みかんの花日記

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zoom RSS 青天の霹靂   オオイヌノフグリ

<<   作成日時 : 2010/03/10 18:49   >>

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   ユーラシア大陸原産の帰化植物。

   日本には明治のはじめ頃にはすでに帰化しており、今や日本の春の春告げ花的役割をになっている。

   青空色にパッチリと無数に咲く姿は、誰からも愛されている。

   日本在来のイヌノフグリより、知名度ははるかに高い。




   
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   早春、まだ他の花がほとんど見られない頃から

   陽だまりでぽつぽつと咲きはじめる。

   花の数が少ない頃から真っ先に花を咲かせるので

   誰からも歓迎されて迎えられる。

   帰化植物というのは、どちらかと言うと敬遠されるものが多いのだが

   唯一の例外かも知れない。




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   雪の多い山間部や北国では、これからが花の季節である。

   まだ付近に残雪がある頃から

   オオイヌノフグリは咲きはじめる。

   花が少ない季節だけに、誰もがオヤッ、と気がついて目を細めるのである。




   
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   三寒四温を繰り返す季節の中で

   オオイヌノフグリはまたたくうちにその花数を増す。

   遠くから眺めてもいちめんがブルーに見えるようになるのに

   咲きはじめからそれほどの日数を要しない。




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   で、何が晴天の霹靂なのか、というと、この植物の分類の位置である。

   少し植物に詳しい人ならば

   オオイヌノフグリと聞けば、すぐにゴマノハグサ科クワガタソウ属と答えるであろう。

   私自身も科や属を問われれば、当然のごとくこのように答える。

   ところが、である。

   最近のDNAによる植物の体系では

   なんとオオバコ科に分類されるのである。

   DNAによる塩基配列では、オオイヌノフグリはゴマノハグサよりもオオバコに近い、という結果が出たのだ。

   日本の植物の分類では、主にエングラーによる分類体系が用いられてきた。

   日本の国自体がエングラーを推奨していたのである。

   それゆえ、多くの博物館や植物園、教育関係など、そのほとんどにおいて

   長いことエングラーの体系が使われていた。

   エングラーの体系は古いとして、クロンキストの体系が使われた図鑑などもあったが、定着しなかった。

   ところが2008年マバリーによって新しい分類体系が発表された。

   時代の最先端をゆくDNAを使った分子系統学の立場からの見解である。



   浦賀沖にペリー率いる黒船が襲来し、時の江戸幕府に開国を迫った、そんな一大事にも似た

   新しい時代の到来なのである。

   だが、エングラーとマバリーの体系では、かなりの相違点がある。

   ハイ左様でございますか、などと簡単に受け入れられるような状態ではないのだ。

   ヤマモミジやイロハカエデなどはカエデ科に分類されていたが

   新しい分類方ではムクロジ科になる。

   花粉症の元凶でもあるスギはスギ科ではなくヒノキ科になり

   マツムシソウ科は科そのものがなくなり、マツムシソウやタカネマツムシソウなどは

   スイカズラ科になる。

   消えてなくなった科もあれば、アジサイ科のように新しく新設された科もある。

   とりわけ、かつてユリ科に区分けされていたところがグシャグシャな状態である。

   

   時代は確かにマバリーの分類体系に従わずにはいられないだろう。

   だが、一般の花好きの人々にこの体系が浸透するには

   まだまだ、それこそ気の遠くなるような年月が必要な気がする。

   少なくともここ10年や20年程度の歳月では、どうにも収まらないだろう。

   新体系の書籍も数冊出版されてはいるが、エングラーで育った私には

   まさに、晴天の霹靂なのである。







   植物分類の新体系については、いずれまた触れてみたい。

   今まで常識だったものが常識ではなくなる。

   新しいことを取り入れる、ということは、そういうことである。











   撮影は2010年3月5日 愛知県半田市  2009年2月22日 愛知県豊橋市
       2010年2月21日 滋賀県米原市で。
   撮影は携帯電話についているカメラで撮っています。

   画像はクリックすると大きくなります。  

   



   

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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、おはようございます。

分類の見直しはシダの世界で聞いたことがありましたが、やはり違和感のあることもあるようです。私のように元々よく知らない者にとってはそうでもないですが、みかんさんのように詳しい人は切り替えが大変でしょうね。数十年?となると定着するのは次世代か次々世代でしょうか?
人間にとっては見た目というか視覚はかなり重要な識別手段ですから、それに違和感があるような分類だと、すんなり、納得!というわけには行かないでしょうね。
その逆で、やっぱりね、ということもあるのでしょうが。

人士
2010/03/11 06:06
人士さん 今晩は。
きょう撮影に行った場所では、もうレンゲが花盛りで、まるで春のようでした。ニオイタチツボスミレがたくさん咲いて、良い香りを放っていました。

さて、今回取り上げた植物の分類についてですが、エングラーが類似性によって体系化されていたのに対し、マバリーの体系はより深く突っ込んだ系統分類によって体系化されているので、今まで似ている仲間が同じ所にまとめられていたのに対し、系統分類では他人の空似、といった外見上は似ているものの、実は違う仲間なのだ、ということがはっきりとわかる分子系統樹によって成り立っています。
私はDNAやRNAといった科学的根拠がすべてだとは思いませんが、より進化した分類方法であることは確かなので、従わざるを得ない、と書いたのです。それにしてもミズバショウやザゼンソウがサトイモ科だというのは納得できますが、ウキクサやアオウキクサまでもがサトイモ科だと言われると「エッ、嘘でしょう。信じらんなぁ〜い」となるわけです。
ともかく、悲鳴をあげながらマバリーに取り組んでいます。
みかん
2010/03/11 18:43
みかんさん、こんばんは。

