年はこのチューリップを見たくて参加された方がいました。ギリシアには私以上に通っているベテランです。その方のお陰でオレンジ狩りができたり、昨年も楽しい旅でした。今年もその方の友人を通してオレンジ狩りを楽しみました。その方にこのチューリップをお見せできなかったのが何より残念です。
みかん
2012/05/10 09:29
K.oさん はじめまして、ようこそお越しくださいました。
歓迎します。
私も子供の頃は、キクザキイチゲやショウジョウバカマが身近に咲く田舎で育ちました。そのせいかスブリング・エフェメラルと呼ばれるような春の花にすごく親しみを感じます。野生の花はやはりいいですね。
どうぞまた遊びに来てください。コメントはいつでも大歓迎です。
みかん
2012/05/10 09:36
アザミの歌さん おはようございます。
今年は箱根の思いがけない場所でコケリンドウが咲いているのを見ました。エッこんな場所に、というような所でした。環境は確かに湿っているのですが、夏になれば笹薮となるような場所だったのです。植物は摩訶不思議です。
みかん
2012/05/10 09:41
ほととぎさん おはようございます。
花はツクシの頭くらいですね。ともかく小さいのです。
他のチューリップは日本の花壇に植えられているものと、ほぼ同じくらいの大きさです。特に群落となるチューリップ・バケリは見事で、思わず歓声があがるほどです。やはり自生の姿は素晴らしいですね。
みかん
2012/05/10 09:48
リサ・ママさん おはようございます。
蛇紋岩というのは超塩基性岩のひとつで、マグネシウムイオンなど、植物にとっては有害な成分を多く含みます。そのため特別の耐性をもったものでないと蛇紋岩地では生きて行けないのです。蛇紋岩地に生える植物は小さくなる傾向もあるようです。対極にあるのが石灰岩なのですが、世界で最も小さいこのチューリップは、なんと石灰岩の岩壁に生えることもあります。
みかん
2012/05/10 09:57
ぐーまさん こんにちは。
早いですねぇ、昨日のブログ拝見してきましたよ。上手くまとめられていますね。ホソバシャクナゲは花の数が少なくて、見応え充分とは行きませんでしたが、しっとりとした風情は感じていただけたと思います。
タチキランソウは思わぬ収穫でしたね。文字で教えるより、言葉で説明するほうがわかりやすい、と思っていたのですが、教え方を考え直さないといけないですね。反省です。来月はササユリが綺麗に咲いていてくれることでしょう。
みかん
2012/05/10 12:36
C-NAさん こんにちは。
最後に出した群生するチューリップは、草丈は花壇で良く見る園芸種のチューリップとほとんど変わりません。ですからアマナよりは、はるかにダイナミックです。実際の風景を見ると圧倒されます。
むしろ世界でいちばん小さいチューリップの方がアマナに近いかも知れません。アマナはかつてはチューリップ属に分類されていましたが、現在は独立したアマナ属に分類されています。
みかん
2012/05/10 12:45
こんにちは、みかんさん(^^)/
チューリップは、ほんと環境の変化に強いと実感しています。
昨年3月の震災の大津波で水没した実家の庭には、津波が運んだヘドロが数センチも積もって白く潮が吹き、土も硬くなっていたのですが、震災からひと月半後に小さな花を咲かせました。球根だからでしょうか。
shuku
2012/05/10 23:44
shukuさん おはようございます。
大震災の跡に咲いた小さな赤いチューリップの画像、鮮明に覚えていますよ。
植物の生命力は素晴らしいですね。震災のシンボルのように語られる奇跡の1本松にしても、あの枯れた松から採取された種がスクスクと育っている。植物の命はこうして連綿と紡がれてゆくのでしょうね。
球根を作る植物は、球根の中に今年咲く養分を溜め込んでいますから、種子から発芽する1年草よりは、はるかに強いと思います。それにしても津波の塩分にも打ち勝つのですから感動ものです。
みかん
2012/05/11 09:53
チューリップは花壇のものというイメージでした。野生のチューリップがあるというのをみかんさんに初めて教えていただきました。何年も前に友人がセツブンソウを見て「ただの草じゃん!チューリップみたいに花壇に咲いているのが花だと思っていた」と言いました。今では山野草大好きな彼女ですが、自生のチューリップがあるといったらびっくりすると思います。出会いたいですね。でも日本では無理なのですね。
みえ
2012/05/11 10:20
野生のチューリップってこんなに小さいのですかぁ〜??
こんなに小さくても立派なチューリップですね〜
ピンクに染まる丘は想像するだけで胸がときめきます♪
実物を目にしたらどんなにか感動することでしょうね!
地元の方でも目にすることが少ない小さな野生のチューリップを見つけ出すみかんさんの千里眼、流石です!!
fu-co
2012/05/11 13:33
みえさん おはようございます。
チューリップに限らず花壇の花には、すべて原種と言われる野生のものがあります。日本に自生がないものは不思議な気がしますが、人間は品種改良によって花を大きくしたり、より見栄えがするようには出来ても、全く新しい種類を作り出すことはできないのです。チューリップでもシクラメンでも、色々な国に園芸種の元となった原種が自生するのですよ。
みかん
2012/05/12 07:20
fu-coさん おはようございます。
こんなに小さいのはチューリッパ・クレチカだけです。色々な国でチューリップの原種を見ていますが。普通は日本の花壇に植えられているものとほとんど同じくらいの大きさです。チューリッパ・クレチカだけが特別に小さいのですよ。だから面白いな、と思い取り上げた次第です。
レッドヒルなどと呼ばれる真っ赤なチューリップが群生する場所もありますし、クレタ島のようにピンクの絨毯のようになる場所もあります。カタクリが群生する姿を思い浮かべると、雰囲気は似ているかも知れません。
みかん
2012/05/12 07:33
はじめてコメントさせていただきます。
極小の野生のチューリップ愛らしくて、
たまらなく魅力的ですね。
そっと宝箱にしまいたくなるようです・・
小さなチューリップをバスの中からピンポイントで見つけたとは、
さすがですね!花サーチの目をお持ちなんですね。
どんな花でもそうですが、
野生の花は格別に美しいですね。
携帯のカメラとは驚きました〜
とってもきれいです。
一緒に花散策できたようで、
楽しく見させていただきました。
HiroKen
2012/05/15 03:43
HiroKen さん はじめまして。
ブログは携帯で、と決めています。日本初の携帯写真家なんですよ。あはは
本業用にはデジカメできちんと撮影しています。
もっと見せたいものはたくさんあるのですが、なかなかアップしている時間がありません。ブログは遊びと割り切っています。気まぐれですが、このブログから学べることも多いはずです。知識に関しては知っていることを最大限披露しています。植物の普及の意味も込めているのですよ。
どうぞまた遊びに来てください。コメントは大歓迎です。
みかん
2012/05/15 07:01

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