みかんの花日記

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zoom RSS 紅葉を見に  白山スーパー林道

<<   作成日時 : 2011/10/24 09:38   >>

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   今年は高い山の紅葉が総じて良くない。

   台風の襲来や長雨、思いのほか早く降った新雪などによって

   葉はチリチリの状態のものが多く

   目を見張るような紅葉が期待できない。

   あちこちから届く紅葉便りも

   どこもかしこも芳しくない。

   冴えない、という嬉しくない情報ばかりである。

   そんなことを承知の上で、今年2度目の紅葉狩りに出かけてみた。




   
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   白山スーパー林道とは、石川県白山市と岐阜県白川村を結ぶ全長33.3 キロメートルの

   山岳有料道路である。

   片道の利用料は普通乗用車で3,150円である。

   とりわけ紅葉シーズンの土日は、想像を絶する車の車列が続くのでは、と思う。

   私が出かけたのは10月21日、平日の金曜日だった。

   だが、土日は天気が崩れ、金曜日は晴天の予報だったせいか

   半端ではない車の数だった。




   
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   合掌造りの茅葺き屋根で知られる岐阜県白川村から入り、石川県の白山市へと抜けた。

   途中、気に入った場所があれば車を停めて撮影する、という方法なのだが

   山岳道路ゆえ、どこにでも車を停められる訳ではない。

   だが要所要所には駐車場があり、道路のふくらみ部分も多いので

   渋滞するような込み具合でなければ、それなりにポイント、ポイントで楽しめると思う。

   この道路沿いには、上の画像のナナカマドの木が多い。

   登り口付近では、まだ葉と真っ赤な実が鮮やかだったが

   頂上付近ではすっかり葉を落とし、赤い実だけが輝いていた。




   
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   このコースは、ブナの原生林の中を走る。

   すでにほとんどのブナは葉を落とした後だったが、紅葉の最盛期ならば多彩な彩が゛見られるはずである。

   ブナは豊饒の森を作る。日本の夏緑林を代表する樹種である。

   林の下には赤く、あるいは黄色に色づく様々な木が生えている。

   それらの木はあまり大きくならないのが特徴である。




   
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   黄色に色づいているのは日本海側に多いオオバクロモジである。

   高級な爪楊枝を作るクロモジの仲間である。

   紅葉と聞けば、誰もが赤いモミジを連想することだろう。

   この道路沿いには、真っ赤に紅葉するモミジの類は多い。

   今回見たモミジの類だけでも、ハウチワカエデ、コハウチワカエデ、ヤマモミジ、コミネカエデ、

   ヒナウチワカエデ、イタヤカエデなど実に多くの紅葉、黄葉が見られた。

   個体数が多かったのは、岐阜県側では圧倒的にコハウチワカエデだった。




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   上の4枚の画像は、いずれもコハウチワカエデだが、すべて違う木である。

   緑色から黒っぽい赤まで、それぞれの木に、それぞれのグラデーションがある。

   葉の裏側を見ると、毛が密生しているのが特徴である。

   赤く紅葉するモミジの中で、最も大きな葉をつけるのはハウチワカエデである。

   このコースには少なく、岐阜県側で数本見ただけだった。

   しかもあまり綺麗に紅葉していない。

   葉の大きさが写真ではわかりにくいが、男の人が手の指を広げたくらいの大きさである。

   モミジの中ではいちばん大きい葉をしている。




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   この2枚の画像だけでハウチワカエデだと紹介すると、ハウチワカエデから

   苦情が来るかも知れない。

   本当はもっと真っ赤に紅葉して、モミジの王者として君臨しているのである。

   申し訳ないので、10月9日に長野県菅平で撮影したハウチワカエデに登場してもらうこととした。

   菅平で撮影した下の2枚の画像のように、ハウチワカエデは普通真っ赤に紅葉するのである。

   これでも地元の人は、今年は色づき具合がよくない、と言っていた。




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   モミジは赤く紅葉するのが普通だが、中には黄色に黄葉するものもある。

