みかんの花日記

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zoom RSS オオイヌノフグリ

<<   作成日時 : 2011/02/11 08:04   >>

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   道端でパッチリと咲くコバルトブルーの小さな花

   オオイヌノフグリはヨーロッパ原産の帰化植物だが
   (西アジア原産とする本もある)

   今ではすっかり日本の風土に馴染んで

   この花の開花で春を感じる人は多い。




   
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   枯れ草の中でぽつんぽつんと咲く花は、12月頃から見られるが

   花の数が多くなるのは年を越してからである。

   寒風をものともしない。

   わずかな陽だまりで、少しずつ、少しずつ花を咲かせている。

   寒さのために葉の色はまだベージュ色をしている。




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   それでも南向きの畑の斜面などでは、日を追うごとに花の数が増えてゆく。

   日本で最初に確認されたのは1884年、明治17年に東京で見つかっている。

   明治は遠くなりにけり、というけれど、植物の歴史からみれば決してそんな昔の話しではない。

   今のように貿易もそんなに盛んではなかった時代、何に紛れ込んで渡来したのだろう。

   オオイヌノフグリに良く似ていて、花の色が白いゴゴメイヌノフグリという帰化植物がある。

   東京の小石川植物園で栽培されていたが、これが最近では野に逃げ出して

   都内の所々で見られるようになってきた。

   この類は日本在来のイヌノフグリをはじめ、花好きによって種子が蒔かれ

   人為的に増えている例もあるので、コゴメイヌノフグリも人為による逸出の可能性も高い。

   オオイヌノフグリも今では日本全国に帰化しているが、最初の頃は花好きによって

   種子が蒔かれた可能性も否定できない。




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   立春をすぎて、太陽の光りが一段と暖かみを帯びてきたように思う。

   オオイヌノフグリの花と共に、色々な野辺の花も咲き出してきた。

   上の画像の右は、白いタネツケバナと一緒に咲いている。わかるだろうか。

   このようにオオイヌノフグリは他の花と一緒に咲いていることも多い。

   色々な花とのツーショットを並べてみた。




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   上左はヒメオドリコソウ、右はホトケノザ。下はハコベである。

   こうして見ると、いずれも早春の花であることがわかる。

   中にはオオイヌノフグリだけが群落を作っている所も多いけれど

   多くは他の花と競争しながら、陣地の拡大を図っているのである。

   ところで、このオオイヌフグリには、日本全土を席捲する強力な武器があったのである。

   それは確実に種子を実らせる特別な方法である。

   オオイヌノフグリは虫媒花である。

   昆虫によって受粉がなされるが、虫も活発には動き回らない今の季節

   何と自分自身が動くのである。

   せっかく花を咲かせても、花に昆虫がこなければ受粉は成り立たない。

   そこでオオイヌノフグリは、昆虫がやってこなかった花では自家受粉をしてしまうのである。

   つまり花の中のオシベが動いて、メシベの頭に花粉をなすりつけるのである。

   オオイヌフグリの花の構造を説明しよう。




   
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   オオイヌノフグリの花の構造は簡単にできていて

   花の真ん中に1本のメシベがあり

   その両側に2本のオシベがある。

   これだけなのである。画像でその造りが良くわかると思う。

   (どうぞクリックしてご覧ください)

   花が咲いているのは2日から3日。

   朝には開いて夕方にはしぼむを繰り返して、はらりと散ります。

   花が開くとオシベの先端にある青紫色の葯が反転してクリーム色の花粉を出します。

   この花粉をハナアブやハナバチなどの昆虫が足や身体に付着させて

   メシベの柱頭(メシベの先端部分)に付けると、めでたく受粉が成立するわけです。

   昆虫が来てくれた花は受粉の確立が高いですが

   虫たちがやってこなかった花は、両側にあるオシベが

   真ん中のメシベをめがけて、少しずつ曲がってきて、夕方には花粉をもこもこと出した2本のオシベの頭が

   くっついてしまうのです。




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         午前9時32分                          午前11時33分


   
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                             午後3時10分


















                                                     午後3時25分




   こうして昆虫がやってこなかった花も確実に受粉して

   多量の種子を生産するのである。

   だから寒い今の季節でも、早くに咲いた花はすでに果実をつけている。

   目立つ花ばかりに眼を取られがちだが、茎の下の方では様々な段階の果実を見ることができる。

   下の画像は熟してきた果実である。




   
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   オオイヌフグリの戦略は確実に多量の種子を作ることによって

   日本全国に広がっていったのである。

   春の陽射しを謳歌するような花は、青空色という好ましい色と

   花としては小輪だが、その可愛さによって

   帰化植物ながら日本人の心をうまく捉えていったのである。




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   高浜虚子の俳句に



       犬ふぐり   星のまたたく   如くなり



   という名句がある。ここでいう犬ふぐりとは、日本在来のイヌフグリのことではなく

   明らかに帰化植物のオオイヌノフグリを詠ったものだろう。

   日本の在来種は地味すぎて、とても星がまたたくとは言いがたい。

   だが、最盛期のオオイヌノフグリの花は、まさに星がまたたくというにふさわしい姿である。

   風の冷たさも日に日になごんでゆく。

   青空を地面に写したような、無数の花が咲く日は

   もうすぐそこまでやって来ているのだ。




   
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   撮影は2011年2月5日8日9日の3日間、愛知県半田市の自宅周辺で。

   撮影はいつものケイタイカメラです。

   花のアップはケイタイカメラのレンズの前に10倍のルーペを押し付けて撮影しています。

   画像はクリックすると大きくなります。


   




