みかんの花日記

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zoom RSS 植物似たもの同士15   センブリとムラサキセンブリ

<<   作成日時 : 2009/11/17 23:48   >>

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   かつては民間薬としてよく利用されたセンブリも、最近は見かけることが少なくなった野草のひとつである。

   同じセンブリでも、苦味が薄く品質の劣るムラサキセンブリは、むしろセンブリよりも多く見かける。

   どちらもリンドウ科センブリ属の薬草である。

   センブリは日本では代表的な民間薬のひとつで、ゲンノショウコ、ドクダミと並び、ベスト3に入るほど有名な

   薬草である。

   苦味健胃薬として利用され、花の頃の全草を乾燥させたものを、煎じて服用する。

   胃薬として、昔はどこの家庭でも軒端に逆さに吊るされていたものである。

   かつての日本人にとっては重要な薬草だったから、センブリを知らない人なんていなかった。

   ムラサキセンブリを間違えて採集することもなかった。

   どちらも同じ5弁の星型の花を咲かせる。




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   見分けるのはたやすい。

   花の色が違うからである。

   センブリは白、ムラサキセンブリは紫色をしている。

   だが正確に表現するならば、センブリは白い花びらに紫色の筋がある。個体によってはうっすらと紫色を帯びて

   見えることもある。

   これに対しムラサキセンブリは、薄い紫色の花びらに濃い紫色の筋があるので、より紫色が強く見える。




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   センブリは日本全国に分布し、日当たりの良い山地に生える。

   ムラサキセンブリは長野、神奈川県あたりを境に、それより西に分布する。蛇紋岩地に多い傾向があるが

   それ以外でも海辺の岩場からススキ草原などの、やはり日当たりの良い場所に生える。

   どちらも裸地化した場所に多いが、ムラサキセンブリの方がより藪の中にも入り込む。

   センブリは大きくなっても20センチほどだが、ムラサキセンブリはかなり大きくなり、四国や九州の草原では

   1メートルほどに育った大きな株を見たことがある。だが平均的には50〜60センチだろうか。

   ムラサキセンブリは北に行くほど背丈が低くなり、長野県や神奈川県で私が見ているものは、いずれも草丈が

   10センチほどしかない小さなものだった。


   (ここまで左がセンブリ   右がムラサキセンブリです。)




   画像
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   上の3枚の画像はいずれもムラサキセンブリだが、センブリもムラサキセンブリも花びらの数は色々ある。

   どちらも5枚が正常だが、4枚のものも多い。

   中には右下の画像のように7枚もあるものもある。

   センブリもムラサキセンブリも、基本の花びらの数は5枚が正常と覚えておこう。

   写真を撮る人のために、参考までに書いておくと、ムラサキセンブリの紫色は日が当っている株より

   日陰の株の方が紫色は濃く発色する。

   下の左画像が日が当っている株、右が日陰の株である。




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   とは言えセンブリは日が当らないと花を開かない植物である。

   日陰で撮るのは、雲が太陽を隠している間などの短い時間に限られる。

   今回の撮影はセンブリもムラサキセンブリも同じ蛇紋岩地で撮影している。

   どちらかと言うと、けして生育状態が良好な株ではない。

   このように両種が同じ所に生えている場所では、時に雑種と思える株も見られる。

   下の画像が雑種と思える株である。




   
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   センブリの名の語源は、千回振り出してもまだ苦い、ことからきている。

   良薬は口に苦し、というが、センブリを煎じたものは半端な苦さではない。

   私が子供の頃は、いたずらをするとよく母親から「センブリを飲ませるぞ」と脅かされたものである。

   子供心にもセンブリの並外れた苦さは知っていたから、「センブリを飲ませるぞ」という一言は

   いたずらには効果覿面の一言であった。

   今の子供たちはセンブリそのものを知らないだろうし、子供を持つ若い母親とて同様であろう。

   自然を敬い、山野のものを有効に活用していた時代は、はるかの昔になってしまったのかも知れない。

   だが、センブリのエキスは健胃薬のほかに、毛根を活性化させる働きがあり、毛生え薬として

   今も利用されているということを、あなたは知っていただろうか。
















   撮影は2009年11月9日 愛知県新城市の蛇紋岩地で。

   画像はクリックすると大きくなります。

   いつもの通りケイタイカメラでの撮影です。

   屋久島に出かける前に作り上げてリリースするつもりでしたが、遅れて今になってしまいました。



   オマケ画像

   蛇紋岩地は秋たけなわ、木々は紅葉し、晩秋の花が盛りでした。

   画像画像



















         

              ヤマウルシ                                季節外れのタムラソウ




   画像画像


















        リンドウはあちこちで花盛りでした。




   

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コメント(19件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、こんばんは。
かげろう周辺ではせんぶりしか見かけません。中国山地へ出かけないとムラサキセンブリは見れません〜この場所でもセンブリが咲いています。

今回、達磨菊忌の先日は初めて平尾台へ行きました。ムラサキセンブリは終わっていましたが、沢山の株がありました。

センブリとムラサキセンブリの交配種は白色ですか?
雑種だと名前はやはり雑種?

