みかんの花日記

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zoom RSS チベットの青いケシ  メコノプシス・ベトニキフォリア

<<   作成日時 : 2009/08/03 17:46   >>

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   青空のブルーをそのまま花びらに閉じ込めたような、素晴らしい青である。

   日本の花では見ることができない鮮やかなブルーは、多くの人の心を捉えて離さない。

   英名ではHimalayan blue poppy と言う。

   まさにヒマラヤの青いケシである。

   正式な学名はMeconopsis betonicifolia メコノプシス・ベトニキフォリアである。  

   多数あるメコノプシス属を代表するケシで、その分布はチベットの東南部、ミャンマーの北部、中国雲南省の

   北西部である。

   日本では大阪の「花の万博」の時にはじめて紹介され、青いケシの人気が一気に高まった。

   咲くやこの花館に展示されていたこの花を、私もカメラに収めている。

   私のこの花との初対面は、なんと日本だったのである。




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   日本で展示されていたものは、茎の高さが50〜60センチだったと記憶しているが、自生地で見るこの花は

   かなり大きい。

   草丈は1メートルから1メートル80センチくらいになる。

   花の直径は10センチ前後あり、目も覚めるような鮮やかなブルーなので、たった1輪咲いていても

   かなり目立つ。

   青いケシの仲間では、標高のいちばん低い場所に生えている。

   標高3100メートルから4000メートルあたりが本種の生育範囲である。

   緯度の関係から、チベットではこの辺りが森林限界にあたる。

   森林限界とは、樹木が育つことが出来るギリギリの範囲のことで、これ以上標高があがると、もはや木は育つ

   ことが出来ず、次第に低木から草本(草だけ)へと移行する。




   
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   麓の八一の町を発って車で2時間30分ほど、九十九折の山道をぐんぐんと高度をかせいでゆく。

   雲海ははるか眼下になり、落葉広葉樹のナナカマドが真っ白い花を咲かせ、道路脇には木と見違えるほどに

   育った白いソクズの花、そろそろ森林限界に達する頃である。

   鬱蒼と茂った針葉樹の森は苔むして、深山幽谷の雰囲気である。

   アオモリトドマツやアカエゾマツに良く似た針葉樹には、藍色の球果がぼこぼこと付いていて、なんだか

   日本の森と錯覚しそうな雰囲気である。




   
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   そんな林床に青いケシは咲いている。

   と言うより、道端にも、まるで雑草のごとく点々と咲いている。

   だが、地元のチベットの人や中国から観光にやってきた人たちは、そんな花には目もくれない

   排気ガスを撒き散らして、さっさと通り過ぎるだけである。

   路肩に駐車できるスペースを見つけて、我々はそこに車を停める。

   森の中や草付きの斜面を登って、いよいよ青いケシの観察である。




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   なるべく鮮度のいい花を、少しでも絵になる花を探して、三々五々と散らばるのだが、

   面白いことに案内役の私の後を、みんながぞろぞろと付いてくることになる。

   花はどこにでもたくさん咲いているのだが・・・・・・。

   上の左画像は、花びらが少し赤味がかった株だが、何輪かワインレッドの花色のものもあった。





   あちらの株、こちらの株と撮影している内に、なんだか急に上に登れと命令されてるような気がして、

   ちょっと急な斜面を登った。






   私は、そこで声を失った。






   道路からは死角になっていて見えない場所なのだが

   そこには、ものすごい量の青いケシが咲いていたのである。

   さながらブルーの絨毯である。

   メコノプシス・ベトニキフォリアは群落を作るケシではない。

   だが、今、目の前に広がっている光景は、まぎれもない花の絨毯なのである。

   (この群落風景は参加した人だけの特権、ここではお見せしません)



