みかんの花日記

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zoom RSS ヤクスギ

<<   作成日時 : 2009/11/22 11:03   >>

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   屋久島では樹齢1000年以下の杉はコスギと呼ぶ。

   小さな杉という意味である。

   だから上の画像のような杉は小杉である。

   とは言え左画像で推定樹齢40〜50年、右画像はゆうに100年は越えているであろう。

   だが、これらはすべてコスギなのである。

   ヤクスギと呼ぶのは樹齢が1000年を越えている大木のみを指すのである。

   最も有名なのが縄文杉である。

   おそらく日本の杉の中では知名度がナンバーワンの杉だろう。

   実物を見たことがなくとも、映像などで誰もが1度や2度は見ていることと思う。

   縄文杉はヤクスギを代表する杉だが、縄文杉と並んでヤクスギを代表する巨木と言えば他に紀元杉、

   大王杉、弥生杉などを挙げることができる。

   今回は紀元杉を紹介する。




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   ヤクスギと呼ばれる巨木は、その多くが簡単に見られる場所にはない。

   江戸時代に盛んに伐採されたヤクスギは、運び出しやすかった場所のものから切られたからである。

   樹齢数千年を経た巨樹は、傾斜地の谷間など、伐採が困難な場所に生えていたものが、かろうじて

   生きながらえたのである。

   そんな中で、現在車ですぐ近くまで行けて、簡単に見ることができるのが紀元杉である。

   すぐ側に建てられた看板には、樹齢3000年と記されている。

   ともかく度肝を抜かれるほどの大木である。

   樹の周りにつけられた遊歩道からでは全体が見えない。

   誰もが先ず最初に驚くのは、その太さである。




   
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   人間で言うならウエストにあたる部分、つまり胴回りが8メートル以上もあるのである。

   この幹の太さを見ると圧倒されるでしょ。

   メタボの誰もが安心を通り越して、尊敬や畏怖の念を自ずと抱いてしまう凄さ

   ともかく太いのです。

   苔むしているのはもちろんのこと、紀元杉は自分の体に様々な種類の木を着生させて

   それらの木を育ててもいるのです。

   下の左画像が紀元杉の上部、右画像は様々な木が着生して育っている上の画像の反対側。




   画像画像

























   実はこの杉、生きてはいるが満身創痍なのです。

   上部は朽ち果て、今にも樹皮が落下しそうな状態なのです。(左画像)

   左側に黒々と見えるのは紀元杉の枝葉ではなく、着生して大木に育ったツガの木なのです。

   右に黒く見えるのは、隣のモミの木の枝葉です。

   この杉自身の枝や葉はほとんどないのです。

   それでも生きています。

   紀元杉には多くの木が着生しています。

   上記のツガをはじめサクラツツジ(右画像の折れ曲がって右上に伸びている3本の枝)などは

   地面に生えているサクラツツジより大木に育っています。

   その他、ナナカマド、ヤクシマシャクナゲ、ミヤマシキミ、ハイノキなどが、まるで寄生しているかのように

   取り付いて、それらが季節ごとに様々な花も咲かせます。

   11月半ばの今は、ミヤマシキミの赤い実が目立っていました。




   
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   ヤクスギは寿命が尽きて倒れると、自分自身の養分をもとに、倒れた木の上で次世代を育てます。

   倒木更新と言います。

   上の画像は様々な種類のコケの中で育っているオオクボシダです。こんな貴重なシダもごく普通に着生してい

   るのです。

   それらのことを可能にしているのが「月に35日雨が降る」と言われている屋久島の雨なのです。

   屋久島の雨量は半端ではありません。

   年間降雨量が紀元杉の辺りでは7000ミリを越えるのです。

   そうです。毎日が雨、と言って良いほどの雨量なのです。

   この大量の雨がヤクスギを育て、深々と苔むした緑の原生林を作り出しているのです。

   屋久島と雨は切っても切り離せない存在なのです。




   画像画像

























   紀元杉の周りをグルグルと廻りながら

   命の終焉を考えていました。

   そろそろゆっくりと眠らせてあげたい。

   私のいつわらざる気持ちです。

   多くの観光客がバスでやってきて、紀元杉の周りをサッと歩いて

   さっさと帰っていく。

   こんな見世物状態にされて、紀元杉は何を思っているだろうか。

   せめて縄文杉のように、5時間ほど歩いて、やっと対面できる地にあったなら

   それは頑張って歩いた者だけが得ることができる最上の喜び

   ご褒美とも言え、感激もひとしおなのだが。

   人間の命はたかだか100年、数千年を生きた森の賢者に対して

   こんな待遇で良いのだろうか。














   撮影は2009年11月14日 鹿児島県の屋久島にて

   画像はクリックすると大きくなります。





   オマケ画像

   今、屋久島の山の中ではサザンカの花が盛りです。原種の一重のサザンカは園芸種とは違った気品が
   あふれていました。



   
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   特に初コメントの方、大歓迎です。

   これから屋久島で見たものをいくつか続けてみます。

   

