みかんの花日記

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zoom RSS シコクバイカオウレン

<<   作成日時 : 2011/01/20 08:34   >>

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   シコクバイカオウレンは2004年に発表された新顔の植物である。

   バイカオウレンの変種である。

   両種の違いは花弁にある。

   バイカオウレンは花弁の舷部が皿状になるが、シコクバイカオウレンは花弁の舷部がコップ状になる。

   コップ状という表現はややオーバーな気もするが、舷部が筒のように丸みを帯びるのは確かである。

   バイカオウレンとの違いを確認したくて

   四国に今年最初の遠出の取材となった。




   
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   2011年1月9日、午前9時、高知駅前で牧野植物園のF君と待ち合わせをした。

   彼とは久し振りの対面となる。

   高知県では最も開花が早く見られる日高村のある谷に入ることにした。

   シコクバイカオウレンという名前が発表される10年以上も前から

   私はすでにシコクバイカオウレンを撮影していた。

   土佐植物研究会の中でも特に親しいHさんから、1月の七草をすぎれば早くも咲き出すという

   シコクバイカオウレンの話しを聞かされていて 「エッ、嘘でしょう」 と信じられないでいた。

   当時はまだバイカオウレンという認識だった。

   バイカオウレンといえば、本州の山では開花が5月から6月頃だったからである。

   だが実際に1月に出かけて満開の株を何度か撮影して、

   四国のバイカオウレンは異様に花期が早いことを知った。

   その反面、違和感も持っていた。

   この谷での前回の撮影は1997年1月15日である。満開だった。



   久し振りなのと、谷がかなり荒れていて、入り口付近で道を間違えて1本隣りの沢に入ってしまった。

   道といっても、あるかなきかの踏み跡程度のおぼろげなものである。

   イノシシの捕獲用の罠が随所に仕掛けられていて、道のないところを歩いているので

   極めて危険なのである。

   最後は強引に沢に降りて、元いた林道の終点まで戻ってきた。

   かろうじてケイタイが通じる場所で、昨年この場所に来たことがあるというOさんに電話して

   入り口付近を確認する。

   昔あった橋が朽ちてなくなっており、沢に降りて歩いてみたら、記憶が戻ってきた。

   シュンジュギクの根生葉を見つけて、ああここだ、ここだ、と安心する。

   やがてシコクバイカオウレンの葉がぽつぽつ出てきたものの、花がまったく見当たらない。

   葉の数はどんどんと増えてゆくのだが、花がない。

   株元をそっとかき分けて見たら、まだぷくっとふくらんだ花芽があるだけで、花茎も伸びだしていない。

   今年は例年より寒い。花期が遅れていることは予測できたが、それにしても1輪も咲いていないなんて

   日当りの良い場所を丹念に探すが、ついにこの日は花にであうことはなかった。

   当てが外れて悔しいので、葉だけ写したのが下の画像である。




   画像画像





























   翌日は特急しまんと1号に乗って中村へ、そこから友人の車に乗り換えて土佐清水へ向かった。

   海岸にはまだノジギクやハマナデシコなどの花が咲き残っていた。

   この日、佐川駅から合流したMさんが気の毒がって、友人のKさんにシコクバイカオウレンが咲いていないか

   山に見に行って来て、とケイタイから電話していた。

   だが、翌日、まだ1輪も咲いていなかったと連絡があった。

   この日は足摺岬で遊んで、高知まで帰ってきた。

   高知ではいつもの仲間が集まって、歓迎会という名の宴会である。

   その宴会の最中に、佐川町に住むMさんから電話があった。

   足摺岬から帰って、その足で、家の近くに懐中電灯を持ってシコクバイカオウレンの花を探しに行ってくれて

   いたのである。そして

   数輪だが咲いている、というのである。

   今回の目的は花のアップの撮影である。花が1輪でも咲いていれば目的が達成できるのである。

   花仲間の協力が、心にしみるほど嬉しかった。

   話しはすぐに決まって、翌日また特急しまんと1号の乗客となった。




   
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   シコクバイカオウレンは民家の裏手の土手に咲いていた。