山陰は昨日から一層寒くなりました。
中国山地は雪が積もったようです。娘が風邪ひかないようにこれからが大変です。みかんさんもお気をつけください。(季節型インフルエンザと新型インフルエンザの予防注射はこれからです〜ワクチンの関係=品不足)
かげろう
2009/11/18 01:46
お早うございます。
怪我も無く無事帰宅されたようで。
普通のセンブリとムラサキセンブリは一目で区別がつきますが時々ネットに白花ムラサキセンブリというのが載っていることがありますね。
何処が違うのか判りません。(/||| ̄▽)/
アライグマ
2009/11/18 08:13
かげろうさん こんにちは。
これからの季節、山陰地方は厳しい毎日のことと思います。特に今年はインフルエンザが猛威をふるっているので、充分に気をつけてくださいね。ワクチンが不足気味であることも気がかりです。あーちゃんの体調には普段以上に気を使ってくださいね。
達磨菊忌には多くの皆さんが角島に集合し、康子さんも喜んでおられたことと思います。ダルマギクの花期には少し遅かったようですが、かげろうさんが撮影されたブーケのような株は素晴らしかったですね。宮本さんの掲示板で拝見しましたよ。
かげろう地ではセンブリだけですか、でも少し足を延ばせばムラサキセンブリも見られるわけですから、恵まれていると思います。雑種はセンブリに近い形のものも、ムラサキセンブリに近い形のものも見られます。雑種には名前が付いていませんが、私はあえて雑種に違う名前を付ける必要はないと考えています。
みかん
2009/11/18 13:45
アライグマさん こんにちは。
三浦半島で私がはじめてムラセキセンブリを見つけました。当時はちょっと驚いたニュースだったのですよ。その時の標本が神奈川県植物誌のデータとなっています。
ムラサキセンブリにはごく稀ですが白花があります。九州のある場所では白花が定着していて、毎年見られる場所もありますが、全体としては非常に少ないものです。センブリよりは全体に大きく、蜜腺溝が目立たない他、オシベの付け根にある毛がもじゃもじゃと良く目立つので、白花でも実物を見ると、センブリとは違うことがわかりますよ。
みかん
2009/11/18 14:00
ふふふっ
三浦半島にあると。それが聞きたかったヘ(^◇^;ヘ)(ノ;^◇^)ノ
確かに、センブリとムラサキセンブリでは雰囲気自体が違いますね。
気にかけときます。
((((((((^^;探そうとすると見つからないからね。
アライグマ
2009/11/18 16:41
アライグマさん おはようございます。
三浦半島でムラサキセンブリを探すコツは、ソナレマツムシソウの咲くあたりの海辺ですよ。センブリ(ハマセンブリではないけど)は灯台のある辺りの海岸に多いよ。センブリはすぐに見つかると思うけどネ。健闘を祈る。
みかん
2009/11/19 09:44
チェックメイトキング2、コチラホワイトロック。
了解。
(^^;★\(-.-;)
アライグマ
2009/11/19 16:11
残念ながらこちらにはセンブリは沢山ありますが、ムラサキセンブリはありませんので毎年見るのは困難です。
何度もムラサキセンブリを見に行き撮るのですが、いまだ満足するものが撮れません。
やまそだち
2009/11/19 17:16
こんばんは。
ムラサキセンブリ、初めて見せていただきました。
花びらが7枚のムラサキセンブリの花、綺麗ですね〜。
高尾山でセンブリの花が見ることが出来ましたが、ムラサキセンブリは見かけませんでした。出会ってみたいと思っていますが・・。
真白い花に紫色の線が入ったセンブリの花は綺麗ですね。子供の頃に父が裏山でセンブリを採ってきて干していたのを覚えていますが、白い花は見たことがありませんでした。

2009/11/19 17:35
みかんさん、こんばんわ。
「毛根を活性化させる働きがあり、毛生え薬として今も利用されているということを、あなたは知っていただろうか。」
知りませんでした。へぇ〜。
そういうと今年はセンブリもムラサキセンブリも見ずじまいになりそうです。


