みかんの花日記

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<<   作成日時 : 2009/12/01 23:37   >>

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   この植物にヤッコソウの名前を付けたのは牧野富太郎である。

   うまい命名だと思う。

   まさに奴さんが練り歩く姿に似ている。

   ヤッコソウは寄生植物である。

   シイノキの根に寄生する。

   それも小さな木ではなく、樹齢何百年というような大木の根に寄生する。

   スダジイの木が多いが、稀にコジイにも寄生する。

   親しい友人のHさんは四国の土佐清水で育ったが

   子供の頃、シイの実拾いに行くとヤッコソウが群生していて

   気持ち悪いなぁ、と思っていたそうである。




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   四国や九州、沖縄で育った人でも、身近にヤッコソウが見られた人は、そう多くはないはずである。

   日本は分布の北限にあたり、シイの大木が身近にあるような場所で育った人でも

   誰もが簡単に見られるほど普通の植物ではない。

   ヤッコソウは発生する場所では、それこそ足の踏み場がないほど多量に発生する。

   グジャグジャと密生するのである。




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   だが画像のように、こんなにたくさん発生していても、実はこれたった1本なのである。

   1本の木に花がたくさん咲いている状態、と説明すればわかりやすいだろうか。

   スダジイの大木の根に寄生して、何百という花を咲かせても、1本の樹の根に寄生しているのは

   ヤッコソウがたった1本なのである。

   ヤッコソウの背丈は10センチほどである。

   葉緑素を持たないので、ロウ細工のような印象を受ける。

   花には花びらがなく、奴さんの手のように見える部分は十字対生した鱗片葉である。




   画像
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   シイノキの根から伸びだしてきたつぼみは(左画像)、葯のついた帽子を脱ぎ捨て(右画像)、やがて頭が丸く

   て白い柱頭(右下画像)が現れる。

   真ん中の茶色い帽子をかぶっている時季がオシベ(雄性期)で、右下の画像がメシベ(雌性期)と考えると

   わかりやすいだろう。

   このようにヤッコソウは短期間のうちに動くのである。

   下の画像は時間の経過を追って撮影した、雄花から雌花へと変わる映像である。

   矢印に注目して見比べて欲しい。




   画像画像

























   もこもこと上に伸び上がるように伸びてきたオシベの帽子(左画像)は、斜めに倒れると、斜面を転がって見え

   なくなった。平らな場所ではすぐ下に落ちていることが多い。

   白い頭をのぞかせたメシベが瑞々しい色で現われた。(右画像)

   こんな小さな花を咲かせるヤッコソウだが、何と世界で一番大きな花を咲かせるラフレシアと同じ仲間で

   ごく近縁なのである。

   ヤッコソウはヤッコソウ科、ラフレシアはラフレシア科に分類されてはいるが、ヤッコソウはラフレシア科に

   含めるべきだ、と考えている学者もいるほど、共通点が多いのである。




   
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   ところで、ヤッコソウは溢れるほどの蜜を出す。

   上の画像の矢印の部分にキラキラと光っているのは蜜である。

   人間が舐めてもうっすらと甘く感じる。

   なんでこれほどの大量の蜜を出すのか。

   受粉のためだと常識では考えられ、それも野鳥のメジロが受粉の媒介をしているのだと言われている。

   だがメジロが蜜を吸っている所を目撃した人はいないのである。

   誰も見たことがないのに、受粉の媒介者はメジロということが常識になっている。

   今回四国の自生地で、メジロがすぐ近くに来ているのは確認している。

   だが地面に降りる姿も、蜜を吸っている姿も確認していない。

   蜂の類が蜜を吸っている姿は今までに何度も確認しているのだが、

   私はポリネーターは鳥ではなく他の何者かではないかと考えている。

   鱗片葉に蜜がたっぷりと溜まる雌性期に、葯の機能がほとんどないことなど

   ヤッコソウはまだ謎だらけの植物である。




   
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   ヤッコソウは1909年高知県の幡多郡で、山本 一が発見した。

   ヤッコソウの学名Mitrastema  yamamotoi は彼への献名である。

   明治42年に発見されて以来、100年も経つというのに、ヤッコソウはいまだに解明されていないことが

   多い謎の植物のままなのである。















   画像はクリックすると大きくなります。

   撮影は2009年11月11日 鹿児島県屋久島の道のない山中で。

   撮影はすべてケイタイカメラで行っているので、ややピンの甘い画像もあります。





   オマケ画像

   画像画像

























   撮影は2009年11月26日 高知県土佐清水市で

   ヤッコソウの花期は11月ですが、綺麗な時期は割りと短く、この頃になると柱頭は黒くなり

   鱗片葉も黒っぽくなり、やがて腐ってしまいます。

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、お帰りなさい。
ヤッコソウは昔々、四国で見せてもらったことがあります。暗いところにあったなという印象でした。初めて見た時、いい名前をつけたな、やっこ人形を並べたらこんな感じだろうなと思いました。それにしてもラフレシアと近縁とは驚きです。
見たのはそれっきりですが時期的には今頃でしたか。又、見に行きたいです。
人士
2009/12/02 05:37
 ヤッコソウ、以前見たときは単に形が面白いと思っていました
こんな不思議な花とは思いもしませんでした。