   撮影する前にルーペを取り出して花弁をのぞいてみる。

   なるほど、黄色の花弁はコップ状と言えなくもない。

   バイカオウレンの花のアップと並べてみれば、その違いは良くわかりそうな気がするが

   今の季節、まだバイカオウレンが咲きだしていないので

   とりあえずシコクバイカオウレンの花のアップを撮ってみた。




   
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   先ず最初に花の構造を説明しなければならない。

   花弁のように見える白い部分は萼片で

   花弁は黄色い部分である。

   この黄色く見える花弁は、いちばん上の画像でもわかるように

   開いた直後は緑色をしている。

   だがすぐに黄色くなってゆく。

   バイカオウレンもシコクバイカオウレンも、厳密に言うと白い花ではなく

   黄色い花、ということになる。




   
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   白い部分は萼片なので、普通は5枚なのだが、時に枚数が多くなることもある。

   上の画像の右の花は萼片の数が多く、八重咲きのように見える。

   このように萼片は時に多くなることも珍しくないが、花弁は5個とかなり安定している。

   問題はその花弁の形である。

   さらに花をアップで見てみよう。




   画像画像 



























   画像をクリックして、黄色い花弁を見てください。

   シコクバイカオウレンは、この花弁がコップ状になっているのが何よりの特徴なのです。

   良く似たバイカオウレンは、黄色い花弁が皿状なのです。

   他にも違いはあります。

   両方を並べてみないとわかりにくいのですが、葉の質が違います。

   葉が薄く、やや小さいシコクバイカオウレンに比べて

   バイカオウレンは葉が大きく厚みがあるのです。

   最初に葉の画像を2枚載せたのには、そんな意味もあったのですよ。




   画像画像


























   ぽつん、ぽつんと咲き出してきた花を写していると

   いつの間にか風花が舞っていた。

   南国高知といえど、1月はまだまだ寒いのである。

   撮影を終えて電車に揺られていると、遠くの山が雪で真っ白くなっているのが見えた。

   帰る日の前日になって、やっとシコクバイカオウレンの花のアップを写すことができたのである。

   花の最盛期になれば、地面が真っ白く見えるほど群生するが

   特に寒さが厳しい今年は

   花がやっと咲き出したばかりだった。












   撮影は2011年1月12日 高知県佐川町で。

       葉だけの画像は2011年1月9日 高知県日高村で

   いずれも携帯電話についているカメラで撮っています。

   花のアップはケイタイカメラのレンズの前にルーペをくっつけての撮影です。 

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コメント(24件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、お早うございます。m(_ _)m
コップと言うより柄杓?釣りの人間が使うコマセを撒くためのやつみたい。
新年早々お仲間の協力もあり執念ですね。((((((((^^;
面白い物を見せていただきました。
ヽ(´ー`)ノ
アライグマ
2011/01/20 09:03
TさんのBlogの写真でみかんさんを見つけ、何を撮りに行ったのかと思っていました。
シコクバイカオウレンでしたか。

昨年、図鑑によりセリバオウレンの花についての記載がまちまちで気になっていたので調べて見ました。
結果は雄花株、両性花の株、雌花株、雄花と両性花の株の4種がありました。
バイカオウレンの同じでしょうか?
バイカオウレンも
やまそだち
2011/01/20 20:14
みかんさん、おはようございます。
バイカオウレンの黄色のところが花弁で、白い部分はガク片だったと初めて知りました。どんな戦略でこのような進化になったのでしょう?山道で出会う楽しみがまた一つ増えました。
みかんさんのところでは、スイセンの咲きだしが遅いようですが、私の近くでは昨年末から咲きだしていて、今年は早いなと思っていました。ここのところの寒さでどうなっているでしょう?見に行けないでいますが・・・
みえ
2011/01/21 09:49
うーむ、おもしろかったです。
シコクバイカオウレン、初めて聞きました。
すごい時期に咲くのですね。
さむ
2011/01/21 11:19
 シコクバイカオウレン解説ありがとうございました。
黄色い部分が花弁と初めて知りました。

 バイカオウレン以前に撮ったのを探し出して
比べてみました。 なるほどなるほど。

いつかシコクバイカオウレンも見たいものです。
風太
2011/01/21 13:53
みかんさん、こんにちは。

お友達の計らいで、シコクバイカオウレンに出会えてほんとに良かったですね。
おかげで私たちも楽しませてもらえます。

ガク片の部分、少し幅が細いのですか?