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、こんにちは。
屋久島は一度訪れたい場所の一つですが、なかなかその機会に恵まれ
ないでいます。
いろいろな山で巨樹に出会うたびに、そのパワーに圧倒されていますが、
ヤクスギの存在感はまた格別なんでしょうね〜。
紀元杉も縄文杉も、一度お目にかかってみたいです。
近所の植え込みのサザンカが満開で、きれいだな〜と思っていましたが、
一重でも原生林に咲く野生のサザンカは、趣があって魅力的ですね!
nekoppana
2009/11/22 15:45
nekoppanaさん 今晩は。
屋久島はこれからの季節が雨が少なくて快適です。
とはいえ山の上は深い雪に閉ざされますが、麓は春の温かさです。花の数は多くはありませんが、それでも何かしらには出会えます。いずれお出かけになる場所だとは思いますが、出来れば早い方が良いかも知れません。
世界遺産に指定されて以降、観光客の数も登山者の数もオーバーユース気味です。特に外国からのお客様が増えています。
サザンカ、何枚も写しましたが、掲載したのはお気に入りの1枚です。今しがた通り過ぎた雨のしずくが、花びらに印象的でした。
みかん
2009/11/22 22:41
屋久島には春に一度行っただけですが、今に時期はまた違った花が見られそうですから、これからのアップを楽しみにしています。

1日がかりでトロッコ道を歩いて縄文杉に会いにに行ったのが思い出されます。
長かった〜
やまそだち
2009/11/23 07:44
みかんさん、おかえりなさい。
屋久島で教師をしていた方の仲人をしたりしたので縁がないわけではありませんが、屋久島は訪れることもないのでこうして皆様の情報で楽しませていただいています。
縄文杉の生命力に比べると我々人間なんか埃ぐらいに小っちゃなものですね。
あらためて凄さを感じます。

私は昔、成瀬巳喜男監督の映画で森雅之さん、高峰秀子さん主演の「浮雲」で初めて雨の多い屋久島を知ったのでした。(^^)


アザミの歌
2009/11/23 10:17
やまそだちさん 今晩は。
縄文杉に会うには1日ががりで、それこそ大変ですが、その価値が充分ある見事な巨樹ですよね。今は遊歩道も整備されて歩きやすくなりましたが、それでも観光客の多くはヘロヘロになって帰ってきますね。
昔は知る人ぞ知る、という杉だったのですよ。今では展望台からしか見ることができませんが、昔は樹の根元まで近づくことができました。何度会いに行っても圧倒されます。
みかん
2009/11/23 20:40
アザミの歌さん 今晩は。
林芙美子の小説「浮雲」によって、月に35日雨が降る、というフレーズが有名になりました。映画化もされて多くの人に、さらに知られるようになったのですね。俳優さんの名前を聞くと年代がわかりそうです。
屋久島は色々な楽しみ方ができますから、機会があれば是非出かけてみてはいかがですか。
みかん
2009/11/23 20:47
みかんさん

>そろそろゆっくりと眠らせてあげたい。

屋久島へ行ったことはないけれども,私もそう思います。
世界遺産の指定で,静かなまま終焉を迎えるはずだった残りの何十年,何百年かが騒々しいものとなり,彼らを疲れさせているのではないかと心配しています。
はるこ
2009/11/24 23:22
みかんさんお久しぶりです。
屋久島懐かしいなー
私も11月2回、5月1回、雪のとき1回と4回行っています。
本当に何回も行きたい所です。
11月はサキシマフヨウが綺麗でした。縄文杉はポスターを買ってきて
壁に貼ってあります。元気のパワーになりますね。
写真みていると来年また行きたくなりました。
有難うございます
トマト
2009/11/26 11:45
みかんさん、こんばんは。

1000年がコスギですか?びっくりです。

屋久島の巨木、満身創痍ながらも威風堂々なのでしょうか。
はるかな太古から脈々と生き続けてきた巨木には、霊が宿るような気がしています。

私は心や体が疲れると、お隣の兵庫県但馬地方まで大カツラの巨木に会いに行きます。
最も樹齢1200年くらいらしいのですが。
巨木の前に立ち、両手を広げて気を貰って帰ってきます。