いつかまた機会があれば見る撮るだけではなく
この記事を思い出しながら「観たい」ものです。

風太
2009/12/02 06:10
図鑑では良く載っていますが未だに見たことは無いですね。
しかし、群落のように見えて実は一つの株とは。
ヽ(´ー`)ノ
きもかわいい
(^^;★\(-.-;)
アライグマ
2009/12/02 10:59
人士さん 今晩は。
暑かった四国から戻ったら、愛知は寒かったです。明日からはさらに冷え込むとか。師走ですね。
ヤッコソウは綺麗な花の時季が短いので、画像のような期間はほんの1週間ほどですね。ラフレシアはブドウ科の木の根に寄生して、つぼみが地上に現れてから、花が咲くまでには2ヶ月以上もかかります。小さなつぼみがピンポン玉から野球のボールくらいに、やがてバレーボールの玉くらいに大きくなって、
それらが順々に並んでいるのが面白いですよ。ただヤッコソウのようにたくさんは出ませんが。私もラフレシアはボルネオのキナバルで1度しか見たことがありませんが。
みかん
2009/12/02 22:26
風太さん 今晩は。
ブログのキクイタダキ可愛いですね。可愛いマークをポチッと押したのは私です。私はまだこの小さな鳥に出会っていません。見たい鳥のひとつなのですが。
ヤッコソウは面白い形をしていますよね。ただカメラに収めるだけでなく、生活史を見てみるとまた違った感覚が生まれるかも知れませんね。メジロが蜜を吸っている所を撮れたら、大スクープかも知れません。
みかん
2009/12/02 22:32
アライグマさん 今晩は。
きもかわいい、なんて。アライグマさんは若い。でも無理して若者言葉を使うと、余計おじさんに見えるかも。あはは
ヤッコソウはさしずめ今ならクリオネか、と私が屋久島便りに書いたら、ある友人は白い小さなお地蔵さんに見えます、と書いてきました。
みかん
2009/12/02 22:46
みかんさん、こんにちは!
この手の寄生植物は少々苦手なのですが、名前が可愛いヤッコソウは是非見てみたいです。確かに「クリオネ」に似てますね^^
高さ10センチとは写真から想像するより大きな植物なのですね。
偶然、出会ったときにすぐに「ヤッコソウ」と理解できるようにしっかり頭に叩き込んでおきます。ハイ!!
fu-co
2009/12/03 11:46
fu-coさん こんにちは。
ヤッコソウの背丈は平均的には5〜6センチのものが多いですね。落ち葉に埋もれていたりするとさらに小さく見えます。可愛い印象ですよ。花らしい感じはあまりしませんが。
発生する場所は神社の森など、かなり有名な場所が多いですが、屋久島では山の中の巨木の根に一面大群生していたりして、ビックリします。この日も雨模様の森の中を歩いていて、偶然に出会いました。
みかん
2009/12/03 13:35
ヤッコソウは何度か見ているのですが、暗い場所で良い写真がありません。
デジカメにしてから撮っていないのでもう一度行くようかな〜
四国もしばらく行っていません。
やまそだち
2009/12/04 18:01
やまそだちさん 今晩は。
今回の四国は、北海道の梅沢 俊夫妻と途中まで一緒でした。俊さんのリクエストでヤッコソウを見に行ったのですが、少し時季が遅かったですね。まだ暗い中を地元のHさんがマラソンで確認してきてくれたので、朝一番で見に行きました。彼女の実家のお墓がある場所なのですよ。高知県には自生地が多く、6箇所ほどで撮影しています。
みかん
2009/12/04 22:45
とうくろうさんに26日の夜の様子の写真を見せて頂きました。
みかんさんとHさんは分かったのですが、梅沢さんはお会いしたことが無いので分かりませんでした。
やまそだち
2009/12/05 11:50
やまそだちさん 今晩は。
度々どうも。この日は土佐植物研究会の仲間が集まって、1日遅れの私の誕生日を祝ってくれました。
27日はとうくろうさんに一日付き合ってもらって、土佐市の海岸にノジギクの撮影に行きました。とうくろうさんのホームページのトップ画像がその時の写真なんですよ。
みかん
2009/12/05 23:22

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