   その代表がイタヤカエデである。

   下の画像はまだ若い木で、おまけに緑色がだいぶ残っているが

   鮮やかな黄色に色づく。

   赤の中に時折混じる黄色は、秋を一層華やかにする。




   
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   面白いな、と感じたのはヤマモミジである。

   このモミジは日本海側に主に分布する種類である。

   峠を越えて石川県側に入ると、俄然多くなり

   今まで主役だったコハウチハカエデから、主役がヤマモミジに変わったのである。

   こちらは葉の縁に出るギザギザが、重鋸歯 (じゅうきょし) といって、

   大きなものと小さなものが混じるのである。




   
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   人は誰もが真っ赤に紅葉したモミジを見て、感嘆の声をあげる。

   「ああキレイ、見事だねぇ」 と

   真っ青な空と赤いモミジとの取り合わせは、誰をもうならせる

   束の間の華やぎであることを知っているからである。

   だが、この赤いモミジにはいくつもの種類があって、峠の右と左では

   じつは違う種類であることに気がついている人は

   はたして何人いるのだろうか。




   
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   木の下にもぐりこんで、葉の裏側から透過光で紅葉を見ると

   葉の赤は一段と輝いて見える。

   少し植物を知っている人なら、この画像を見て

   ああ、ヤマモミジだ、と気がつくはずである。

   山の秋を演出するのは、1にも2にもモミジである。

   だがモミジだけでは人をうならせる風景とはならない。

   黄色く黄葉したり、渋く紅葉する他の木々や、ゴヨウマツやクロベなどの針葉樹の緑色が混じってこその

   錦秋の秋なのである。




   
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   コシアブラは5裂した葉が、透き通るような独特の黄色に色づく。

   新芽の頃は山菜として摘まれることが多いが、秋には上の画像のように黄葉して

   他の樹種と見分けるのは意外にたやすい。

   この写真では果実も見える上部の葉が3枚のように見えているが

   よく似たタカノツメではなく、コシアブラである。




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   今回私が、最初に商売用のデジカメを取り出したのは

   峠を越えて石川県側に入ってからである。

   ミヤマナラのドングリがなっているのを見つけたのである。

   ミヤマナラはミズナラが高山に登って矮性化した木で、乾燥気味な岩場などに

   這うように育つ木である。

   ラッキーなことに、渋く紅葉した葉の中に、まだドングリが残っていた。

   果実のドングリは、葉が色づく頃にはポロポロと落下して

   なかなか茶色に色づいた果実の写真が撮れないのである。

   思わぬ収穫につい口元がほころぶ。




   
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   紅葉は案の定よくはなかった。

   例年と比べるとかなり見劣りする。

   今までの画像を見て、多くの人が綺麗じゃない、と感じるのは

   そういう部分だけを切り取っているからである。

   これもひとつの写真のマジックである。

   最後にこの日、最も綺麗と思えた場所の風景をお目に掛けよう。

   クリックして大きな画面で臨場感をお楽しみください。




   
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   撮影は2011年10月21日 白山スーパー林道で

   こちらで使っている画像はすべてケイタイカメラで撮っています。

   クリックすると2段階にアップになります。少しピントの甘い画像もありますが

   是非大きくして楽しんでください。

   みかんは車の運転ができません。早朝に出て日帰りという強行軍でしたが

   長い時間運転し、快く随所で車を停めて撮影に同行してくれた友人に感謝です。

   みかんは植物写真家ですから、花に眼を向けないはずがありません。

   次回はスーパー林道、花バージョンをお目にかけます。




   

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コメント(20件)

内 容 ニックネーム/日時
樹木好きにはたまらない画像ばまりです。

ミヤマナラの紅葉した葉っぱとドングリ・ツーショット,すてきです。

高級和食店などで爪楊枝の材料にされるというオオバクロモジ,山形県の月山で実際に試してみて不評をかいました…生(なま)の樹では苦み成分が多くて,みな「ぺーっ!!!」とすごい顔をしていました。あはは。
「爪楊枝はヤナギでいい」と,せっかちな現代一般人の意見でした。