バイカオウレンは昨年は2月11日に見にいっています。
今年は多分、もっと遅いかと思います。
雪が降らないとイノシシに掘り起こされ、残念なことになるのですが、今年は雪が守ってくれて、きっと良い花が咲くと楽しみにしています。

気をつけて葉も黄色の花が平たいかも確かめてこようと思っています。

さなえ(花の庵)
2011/01/21 16:49
みかんさん、皆さん、こんばんは。
シコクバイカオウレンは普段ならもう咲いているのですね。
今年は番狂わせのお花の多い中、折角いらしたのだから出合われて良かったですね。
我が家の庭を覗いてみたら影も形もありませんでした。
花のない時期に草と間違えて抜いてしまったのか消えてしまったのか定かではありませんが、沢山種も付いていたはずなのに芽も出ていません。
黄色い花弁を確認したかったのですが、ガッカリでした。
私は自然の中で出合うチャンスはあまりありませんが、何処かで見ることができたときにはお陰様で花弁や葉を見る楽しみが増えました。(^^)
アザミの歌
2011/01/21 18:26
シコクバイカオウレン、もう咲き始めてるんですね。地元の感覚で花季節の開幕とばかり重い腰を上げて四国へ出かけると、すでにシコクバイカオウレンの花期を逃してしまったことが何度かあります。同じものでも剣山のものは標高のせいもあるのでしょうがずいぶんと遅く咲き、矮小です。
すや
2011/01/21 22:53
アライグマさん 今晩は。
確かにコップと言うより柄のついた杓子のようでもありますね。あえてコップ状という言い方をしたのは、発表した著者の表現方法を尊重したからです。
みかん
2011/01/22 17:55
やまそだちさん 今晩は。
きちんと調べたわけではありませんが、バイカオウレンは両性花のようですよ。雌雄異株の傾向はないようですが・・・・・・。
みかん
2011/01/22 17:58
みえさん 今晩は。
当地方のスイセンは咲き出してはいるものの、例年よりかなり遅れています。
キンポウゲ科では萼片が花弁のように見えるものは沢山ありますよ。植物学上の定義を当てはめると、いちばん外側にあるものは花弁を保護するための萼、ということになります。
みかん
2011/01/22 18:02
さむさん 今晩は。
ちょっと早く咲き出しすぎですかね。でも最盛期は1月下旬から2月です。標高の高い場所では5月のはじめ頃に満開になります。
みかん
2011/01/22 18:04
風太さん 今晩は。
バイカオウレンと比べてどうでしたか?違いはわかりましたか。みかんは過去に撮影したアップ写真と比べて、なるほど、微妙だけれど確かに違うかな、と感じましたが。今年の春に再度じっくりと見てみようと思いました。
みかん
2011/01/22 18:07
さなえさん 今晩は。
たまたまアップした画像の花は萼片がやや細いですが、もう少し幅の広いものの方が平均的かも知れません。このくらいは変異の内ですね。
雪に埋もれる地域でも、バイカオウレンは雪解けと共に咲く花のひとつですね。シコクバイカオウレンは群生するので、最盛期は真っ白になりますよ。
みかん
2011/01/22 18:14
アザミの歌さん 今晩は。
庭にバイカオウレンを植えているのでしょうか。葉は常緑ですから、冬でも緑色の葉が残っているはずなのですが。寒風にさらされると茶色に枯れることもあります。それでも葉は残っていると思います。
みかん
2011/01/22 18:17
すやさん 今晩は。
剣山のような標高の高い場所では花期は5月でしょうね。その他の花も多そうですから、その頃はカメラ地獄になりそうですね。剣山からは最近足が遠のいています。違う季節に訪ねて見たいとは思っているのですが。
みかん
2011/01/22 18:26
みかんさん おはようございます

