みかんの花日記

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zoom RSS ニシノハマカンゾウ  Hemerocallis fulva var. aurantiaca

<<   作成日時 : 2011/07/14 11:54   >>

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   九州の西南部に自生するHemerocallis は、長いこと和名が定まらない混沌とした時代を過ごした。

   ワスレグサ、トウカンゾウ等、今まで色々な名前で呼ばれてきた。

   だが、最近では堀田 満等の研究によって、長崎県や佐賀県に産するものは

   上記のニシノハマカンゾウの和名で呼ばれているようで、この名前が定着しているようである。

   7月はじめ、長崎県の西海市にナナツガママンネングサを撮影に訪れたのを機に

   是非ともニシノハマカンゾウをじっくりと見てみたいと思った。

   ナナツガママンネングサの撮影に同行してくれた地元の方たちが、同様に口を揃えて

   まだ花期には早いと言う。

   私はそれなりのリサーチをして、咲きはじめの花が1輪でも撮影できたらと考えていたのだが

   そうでなくとも花期がやや遅れている今年、今年は諦めなければならないのかな、と

   少しばかり心がくじけそうになっていた。




   
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   だが麓から望遠鏡でのぞいた岩山には、1輪どころか沢山の花が咲いているのが見えた。

   安心して登山を開始した。

   かなり時間をかけてじっくりと調べてみたが、肉眼でわかる範囲においては

   ノカンゾウとはどう違うの?

   ハマカンゾウとはどこが違うの?

   と、はてな、ばかりが頭に残った。




   
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   長崎や佐賀の友人達の弁によると、生える場所は限られるが、岩山にも海岸にも出てくるという。

   私が登った岩山は、海からは少し離れた内陸の山で、玄武岩からなる岩山である。

   海岸に出てくるものも崖地などの岩場に生えるので、生える環境としては

   極めてハマカンゾウに近い。それもカラカラに乾いた岩場ではなく

   水が滲み出してくるような、適度に湿った環境である。

   どこでもまとまって生え、群生しているのが普通である。




   
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   花の色は橙赤色が普通だが、個体によって色には濃淡がある。

   かなり赤色の濃い個体を見つけた。(上の画像)

   1986年に論文を発表した堀田 満によれば、ニシノハマカンゾウの特徴として

   ハマカンゾウより花期が早いこと、花被片(花びら)の中に出る山形斑紋がはっきりとしていること、等を

   あげているが、この赤味が強い個体では、その山形斑紋の特徴が良くわかる。

   赤い花びらの元の方が黄色くなって山形に見える部分のことである。

   もう少し花の色の薄い個体でも、山形の斑紋は特徴的である。

   この点で対馬に産するハクウンキスゲとは、はっきりと区別できる。

   だが、良く似たハマカンゾウにも山形斑紋は見られるので

   花期の違いくらいでは識別は不可能である。

   ストロンを出すか出さないかの違いもあるらしいが、集団によっては両方のタイプがあるらしく

   決定打にはならない。

   いずれにしてもニシノハマカンゾウとハマカンゾウは極めて近いもののような気がする。

   DNAによる詳しいデータが欲しいところである。




   
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   このニシノハマカンゾウが属すHemerocallis(ヘメロカリス)はデイフラワー

   1日花である。

   朝咲いて、夕方にはしぼんでしまう短命な花である。

   だが、1本の花茎にはたくさんのつぼみが付いていて

   次から次へと咲いて、花期は2ヶ月近くの長きにわたる。

   これからが最盛期、今頃はおびただしい数の花が岩場を彩っていることだろう。




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   九州の西北部に分布するHemerocallis は、長崎県と佐賀県にニシノハマカンゾウ

   対馬にはハクウンキスゲ。長崎県の男女群島にトウカンゾウ(ワスレグサ)が分布する。

   他に海岸近くにユウスゲも見られる。

   ヤブカンゾウは中国原産の、言わば帰化植物だが、古くから日本で見られる馴染みのある花である。

   訪れた玄武岩の岩山は面白かった。

   ウンゼンマンネングサが咲き、ミヤコイバラの白い花びらが清々しかった。

   何よりも興味を引かれたのは、ホソバヤマジソがどっさりと芽生えていたことである。

   季節が来ればダンギクなども絵になりそうな場所であった。

   秋になったらもう一度訪ねたい

   そんなふうに思える場所だった。




   
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   結局、ニシノハマカンゾウと言われるヘメロカリスを、はっきりとは認識できないまま

   山を降りることになった。

   風当たりの強い岩場でコンパクトに育ったニシノハマカンゾウを眺め

   運良く撮影できたのだから、今回はこれで満足することとした。

   きちんと同定できないことは、はなはだ心残りではあるけれど。










   撮影は2011年7月2日 長崎県の玄武岩の岩山で。

   撮影はすべて携帯電話についているカメラで撮っています。

   文章中の敬称は略させていただきました。

   画像はクリックすると大きくなります。

   この撮影では佐賀の友人、風太さんに同行していただきました。

   長崎のいっしいさんの情報が頼りでした。いっしいさんありがとう。




   今回のオマケ画像


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     左画像 ウンゼンマンネングサ                       右画像 ミヤコイバラ


   

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
 いやぁ、咲いててよかったです!
佐賀は到底無理と思っていましたので
この山ならとは思っていましたが
もうヒヤヒヤもんでした(笑)
風太
2011/07/15 02:37
風太さん こんにちは。
その節はお世話になり、ありがとうございました。
思いのほか沢山の花が見られたので、良い写真になりました。秋にも是非また訪ねたいと思っています。
みかん
2011/07/15 10:12
すばらしいレポートを拝見させていただきました。わくわくしながら。最近の携帯電話ではこんなに美しく鮮明に撮れるのですね。
目黒のおじいちゃん
2011/07/16 10:28
みかんさん こんばんは〜