春を告げる花、オオイヌノフグリが可愛いですね。
今私の畑はブルーの絨毯状態です。
天候不順で草取りもできかねています。

そうでなくても覚えきれない分類が、変わったら私の頭はパニックです。
類似性によって体系化されていたのが、系統分類では他人の空似、といった外見上は似ているものの、実は違う仲間・・・・・・・
言われてみれば、たしかにそういうことは花に限らずあるような。

>悲鳴をあげながらマバリーに取り組んでいます。
お疲れを出されませんようにがんばってくださいませ。

今日、今年初めてフィールドの山に入山しました。
積雪2メートルもあった名残もあり、まだまだ雪が多い場所もありましたが、春が一気に来ていました。
さなえ(花の庵)
2010/03/11 21:09
さなえさん 今晩は。
オオイヌノフグリのブルーの絨毯いいですね。
草取りは大変でしょうが、畑や田んぼの雑草の花も良いものです。
さなえさんもいよいよ山に入られたようですが、みかんはきょうは藤原岳に行ってきました。上はまだ雪なので、登山口から少し登っただけですが、それなりに楽しめました。
みかん
2010/03/12 20:03
植物のAPG分類体系の本が出たのは知っているんですが、敷居が高く,足踏みしています。
やまそだち
2010/03/12 21:01
やまそだちさん 今晩は。
今まで慣れ親しんだ科がなくなったり、とんでもない移動があったり、知れば知るほどパニックになります。あまり深く考えずに、新しい植物分類表を素直に鵜呑みにすれば良いのでしょうが、今のところ多いに混乱しています。
みかん
2010/03/12 22:40
 みかんさん、初めまして、こんにちは!
ブログは楽しみに拝見してしていたのですが・・・新しい分類のお話に
ビックリしました。菌類でも同じような事を伺っていましたが、どの分野でも
言える事なのですね? 切り替えが大変ですね。(私はこれからですが・・)
みかんさんのブログ、ますます楽しみになって来ました。
キレンゲショウマ
2010/03/13 01:25
キレンゲショウマさん こんにちは。
ようこそお越しくださいました。これからはなるべく新分類による科や属名で表記して行こうかと考えているのですが、正直とまどうところが多すぎて、躊躇しているのも事実です。
エングラーでの考えと併記して載せるのがベターかも知れませんね。
書き込みはいつでも大歓迎です。今後ともよろしくお付き合いください。
みかん
2010/03/13 12:10
種の同定は苦手なのに、このような大きな分類の話には、興味があります。
新エングラー体系には人為的なところがあり、不満でしたので、クロンキスト体系が出たときには早速飛びつきましたが、普及しないまま、次の分類体系に行く流れなのですね。
「植物分類表」という本が出ていたので、早速アマゾンでポチッと行ってしまいました。ついて行けるかとな思う反面、けっこう、わくわくしています。
恐竜は爬虫類じゃなくて、鳥類と一緒だ、という感じになるのかしらん?
ほととぎ
2010/03/13 22:32
 みかんさん、こんばんは。
 オオイヌノフグリのきれいな写真を見ながらこの記事を読んでいてびっくり!、時代はそんな風に流れていっているんですね。
 オオイヌノフグリの花を見る限り、どうしてもオオバコとは結びつかないので、マバリーの分類体系が一般化することに違和感を覚えずにはいられませんが、切り替えも必要なんでしょうね。情報を教えてもらってありがとうございます。
ペン
2010/03/14 21:01
ほととぎさん 今晩は。
「植物分類法」は大場秀章先生の本ですね。分類体系の変遷など面白い部分もありますが、多くは新分類の羅列です。これをいかに使いこなすか、ですね。
もともと出版部数が少ないので、初版は間もなく売れ切れになると思いますよ。学名にしろ、分類にしろ、時代と共に変わるのは常のこととは言え、今回は衝撃が大きいです。
みかん
2010/03/14 23:11
ベンさん今晩は。群馬も色々と花が咲き出してきたことと思います。
シダ、裸子、被子の維管束植物の分類体系が大きく変わることは、だいぶ前から予測はしていたものの、なかなかハイそうですか、とは頷けないような状態です。まだこれから変わってゆく部分も出てくるとは思いますが、体制は変わらないでしょうね。
固くなった頭を切り替えなければ、前には進めません。これから植物観察会などでの説明が、少しややこしくなりそうです。
みかん
2010/03/14 23:23
こんにちは
オオイヌノフグリのこんなに青い色のは、初めて見ます。
私の知っているのは、花びらが一枚色が薄いんですよ。

昔から思っている事ですが、こんなに可愛い花なのに、園芸品種で花の大きくなったのが何故ないのかなぁ…ってことです。

ネモフィラも可愛いのですが、オオイヌノフグリも、もう少し大きい花になったら、可愛いだろうなぁ…と、この花を見ると思います。
まんじゅ猫
2010/03/27 20:35
まんじゅ猫さん おはようございます。
オオイヌフグリは確かに色の濃淡がありますね。でも画像の花が特別に濃いわけでもなく、このくらいの色のものは探せばすぐに見つかりますよ。
私は、花の大きさはこれでも充分だと思うのですが、もっと大きくなったら、なんだかどぎつくなるような気がします。
みかん
2010/03/29 07:25

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