   私はここに来る3日前に、最愛のみかんという名の猫を亡くしていた。

   旅立ちは非常に辛いものがあった。かわってくれる人がいたなら、私は迷うことなく今回のチベットは断念して

   いただろう。そんな気持ちでいただけに、この風景はまさに衝撃であった。

   誰もがみかんちゃんが引き合わせてくれたのだと言う。

   そんなことはあるまい、単なる偶然にすぎない。そう思うのだが、この翌日も奇跡に近い偶然に遭遇するので

   ある。今はただ皆の言うことを素直に信じようと思っている。


   閑話休題

   この群落を全く見せない、というのは少しイジワル爺さんすぎるので、最後に群落の右端に咲いていた株を

   お目にかけて、青いケシの最後としよう。

   自分でも結構気に入っているワンカットです。群落でなくてゴメンなさい。

   クリックして大きな画面で楽しんでください。




   
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   *上でちょっとイジワルをしたので、追加サービス*

   青いケシ、メコノプシス・ベトニキフォリアが咲いていた場所には、他にこんな花も咲いていました。




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   イチヤクソウの仲間

   Pyrola calliantha var. tibetana ピロラ・カリアンタ・ティベタナ





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   サクラソウの仲間

   Primula florindae プリムラ・フロリンダエ




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   アツモリソウの仲間

   Cypripedium tibeticum キプリペディウム・ティベティクム

   和名 チベットアツモリソウ
 
   日本では一般にシプリペディウムと呼ぶが、正しくはキプリペディウムと発音する方が
   よりラテン語の発音に近い。
























   最近は日本でもメコノプシス・ベトニキフォリアに良く似た青いケシが栽培されている。

   北海道の幌延町などは切花用の栽培が盛んで、夏の一時期、東京の花屋さんの店頭には出回ると聞く。

   また長野県や山梨県の山間部などで栽培されている他、箱根の植物園など、各地の植物園でも栽培が

   盛んである。テレビなどで放映されることもあるので、日本でも見る機会はあると思う。

   だが、これらの栽培品はイギリスで品種改良されたM・betonicifoliaとM・grandisの雑種であるらしい。

   種苗会社が売り出しているものなどは、ほとんどがこれで、純粋のメコノプシス・ベトニキフォリアではない。

   人間の欲望が作り出した平地に強い雑種である。

   ともあれ青いケシの人気は、日本では相変わらず高い。自生地で見る人を引き込むような青は、やはり

   何物にも勝る。本物を自分の眼で見ること、こんな素晴らしいことはない。

   健康な体の人であれば、誰もが行ける場所であることを付け加えておきたい。


   撮影 2009年7月3日 東チベットの標高4000メートル付近で

   画像はクリックすると大きくなります。

   この画像はいずれもケイタイ電話に付いているカメラでパチパチやっています。
   

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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。夕食の片付けも後回しにして早速お訪ねしました。
やはりヒマラヤの青いケシは素晴らしいですね。草丈が1b80aにもなるのですか?そして花の直径が10aにもなるなんて吃驚です。そこが一番生育環境にあっていると言う事の証なのでしょうね。みかんさんの素晴らしい写真の数々大きくして堪能させて頂きました。花のカーペットも御覧になったそうで何よりでした。行かれた皆様が仰っておられるように、みかんちゃんが導いてくれたのでしょう。愛猫の安らかな眠りをお祈りしております。私は19年9ヶ月飼った、テリア系の雑種を亡くしましたが、やはりかなり落ち込みました。その犬がいるので海外旅行は行けないと言っていましたが、亡くして、もう随分月日が経つのに、未だ海外には行っておりませんので、きっと一生行けないのではないでしょうか。
舌を噛みそうで覚えられそうにありませんが、イチヤクソウやサクラソウのお仲間・チベットアツモリソウまで惜しげも無くアップなさるので、それも見せて頂けて感謝!感謝です。どうも有り難う御座いました。
私にとっては何時までも憧れのヒマラヤの青いケシです。
kako狸
2009/08/03 20:17
ははは、みかんさんが、うちの方を覗く余裕が出てきたようなので、そろそろ新しい記事が出そうだなと思っていました。
(^^;★\(-.-;)
1m80cmは凄いですね。
群落の写真は仕事のネタとして取っておかねば。
ヘ(^◇^;ヘ)(ノ;^◇^)ノ
アライグマ
2009/08/03 20:38
kako狸さん 今晩は。
最初にkako狸さんにコメントいただけて嬉しいです。自生地の青いケシをすぐにお目に掛けるような事を書いておきながら、今頃になってしまいました。ほんとにごめんなさい。前回にチベットを訪れた時も、ほぼ同じような所で観察したのですが、今年見たような大群落は初めてでした。今年は当たり年だったのかも知れません。
kako狸さんの家のワンちゃんは19年と9ヶ月ですか。随分と長生きされたと思います。それだけ長い期間にわたって一緒に生活していると、亡くなった時の心境はいかばかりだったか、察するにあまりあります。私は正直みかんが亡くなった時は、親が亡くなった時よりショックでした。両親を送った時はそれなりの覚悟もできて、充分な看護も果たせた後だったので、素直にその死を受け入れることができました。ですが、みかんの時は癌だっただけに、なんとも悔やまれました。今でも同じアメショウのオスを、つい名前を間違えて呼んでしまうことがあります。後遺症はしばらく続くのでしょうね。
どうぞ時間を見つけて、また遊びに来てください。お待ちしています。
みかん
2009/08/04 00:35
アライグマさん 今晩は。
いつも早いですねぇ。みかんは余りコメントしませんが「アライグマの観察小屋」は毎朝のネット巡回コースに組み込まれています。また三浦海岸を散歩したの、などと独り言を言いながら拝見しているのですよ。知らんかったでしょ。エヘン。威張ることはないか、あはは。
ところで慈悲深いみかんのことですから、仕事ネタとして区別なんかしていないのですよ。単純に銀塩とデジカメはお仕事用、ケイタイはブログ用と分けているだけなのです。
内緒ですけど、本当の所はですね。ケイタイで撮った群落の写真が気に入ったものがなかったんです。あはは。ネタをばらしてしまった。
アライグマさん責任取ってよネ。
みかん
2009/08/04 00:59
みかんさん、こんばんは。