     


































   




   

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
こちらの雪は積もりませんでした。
コンクリート土留の隙間の気になっていた褐紫色の小さな葉、もしやこれがイヌフグリ?と期待したのですが、拡大してみると、葉や茎に毛があるので外れみたいです。
街中でも見られるという噂。一度は見たいと思っているのですが・・・・

めったに人の通らない谷津田の奥。
遠くから駆け寄ると、農道から田にかけての緩やかな斜面いっぱいのオオイヌノフグリ、スカイブルーのパッチリ顔!
先の方で待ちくたびれている夫なんて何のその、苦しい体勢であちらから、こちらから、腹ばいになったりもして・・・まさに独り占め、至福のひと時。
こんな情景、まだ1ヵ月位先のことかな?
連日の寒さのなか、みかんさんのオオイヌノフグリを見て、小さな花満開の春を待ちわびています。
ケイ
2011/02/12 11:54
ケイさん おはようございます。
11日は時ならぬ大雪でしたが、翌12日には晴天となり、春の淡雪も1日で解けてしまいました。花仲間と1泊2日の勉強会に出かけておりました。
11日は雪をかぶったセツブンソウ、翌日はいちめん黄色の菜の花畑を満喫してきました。
オオイヌフグリが絨毯のように咲き広がる光景は、まだまだ先のことになりますが、当地では、すでにその気配が見えはじめていますよ。
みかん
2011/02/13 09:19
オオイヌノフグリは私も今年は見ました。この青色は何とも言えずきれいな色ですね。
この白花は小石川植物園でずっとずっと昔に見たことがあります。ゴゴメイヌノフグリと言うのですね。
自家受粉のこと、写真でよく分かりました。そういうふうにしていたんですね。
人士
2011/02/14 07:34
人士さん おはようございます。
久し振りにお会いできて嬉しかったです。長旅の疲れが出ませんように、ゆっくりと休養してくださいね。それにしても大雪と、翌日の菜の花畑、冬と春を同時に楽しめた不思議な2日間でした。
本当は同じ花の時間経過を追えれば理想的なのですが、そこまで暇ではないので、これは別々の花ですが、どの花もおおむねこのような経過をたどります。
自家受粉を実感してもらうのが目的でした。
みかん
2011/02/14 08:19
みかんさん、こんばんは。

オオイヌノフグリの自家受粉の様子がよくわかる画像に、改めて
それぞれの花がしっかり生き残る術を身につけているの感じます。
日本の風土に違和感無く溶け込んで、春の風物詩のような花だと思います。

春盛りになると、私の畑もブルーの絨毯を引きつめたようになりますが、まだまだ積雪が多く、春はもう少し先・・・そんな気がします。

今回の雪は、春雪なのでしょうか、天気予報の割には、こちらは積もるほど降っていません。
さなえ(花の庵)
2011/02/14 19:55
みかんさん こんばんは
昨日 海上の森 物見山の下山の折 初めての登山道を下り
何処に出るか楽しみに歩いていると なんと グリーン道路の近くに
出てしまい 駐車場まで全部で11キロ歩きました。 
その途中で オオイヌノフグリを見つけました。南向きの土手には沢山咲いて
疲れを癒してくれました。良い色です 自家受粉するなんて いとおしい!!
sumi
2011/02/14 20:52
さなえさん 今晩は。
今年はどうしたことか、今も雪が降っています。庭にはうっすらと積もっています。今年3度目の雪です。明日は晴れの予報ですからすぐに解けてしまうと思うのですが、降り止んだベタベタの雪では絵になりません。明日の早起きはどうしょうか考えています。雪とオオイヌフグリの花の組み合わせは、多分無理でしょうね。雪の方がすぐに解けて、明日もオオイヌノフグリは咲いているでしょう。

あっという間に白くなった、きょうの午後の牡丹雪は綺麗でした。
(雪に悩まされている地方の皆さんには、ごめんなさいですが)
みかん
2011/02/14 20:59
sumiさん 今晩は。
コメントありがとうございます。海上の森、すっかりご無沙汰してしまいました。万博以降一度も足を運んでいません。以前は何かにつけて通いつめた場所だったのですが、変わってしまった現状を見るのが怖い気がして、足が遠のいたままです。
それにしても11キロは大変でしたね。でもオオイヌノフグリに出会って、やはり歩けばそれなりのご褒美が待っているものですね。どうぞまた遊びにいらしてください。
みかん
2011/02/14 21:11
こんにちは♪
花の庵さん経由でお訪ねしました。
オオイヌノフグリは以前から好きな花の一つです。
実家に居た時は、見つけるのが容易だったこの花が、
今の住所に移ってから、なかなか見つけられません。
今年も未だ見つけてないので、
みかんさんのたくさんの写真に、すっかりうれしくなりました。
それから細やかな解説を拝読して、ますますこの花が好きになりました。
どうもありがとうございます♪
risa-mama
2011/02/15 15:27
risa-mamaさん 今晩は。
ようこそお越しくださいました。歓迎します。
さなえさんの所やアライグマさんの所でよく拝見しているリサ・ママさんですよね。何だかよそゆきの言葉遣いのようでリサ・ママさんらしくないですねぇ。こちらも普段着のままの陽気なリサ-ママさんでどうぞ。
それにしてもオオイヌノフグリが見つかりませんか。まだ季節が早いですから、もう少しすれば、きっとどこかで見つかると思います。まさに春告花、可愛いですよね。
みかん
2011/02/15 18:53

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