シコクバイカオウレンの解説ありがとうございます
本当に良く分かりますね
黄色い部分が花なんですね
しかもその花がコップ状になること
この寒い1月に開花してるなんて、本当に驚きですね
苦労された遠出の撮影お疲れ様でした
南国四国も雪が降るくらいに今年は本当にさむ日が続きますね
いっしい
2011/01/25 07:35
いっしいさん おはようございます。
南北に長い日本列島ですから、今の季節、深い雪に閉ざされる地方もあれば、花咲く地方もあります。足摺岬ではコショウノキやヤブツバキなども咲き出していましたが、今年は開花が遅れ気味でした。
シコクバイカオウレンの最盛期はまだ先ですが、例年早いものは今頃でも咲いているのですよ。
みかん
2011/01/25 09:58
こんにちは!!
シコクと付いてたので、興味を惹かれました。
1月には、高知の山野にいらしてたんですね〜♪
日高には、先祖の墓所があるので、私も毎年行きます。
私も、この可愛い花、ゲット出来たらイイなって思ってまーす(笑)
リサ・ママ(risa-mama)
2011/02/23 15:39
リサ・ママさん 今晩は。
シコクバイカオウレンは今頃が花盛りですよ。今なら真っ白くなるほど咲いているはずです。私は柱谷で撮影することが多いのですが、最近はものすごく荒れてしまって、自生地にたどりつくのが大変です。今回も道を間違えてしまいました。
みかん
2011/02/24 01:17
今日シコクバイカオウレンを載せます。解説を見てましたら、やっぱりみかんさまのところにお邪魔しておりました! よく分かる解説ですから、ありがたかったです。今年も早いのが、咲いていたと高知の友人が送ってくれたのですよ。花茎が曲がっておりこれも特徴ですよね!このコメントが目に留まりますますように・・・有難うございました。 (goo:ちごゆり嘉子の部屋より)
ちごゆり嘉子
2013/01/24 06:51
ちごゆり嘉子さん 今晩は。
ちごゆりさんのブログ拝見しましたよ。アカリブタさんの撮影なのですね。とても可愛く撮れていました。ぷっくりと膨らんだつぼみが特に可愛かったです。花茎が曲がっているのは特徴ではありません。植物の多くは屈光性があるので、花茎が曲がるのは多くはそのためです。
みかん
2013/01/24 23:34
御無沙汰しています。
高知のあきらです。
シコクバカオウレンのことで頭を悩ましています。
高知の低地で、門田先生がシコクバイカオウレンとされた形状の花弁を持つバイカオウレンを探していますが、見つかりません。
たとえば、柱谷のバイカオウレンの花弁の写真を次の場所に置いてあります。
http://www7a.biglobe.ne.jp/sanrei/flora/hasiratani_kabenhikaku.pdf
右下のモノクロの図は門田先生が論文で発表されたバイカオウレンと、シコクバイカオウレンの花弁の図で、Aがバイカオウレン(静岡県産)、B、C、Dがシコクバイカオウレンで、Bは剣山、Cは二の森、Dは東赤石産です。
高知の低地のものは、いずれもA(バイカオウレン)に近い形状をしており、B、C、Dのものが見つからないのです。
柱谷に生育するものと本州に生育するバイカオウレンの花弁との比較をしていただけませんでしょうか?
あきら
2013/02/27 11:23
あきらさん 今晩は。
コメント返しが遅くなりました。名古屋ウィメンズマラソンを走りに来たHさんにも話しておきましたが、少し時間をください。本州のもの何箇所かをこれから調べてみようと思っています。私は柱谷のスプーン状のものが、門田さんの言うコップ形ではないかと感じているのですが、いずれにしても今年の課題として本州のものをアップで写してみます。
みかん
2013/03/19 23:13

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