クロモジの方が保存しておくにはいいのでしょうね。
はるこ
2011/10/24 12:50
やっぱりモミジはいいです。モミジが紅葉と言われるのにはちゃんと理由がありますね。それに、山が錦色になるのも、いいですね。新緑もそうですが、いろんな色が混じってお互いを引き立てて。日本人はやっぱり桜と紅葉は欠かせないんですね。混んでいるとわかっていながら見に行きたいんですものね。これからはモミジもじっくり観察してみますね。いろんな知識がぎっしりでとても参考になります。ありがとうございました。
よしこ
2011/10/24 13:51
σ(^_^)は紅葉から植物に入ったのでこのカラフルな色は何とも言えません。
楓の赤や黄色、ツタウルシやイワガラミの赤、そしてブナの黄色、オオカメノキの錆鉄のような黒っぽい赤、そして針葉樹の緑、名前も知らない白っぽいピンクの葉、それが一体となって作るグラデーションの世界。
所々に木の実の赤やムラサキが有ったりして・・・・・
植林地帯の単一色は・・・・・
アライグマ
2011/10/24 14:37
はるこさん 今晩は。
香りを嗅ぐだけなら生のオオバクロモジも良いでしょうが、実際に爪楊枝として使用したとは、あはは。あれは木を充分乾燥させてから、樹皮を活かして作るものなのですよ。乾燥させて作った爪楊枝は、最初はほとんど香りがありません。口の中の唾液で濡れてくると、ほんのりと香るものなのです。生木を折った時のような強い香りはしません。
私の友人でクロモジの枝を1年ほど乾燥させて、手作りの爪楊枝を作っている女性がいます。和菓子にさりげなく添えて、彼女らしいおもてなしをしてくれます。
みかん
2011/10/24 18:27
よしこさん 今晩は。
九州でも高い山の紅葉ははじまっているでしょうか。紅葉は高い山から徐々に里へと降りてきますね。人里近くの雑木林も雑木紅葉となりますが、まだ少し先のようですね。きょうは二十四節季の霜降ですが、寒くなるのは一時的で、またすぐに暑くなるとか、今の季節は体調管理が大変です。どうぞ風邪など召しませんように。コメントありがとうございました。
みかん
2011/10/24 18:48
アライグマさん 今晩は。
杉や桧の人工林が、自然のままの姿だったら、日本の山は世界に冠たる美しさで、当然のごとく世界自然遺産に間違いなく指定されるでしょう。放置されて荒れるにまかせた人工林は、見苦しいだけではなく、自然災害を招いています。間伐をしない人工林は極端に保水力がなく、ちょっとした雨量で土石流を引き起こします。記憶に新しい紀伊半島の台風被害は、明らかに人災と呼べるものです。
下草が1本も生えていないような薄暗い林床は、どう考えても異常です。このことに触れる識者が1人もいなかったことが不思議でなりません。
日本の間違った農政や林業政策には、腹が煮え繰りかえる思いです。
みかん
2011/10/24 19:05
いつも、木々についてもう少し知識が有ったら、山歩きが何倍も楽しくなるだろうなぁ、と思いつつ歩いています。
容量不足の私の頭には、新しいことが入ってこないのです。
でも、これを言ったら熱意が足りないからと、言われてしまいました。(仕事上の話です。)
ともあれ、紅葉の山はいいですねぇ!花の山ももちろんですが。
れい
2011/10/24 23:55
山に行くと、随分色々なもみじがあるんですね。
イロハモミジとオオモミジぐらいしか区別がつきません。
真っ赤なイロハモミジより、鮮やかな黄色やオレンジ色に黄葉するオオモミジのほうが好み、かな?
猛暑、少雨、台風の塩害等々、今年の里山は大変な試練を受けています。既に丸坊主の木々も・・・想像すると・・・
でも、雑木林に入って空を見上げれば、みーんな素敵に見えますよね。
ケイ
2011/10/25 00:37
先日、なぜ、紅葉があり、黄葉ががあるのかを知りました♪
mamaya
2011/10/25 02:01
れいさん こんにちは。
れいさんも白山の平瀬道に行かれたのですね。画像拝見しました。今、トップに使われているリンドウ、素敵です。これは伊吹山かな?
秋も深まってきましたね。花の種類が少なくなるのは淋しいですが、まだしばらくは野菊など楽しめますね。
人間の脳は劣化することはないそうですよ。好きなことならどんどんと頭に入るのではないですか。れいさんならこれから知識がますます増えることと思います。頑張って。
みかん
2011/10/25 11:57
ケイさん こんにちは。
紅葉するモミジの定番イロハモミジは標高の低い場所の水辺などに多いですね。また神社や仏閣、公園などに、植栽されるモミジの代表でもあります。オオモミジもどちらかというと低山型、葉の先端が細くスッと伸びるのでわかりやすい種類です。赤く紅葉しますが、オオモミジは黄色のまま、という樹も結構多いようです。山の紅葉は徐々に下がってきて、やがて里山の雑木林に。みかんはコナラなどの渋い紅葉も大好きです。
みかん
2011/10/25 12:10
mamayaさん はじめまして。
ようこそお越しくださいました。ここでは主に分類学的な話しが多いですが、紅葉するメカニズムなど、新しい知識が増えることは嬉しいことですね。どうぞまた遊びにいらしてください。書き込み大歓迎です。
みかん
2011/10/25 12:15
リンドウをお褒めいただき光栄です。ありがとうございます。
本日、TOPはキノコに変更してしまいました。
森を歩いていると、木も分かりませんが、茸も虫も鳥も分かりません。と言う訳で、TOPの茸も不明です。
でも、みかんさんの脳は劣化しないというお言葉を励みに、いろいろ覚えていきたいと思います。散策がもっと楽しくなるはずです。
れい
2011/10/26 22:00
みかんさん、こんばんは。
介護という仕事が増えて少しご無沙汰です。
紅葉の季節になりましたが、今年は良くないのですか。
こうして見せて頂くともうこんなに色づいてと思うのですが、例年はもっと見事なのでしょうね。
楓や紅葉の種類はとても覚えられませんが、本当に種類が多いのですね。
白山スーパー林道の開通前に大水芭蕉やカタクリを麓まで見に良く出かけましたが、秋は出かけたことがありませんでした。
アザミの歌
2011/10/26 22:24
れいさん こんにちは。
カメラを向けるということは、その被写体に興味があるということですよね。何かしら魅かれる部分があるからレンズを向けるのだと思います。その撮った画像に今一歩踏み込んで行けば、当然、何と言う名前の花、この可愛い茸は何と言う名前、となるわけです。欲張らずに、ゆっくりと1歩1歩、マイペースで良いのではないですか。
みかん
2011/10/27 11:56
アザミの歌さん こんにちは。
介護経験のあるみかんは、アザミの歌さんの気持ち良くわかります。色々な施設はありますが、やはり自宅に勝るものはありません。出来れば自宅で、というのは誰もが考えることだと思います。みかんの場合は自由のきく仕事ですから、晩年の母と実家で過ごした思い出は、とても貴重なものでした。
白山スーパー林道は随所に沢があります。紅葉の木の下にもぐりこんだある沢に、大きなミズバショウの葉が枯れかかって葉を広げていました。春先も色々な花が咲きそうですね。
みかん
2011/10/27 12:12
みかんさん こんばんは〜