人士
2009/11/19 18:45
みかんさん、こんばんは。

私の山仲間さんは、山の麓生まれなのですが、小学生の頃はあちこちにセンブリの背丈の長いものがあり、母親に言われて採りに行ったそうです。

今、こちらのフィールドでは探さなければ見つかりませんし
あっても背丈がそう長くはありません。

残念ながら私は、たくさんあったのも見たこと有りませんし、飲んだこともありませんので、その苦さもわかりません。
どくだみは干してお茶にしています。

ムラサキセンブリはかなり広いフィールド内を歩いていますが、今だ見たことはないです。
人から種を貰って、咲かせてはいますが。

今年は何度かセンブリを同じ場所で見ていますが、花が開ききりませんでした
さなえ(花の庵)
2009/11/19 20:20
 みかんさん、こんにちは。

 楽しく見させていただきました。こちら群馬ではセンブリは結構見かけますが、ムラサキセンブリは記録はあるものの自分で見つけたことはありません。今年は長野まで出かけて久しぶりに見てきました。花自体は大きくて、とてもきれいでした。光があたると色が飛んでしまうので、写真はうまく撮れませんでした。来年以降に再チャレンジです。
ペン
2009/11/19 21:01
やまそだちさん 今晩は。
センブリは日本全国広範囲に分布してますから、やはりセンブリを見る機会の方が多いのでしょうね。ご存知のようにムラサキセンブリは草丈も大きく、花つきも多いので良く目立ちます。
魅力ある花なので、私は何度かカレンダーに使っていますが、四国や九州のものの方が絵になる気がします。
みかん
2009/11/19 22:15
杏さん 今晩は。
昔はセンブリは重要な民間薬で、たいていどこの家でも陰干ししたものをストックしていました。高尾山のような場所でも、定期的に草刈りをすることによって、登山道沿いには昔はたくさんありました。草のサイズも今よりずっと大きなものが。最近は小さな株しか見られなくなりましたね。
里山と呼ばれる場所では、定期的な草刈りが行われ、火入れも行っていたので、今よりずっと豊かな自然が残っていました。センブリはそんな場所で旺盛に茂る植物なのですよ。
みかん
2009/11/19 22:28
人士さん 今晩は。
センブリ=胃薬のイメージが強いですが、毛生え薬の原料としては、随分と昔から注目されていたようですよ。日本産のものではなく、最近はその大部分が中国産に頼っているようです。
まだこれからでも、どちらの花も見ることができますね。来週からしばらく四国に出かけますが、高知ではまだまだ花の撮影が可能と思います。
みかん
2009/11/19 22:34
さなえさん 今晩は。
センブリの煎じ薬はものすごく苦いのです。生のセンブリを齧っても相当苦いですが、あの苦さが煎じても持続します。千回振り出しても、ということが納得できますよ。私の母が胃が弱い私のために、センブリを乾燥させたものをホワイトリカーに漬けて、毎日少しずつ飲みなさい、と送ってくれたものが、いまだに戸棚の隅に眠っています。母が亡くなってもう6年も経つのですが。
胃潰瘍と診断されて長いこと薬を飲み続けましたが、ピロリ菌を退治してからというものは、まるで嘘のように治りまして、それ以降は極めて丈夫です。
センブリは母の形見のひとつになりました。
みかん
2009/11/19 22:52
ペンさん 今晩は。
私も出身は群馬県ですから、群馬の山野のことは比較的良く知っているつもりですが、私も群馬県ではムラサキセンブリを見た記憶がありません。
愛知県の蛇紋岩地には比較的どこにもあって、季節が巡ってくると毎年どこかに撮影に出かけます。上の画像を撮影した日は、知り合いに2人も同じ山で会って、ちょっとビックリしました。
みかん
2009/11/19 22:59
 三浦半島にムラサキセンブリがあることを知って驚きました。灯台の下のセンブリは今年ごく少なくて、寂しい感じです。千葉には変なセンブリがあります。その辺りには変なものが色々あるので、来年も足しげく通うつもりです。
 今日はヤクシワダンやイガアザミとノアザミの雑種らしきものを見つけることができて、良い日になりました。
コージ
2009/11/29 01:44
コージさん 今晩は。
三浦半島にはヤクシワダンは結構多いですね。ワダン自体が三浦や房総などの限られた地域にしかありませんから、雑種とは言えヤクシワダンは貴重な植物だと思います。
イガアザミとノアザミの雑種があるとすると、極めて貴重なものですね。総苞に粘着性でもあったのでしょうか?両種は花期が完全にずれているので可能性は極めて低いですが、草刈りされた後に伸びだして秋に咲くノアザミもあるので、全く否定できるものではないですね。科学博物館の門田先生が特にアザミを熱心に研究されているので、標本があるなら届けると喜ばれると思います。
私も今年の1月に越前海岸で満開のノアザミを撮影しています。これも温暖化が影響しているかも知れませんね。
みかん
2009/12/01 19:26

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