ニシノハマカンゾウは私も、あまり早い時期には見に行っていなかったので
咲いてるかどうか・・心配していました
沢山咲いててくれて良かったですね
とても面白い岩場でしょう〜
近いので四季折々に出かけますが、お花畑の様な所です
是非是非秋にも訪問してくださいね〜お待ちしています
いっしい
2011/07/16 23:00
目黒のおじいちゃんさん 今晩は。
最近のケイタイは画素数が多いですから、なんらデジカメと変わりません。ただピント合わせができませんので、なかなか自分が思う所にはピントが合いません。それと発色がやや濃いめなので、我々プロが納得する色は出てくれませんね。まぁケイタイは遊びですから、こんなものでしょ。
みかん
2011/07/16 23:16
いっしいさん 今晩は。
その節は色々とお世話になりました。数年越しのナナツガママンネングサ、お陰さまで何とか撮影できました。
この岩場はいっしいさんの職場から近いとお聞きしました。近場は頻繁に通うことができるので、四季の変化も楽しめますね。秋に咲く花に興味があります。特にホソバヤマジソの良い写真がないので、花の頃に再度訪ねたいなぁ、と思いました。
みかん
2011/07/16 23:27
ニシノハマカンゾウ、初めて聞く名前です。
アップされてすぐに、みかんさんの紹介文を読ませていただき、素人にはとてもコメント出来ないなって思ってしまいました。他にも私のように感じてみえる方は多いのかもしれません。

さて、もう1ヶ月も経ってしまいましたが、礼文島・利尻島を訪れました。その中で、利尻島の民宿の庭に咲いていた黄色いケシが気になってネットであれこれ検索していたら、みかんさんのブログに辿り着き、何だか嬉しかったのでご報告です。やはり、あれはリシリヒナゲシモドキだったのですね。リシリヒナゲシが絶滅してしまわないよう祈るばかりです。
れい
2011/07/18 16:32
れいさん 今晩は。
礼文、利尻島はあいにくの天候のようでしたが、思いたったが吉日、たくさんの花が見られたようで良かったですね。6月は比較的天候が安定しているはずなのですが、最近は蝦夷梅雨があったりで、気候までが変わってきているようです。
ともあれ見てきた花たち、ひと通り拝見させてもらいました。

ニシノハマカンゾウは比較的最近の命名ですから、まだ知らない人も多いと思います。どの世界でもそうですが、いつの時代も1年生はいますし、2年生、3年生もいます。初心者には初心者なりの見方がありますし、必ずしもベテランの言うことが正しいとも限りません。植物の世界でも学名が変わったり、科名が変わったり、新しい知見が加わればどんどんと変わっていきます。
その人なりのコメントがもらえると、みかんはとても嬉しいです。ところでれいさんの掲示板で、お知らせしたいことがあります。連絡方法はありますかね。
みかん
2011/07/18 18:07
みかんさんこんばんは〜。

ニシノハマカンゾウ・・・
ヤブカンゾウしか見たことがないので
うっとりでした〜。

四川省の花の旅・・・無事帰って来ました。
大黄・・・たくさん見られました。
雪蓮も見つけました!!

ダイアモックス・・・情報をありがとうございました。
高山病にもならず美しい花、かわいい花・・・たくさんの種類の花を見ることができて最高でした。

クサジンチョウゲ・・・・一面に咲いていてかわいかったですよ。
ぐーま
2011/07/18 20:32
ぐーまさん お帰りなさい。
四川省の花の旅ではたくさんの花たちを見られたことと思います。雪蓮などは薬草として採取されてしまうため、今ではなかなか見ることができなくなってしまった高山植物のひとつです。
辺境の地というのは、食べ物やトイレ事情などに問題がありますが、その分、花々は贅沢の限り、というほど豊富に咲いていて、楽しい毎日だったと思います。いつの日かそれらの画像を拝見できると嬉しいですね。
みかん
2011/07/19 07:36
みかんさん、こんにちは。
ニシノハマカンゾウは何度も見ているのですが、個体差がかなりあって、ハマカンゾウ、トキワカンゾウの違いがわかりません。
7/23、たぶん同じ山だと思いますが私も出かけました。夏、出かけたのは3回目で、いつもニシノハマカンゾウはほとんど終わっているので、早めにでかけたつもりだったんですが、ややピークを過ぎていました。7月上旬から咲いているんですね。風太さん同様、佐賀のお山では考えられません。
しかし、8月になるとニシノハマカンゾウに替わり、ヒオウギとオトギリソウが格好良く咲いています。
9月下旬、ダンギク、ホソバヒメジソ、カラスノゴマの群生が見事ですよ。
いっしいさんに代わって自慢してしまいました。
Keiko@花調べ
2011/07/29 11:14
Keikoさん こんにちは。
お久し振りです。元気で花めぐりを続けているようですね。ニシノハマカンゾウは機会があったらじっくりと調べたいと思っていた花なのですが、外見上ではハマカンゾウとの区別がつきませんね。分類群としては難しいもののひとつだと思います。みかんも納得できる部分はひとつも見い出せませんでした。
ホソバヒメジソの小苗がたくさん出ていて、秋に再訪したいと思いました。
みかん
2011/07/30 11:25

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