モミジの種類って多いのですね
色のグラデーションも色々で楽しいですね
今年の紅葉はあまり良くないですか
私も昨日紅葉を見に、くじゅうへと出かけて来ました
山頂付近の紅葉は終わり、1500m付近から下の方だけが残ってる様な感じです
こちらではドウダンツツジの紅葉が綺麗でした
いっしい
2011/10/27 21:26
みかんさん、おはようございます。
毎年のように行っていた白山スーパー林道。
昨年も行けず、今年も行けませんでした。

このページで堪能させていただき嬉しいです。
この林道は登りと下りの紅葉の色が違うのが面白いのですが、どちらも美しい時期に行き合わせたのは1度だけです。
もみじにもいろいろあり、紅葉の彩りも違うのが興味深いですね。
さなえ(花の庵)
2011/10/28 05:55
いっしいさん おはようございます。
九重はドウダンツツジの類が多いですから、独特の赤に染まることと思います。秋の紅葉時にはまだ登ったことがないので、想像するだけですが。カエデ類の赤とは色のニュアンスが少し異なりますね。
今年は紅葉の見事さで知られる高い山は、どこもあまり良くないですね。これから里へと降りてゆく紅葉前線が、はたしてどのような色を見せてくれるか、楽しみでもあります。
みかん
2011/10/28 09:57
さなえさん おはようございます。
今年の白山スーパー林道の紅葉は、少し見劣りする残念な染まり具合だと思います。とはいえ、やはり名所ですから、それなりの紅葉は見られましたが。ほんとに見事な紅葉というのは、数年に1度あるかないか、なかなか難しいものですね。続きでは当日見られた花を少し紹介します。
みかん
2011/10/28 10:04

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