みかんの花日記

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zoom RSS マンサク

<<   作成日時 : 2011/03/09 12:46   >>

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   東海3県の中では、岐阜県の飛騨地方が最も雪の多い地域である。

   飛騨高山のあたりは今もかなりの積雪があり

   少し冬型の気圧配置になると、すぐに降雪の予報が出される。

   春めいてきたとはいえ、まだまだ雪マークと切り離すことができないのだ。

   下呂温泉をすぎてしばらく走ると、とうとうと流れていた飛騨川も

   次第に谷深くなり、渓谷の形相となってくる。

   日陰には雪の量がぐんと多くなる。

   飛騨高山への道は、春から冬へと季節を逆戻りする道だ。




   
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   すべてが冬枯れ色のままで、春の兆しの色さえ見えない。

   寒々とした林の中で、そこだけぼーっと煙るような春色を見つけて車を停める。

   マンサクである。

   マンサクの語源は、花の気配など微塵も感じさせない冬枯れの林の中で

   他の花に先駆けて、先ず咲く、ことに由来する。

   まず咲く、がマンサクへと訛ったものだ。

   誰もが納得できる素晴らしい命名だと思う。

   一説には、枝もたわわにビッシリと花を咲かせることから

   豊年満作に引っ掛けて、マンサクという名前がついたとも言われるが

   そもそもマンサクは、毎年見事に咲くわけではない。




   
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   マンサクの花には当り年と外れ年があって、毎年見事に咲くとは限らない。

   語源としては、やはり、まず咲く、という説に軍配をあげたい。

   ところで、近年、原因不明のままマンサクの木が多数枯れ死している、という報告がある。

   まだ一部の地域に限られているようだが、最近マンサクの花を見る機会が減ったような気がする。

   以前であれば、今頃の季節に山の中を走れば、探すほどのこともなくマンサクが見られた。

   だが、今回、昔と同じコースを走ってみて、目に付いたマンサクの木は数えられるほどだった。

   花の少ない今の季節だと、ここにいますよ、とばかりにマンサクの花は主張するが

   花の季節を過ぎると、まったく目立たなくなってしまう。




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   マンサクの木はあまり大きくはならない。

   高さは普通 2〜5メートルである。

   だが、今回出会った木はかなりの大木だった。

   飛騨川を眼下に見ながら、この木はもう何十年とここで生き続けてきたのであろう。

   樹皮は普通灰色だが、水辺に生えた木では湿気が多いために

   様々な地衣類が張り付いて、余計に風格のある木肌となる。

   右画像の木で、太さは成人男性の太腿くらい、高さは7メートルくらいあったろうか。




   
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   マンサクの開花はともかく早い。

   2月、毎日のように雪が舞う頃から、小さなつぼみは徐々にふくらんできて

   わずかな陽光に花開く。

   黄色い紙をくしゃくしゃにもんで、それをハサミで細く切ったような面白い花弁だ。

   誰かのブログにクラッカーのような花、という表現があったが

   なるほど、と思った。

   マンサクの花は黄色い花弁が4枚、花弁の付け根にある赤い卵形のものが萼片

   その中に4個のオシベがある。

   花に思い切り近づいて接写した下の画像で

   マンサクの花の造りがわかると思う。




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   マンサクの木は大木に育つことは少ないために、材木として利用されることはない。

   山の中では雑木として扱われる。

   だが、枝は弾力があり、簡単には折れないので和かんじきに使われたり、炭俵のふたとして使われた。

   山に暮らす人たちは、木々の持つ性質まで良く知りぬいていたのである。

   最近では山に暮らす人でも、かんじきそのものを知らない世代も増えた。

   炭を焼く人も減り、ススキで編んだ炭俵にいたっては、品物自体が幻になりつつある。

   かんじきはプラスチックやグラスファイバー製になり、炭はダンボール箱入りである。

   雑木林の木も、山に生える多くの樹木も、今では使われることがほとんどない。

   かくして、日本の山々はますます荒れてゆく。

   だが季節が巡れば、マンサクは花開くし、木々も芽吹く。

   せめて季節の移ろいだけは敏感に感じ取れる感性だけは失いたくないと思う。




   
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   撮影は2011年3月8日 岐阜県飛騨高山で。

   画像はクリックすると大きくなります。

   撮影は携帯電話についているカメラで撮っています。


   次回はネコヤナギの予定です。





   

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、こんばんは。

こちらは今、大きな雪が舞っています。
少し積もるかもしれません。
マンサクやダンコウバイの様子を見に、山に入るつもりでしたが先延ばしになりそうです。

>黄色い紙をくしゃくしゃにもんで、それをハサミで細く切ったような面白い花弁だ。

言いえて妙ですね。そしてどちらが後ろか前かわからないような咲き方をして困ってしまいます。
黄色と赤茶色のツートンカラーが面白いと眺めています。
こちらのものは花弁がもう少し短くてまばらのように思います。

先人の、生活に根ざした自然に対する知識はすばらしいものだったと思います。
山の道路も新しいものはすぐどさ崩れを起こしますが、
古い道は、自然に逆らわずにつけられていて、とても丈夫だと思っているのですが。


さなえ(花の庵)
2011/03/09 20:31
やはり、自生のマンサクは雰囲気がありますね。
最近、あちこちに園芸種のマンサクが植えられていますが、やはり山の中に咲いている本物にはかないませんね。
だた、自生のものは(私が見ているのは)花数が少ないものが多いように感じます。
やまそだち
2011/03/09 21:35
さなえさん 今晩は。
そちらでは雪が降ることもまだ珍しくはないですね。今年は特に大雪ですから、いつもの年以上に大変なことと思います。
さなえさんの所のマンサクとこちらのマンサクが、少し違った感じに見えるのは、種類が違うからだと思います。日本海側には斜面を這うような樹形になり、葉がまるみを帯びるマルバマンサクが主に分布するからです。花弁の色もレモンイエローを帯びる傾向があります。花の構造は同じですが。