>こんな見世物状態にされて、紀元杉は何を思っているだろうか
なんだか、瞼が熱くなるような、切なくなるような言葉です。

屋久島の雨の恩恵を読ませていただき、自然の妙を感じます。

一重の原種のサザンカ、なんとも美しいですね。
さなえ(花の庵)
2009/11/27 20:39
はるこさん 今晩は。
素晴らしい自然をより多くの人に見てもらうことは、とても意義のある良いことだとは思うのですが、自然そのものに負荷をかけては意味のないものになってしまうのでは、といつも危惧しています。屋久島は確かに素晴らしい自然です。滞在中のある日、路線バスに乗ったら乗客の20人ほどが外国からのお客様で、日本人は私を含め全部で3人でした。日本人観光客のほとんどが大型観光バスかレンタカーを連ねて紀元杉などの観光ポイントを廻ります。これにはほんとに考えさせられてしまいました。
電気自動車意外はダメ、山の中に行くには1日何人というような入山制限をする、などの規制をしないと、屋久島のような小さな島では、ダメージは目に見えているような気がします。
みかん
2009/12/01 18:29
トマトさん 今晩は。
さすがトマトさん、何度も行かれていますね。私も雪の宮ノ浦岳に登った時は感激しましたよ。ヤクシマシャクナゲが樹氷になっている光景なんて信じられなかったからです。しかも登ったその日は4月の初めでした。麓ではレンゲが花盛りでした。雪山の経験がある人なら、冬の屋久島も特別な魅力がありますね。
みかん
2009/12/01 18:39
さなえさん 今晩は。
今日からはもう師走、月日の経つのは早いものです。1週間ほど四国の海辺を東から西へと歩いてきました。四国の海辺はまだまだ花盛り、12月に入っても野菊の類が咲き溢れています。今の季節には何度も通っているので、初物にお目にかかることはないですが、まるで春のようなポカポカ陽気に半袖かTシャツが欲しい毎日でした。日に焼けて真っ黒です。最後の最後になって、やっと意図する大判カレンダー用の写真が撮れたような気がします。

話しは変わって、屋久杉のような巨樹には、自ずと人がひれふしてしまうような霊気が宿っていると思います。長い年月を生き抜いてきた者の持つ風格や威厳なのでしょうね。数千年というサイクルは、とても人の力の及ぶ範囲ではありません。だからこそ尊敬にも値し、畏怖の念も抱くのだと思います。
 縄文杉や紀元杉の前に立つ時、いつも樹の精霊から「おいヒョッコ、また来たか」と声をかけられているような気がします。自分がまだまだ未熟であることを思い知らされます。と同時に勇気もいっぱい貰って帰ります。

さなえさんも、きっと同じような気持ちなのでしょうね。
みかん
2009/12/01 19:03
屋久島は、2年前に行こうとして計画したのに、台風の到来で鹿児島から先が船、飛行機が飛ばずで、羽田迄行ったのに帰って来たと言う事が有り、其れから、行くチャンスに恵まれずに今日に至っています。みかんさんの写真を見て、やはり早く行かねばと思って居ます。縄文杉に逢いに行きたいなぁ〜 一番良い時期は何月頃゛しょうか??? 11月頃かな!!!!
うなこ
2009/12/02 23:39
うなこさん お久し振りです。
屋久島は台風の季節になると船も飛行機もよく欠航になります。台風の季節や5月から6月の梅雨時を外せば、比較的安定していると思います。
縄文杉を見に行くのは1日がかりで大変ですが、やはり見ておくべき日本の宝のひとつだと思います。前回は残念でしたが、是非再挑戦してみてください。
みかん
2009/12/03 13:24
みかんさんこんにちは、
いつも古い記事へのコメントでスイマセン。

>多くの観光客がバスでやってきて、紀元杉の周りをサッと歩いて
>さっさと帰っていく。
>こんな見世物状態にされて、紀元杉は何を思っているだろうか。

本当にそうですね、何か哀しくなりますね。
屋久島には行ったことが無いのですが、観光客に踏み固められた
地面、靴でふんずけられて痛々しい根の様子を見ると、自分の目で
数千年を生き抜いてきた命を見てみたい気もしますが、行かない方が
屋久杉にとっては幸せなことなのかな、とも思ってしまいます。
屋久杉に限らず、あらゆる植物たちにとって、写真撮影といえども、
彼らにとっては迷惑な行為であることを、いつも忘れずにいたいと
思います。
イナ
2012/06/04 17:24
イナさん こんにちは。
しばらく九州に撮影に出ていて、コメント返しが遅くなりました。
屋久杉は元より、屋久島の自然そのものが素晴らしいですから、是非1度は出かけて欲しいところです。世界遺産の価値が充分ある島だと思っています。四季にわたって何十回と出かけていますが、同じ時期に同じ場所に出かけても飽きることがありません。特に自然を自分の眼でじっくりと見るイナさんのような方には、是非とも出かけて欲しい島だと思っています。
みかん
2012/06/07 12:47

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