先人が築いた道や石垣というのは、自然に逆らうことなく、ありのままを素直に受け入れて作っているからでしょうね。だから災害には強い。ところが現代人というのは自然を捻じ曲げ、人間に服従させようと試みる。だからひとたび自然災害が発生すると、ズタズタになってしまう。謙虚さが足りないような気がします。先人から学ぶ知恵は多いと思うのですが。
みかん
2011/03/09 22:51
やまそだちさん 今晩は。
園芸種のシナマンサクは花色も豊富でびっしり咲きますし、公園や植物園で植える分には適しているのでしょうね。ただ花の時期に昨年の枯れ葉が残っていたりして、風情には欠けますね。
私も野生のマンサクにかなうものはないと思っています。そちらでは花数が少ないですか。個体差や木の樹齢などもありますが、マンサクの花つきは、多い年と少ない年の差が著しいですよ。
みかん
2011/03/09 22:59
こんばんは〜

マンサクの花、面白くて大好きです
本当に花の時期には、あっマンサクだ〜ってすぐに分かるけど
花が無い時にどれがマンサクの木でしょう?って聞かれても分かりません
山歩きをしていると、炭焼き釜後は良く見かけますが
現在使われているものは見たことありませんね
いっしい
2011/03/09 23:46
みかんさん こんにちは。
マンサクの花、細長い花弁に規則正しい折じわがあるところを見ると、蕾の時は、狭い所にたたまれて入っていたのかな?と想像すると、しわしわもも納得です。
それに、黄色いに控えめな縦じまも、なかなか粋で魅力的。アップで見ると面白いですね。

我が家の玄関には、夫の青春の思い出、50年前に夜叉神荘で買ったという、使い込んだ大きな爪付きの和かんじきがぶら下がっています。
これも、もしかしたら、マンサクの枝かもしれませんね。
今まで、疑問でしたが・・・・
ケイ
2011/03/10 12:09
いっしいさん 今晩は。
九州では九重連山のようにマンサクの多い山が結構ありますね。花の季節にはこんなにもマンサクの木があったか、と思うほどですね。
どこでもそうですが、炭焼き窯の跡はあっても、実際に炭を焼いている現場には滅多に会えなくなりました。ガスや石油の燃料革命以降、山の薪炭材は使われることがなくなって、林床も荒れてきています。
みかん
2011/03/10 20:26
ケイさん 今晩は。
マンサクの花弁はお察しの通り折りたたまれているのですよ。ですから咲いた直後は折りたたまれていた折り目がよく目立ちます。
手作りの和かんじきなら、多分材料はマンサクです。色は白っぽいのですが、使い込んでくると飴色に変わります。樹皮が丈夫なので、細く裂いて紐代わりに使ってあると思います。この樹皮を使った結び目は、使えば使うほど強く締まってきて、ほどけることはありません。マンサクは優れた材料だったのです。
みかん
2011/03/10 20:35
ギバちゃん風に訛って「まんづ咲く」なんちゃって
ヽ(´ー`)ノ
園芸品種があるから何処でも見られるといえば見られるんだけどσ(^^;)が意識して初めて見たとき「でーーーー、これが花かよーーー」って思った。
それが金沢文庫の称名寺。
で、隣にアカバナがあって木札に「サンシュユ」と書いてあってσ(^_^)は信用して赤っ恥を掻くのであった。
(/||| ̄▽)/ げーーー
アライグマ
2011/03/10 20:42
アライグマさん 今晩は。
珍しく遅いお出ましで(笑)「まんづ咲く」東北訛の良い表現ですね。
「んだんだ」と応えましょうか。
みかんは小学校低学年の頃からマンサクは知っていました。まだ雪の残る3月のはじめ頃、水車小屋のある河原の近くでネコヤナギなどと共に、マンサクが咲きはじめました。花の咲いた枝を折ろうとするのですが、樹皮が相当に粘り強く、簡単には枝が折れなかったことなどが、いまだに手の感触として残っているのです。三つ子の魂百まで、なのかも知れません。
みかん
2011/03/10 22:28
みかんさん、おはようございます。

>さなえさんの所のマンサクとこちらのマンサクが、少し違った感じに見える>のは、種類が違うからだと思います。

調べてみましたら、こちらの地方のものはマルバマンサクのようです。
マンサクのような晴れやかさは無く、黄色の花弁は4つくらいで短い。
色も華やかな黄色ではなく、レモンイエローの浅めの黄色です。
山にあって、あまり目立つことは無く、目立つのはむしろ秋の紅葉の様に思います。
ありがとうございました。

春早い時期に目立つのは、ダンコウバイなのですが、あの匂いに私は弱く、
涙ぼろぼろ頭がボーーなのです。
でもマルバマンサクと共に早春に見ずにいれらない木の花で
因果なものです(苦笑)

ですから
さなえ(花の庵)
2011/03/11 08:54
さなえさん 度々どうも。
マンサクは確かに見事に黄葉しますね。秋も見ごろのひとつかも知れません。カエデ類の紅葉には負けますが、渋い名脇役といったところでしょうか。
ダンコウバイやフサザクラなども早春の木の花ですね。やはり芽吹き前の季節では花が良く目立ちます。みかんはダンコウバイなどのクスノキ科の植物の匂いは割りと好きです。
みかん
2011/03/11 14:35

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