ヒマラヤの青いケシ、楽しみにしていました。

まさに空の色を写した花びらの色。
透明感があって素晴らしい色だと思います。
そして草丈が2メートル近くにもなるとか、一輪でも目立ちますね。

長野で青いケシとして販売されていたのを見たことがありますが、イメージがかなり違います。

こんな花を見たら、舞い踊りそうです(笑)
良くぞ見せて下さいました。
ありがとうございます。

みかんちゃんは青いケシの群生をみかんさんに見せたいと思っていたのでした。
後もう数日旅立つのが遅かったら、チベットに行けていませんでした。
それをよく知っていたのでしょう。
さなえ(花の庵)
2009/08/05 21:03
さなえさん 今晩は。
こちらもやっと梅雨明けして、昨日、今日と晴天が続いています。

そちらも長雨のようですが、大事なお花畑(野菜畑)が水浸しのようで、これからが心配ですね。

お盆すぎに丹後半島に行きます。日本海を背景に咲くトウテイランやネコノシタなどの海岸植物を撮影するのが目的ですが、温泉に浸かって、海の幸を堪能したい、というのが本音かも知れません。あはは、何しろみかんは食いしん坊なもので。
日本の高い山にも登りたいのですが、どうなりますことか。

ヒマラヤの青いケシの中でも、ベトニキフォリアのブルーは飛びぬけて綺麗な色をしています。朝露のキラキラも素敵でしたよ。
みかん
2009/08/05 23:20
みかんさん、こんにちは。
こちらもようやく梅雨明けしましたが、まだ安定しないお天気です〜しっかりとした夏空が見れません・・・。稲は今年は不作でしょう。

青いケシの花、見れば見るほど、素敵な青色ですね〜透きとおっています。
画像でしか楽しむことが出来ませんが、やはり気持ちとしては実物を見たい〜願望です。

みかんちゃんも見守ってくれたのでしょうね。天の風になって・・・・。

イチヤクソウの仲間、サクラソウの仲間、アツモリソウの仲間の沢山咲いているのですね。

今度に日曜日、お天気が良いようなので、相棒(主人)と大山のお花畑に登ってきます〜無事に登れますように(ユートピアへ)娘はショートスティです。
かげろう
2009/08/06 14:47
かげろうさん こんにちは。
日曜日に大山ですか。いいですね。夏のお花畑楽しんできてくださいね。晴れることを祈ってます。みかんも大山はちょっとご無沙汰しています。
こちらも梅雨明けしたのですが、今日はもうどんよりと雲っています。日照不足で稲の生育が心配ですね。早くカラッと晴れて欲しいものです。
みかんも天気予報と相談しながら、中央アルプスに登るつもりです。タカネトリカブトの再撮影が目的です。
みかん
2009/08/06 15:57
みかんさん
青いケシ
本当に綺麗です。たくさんの写真ありがとうございます。
同じ所で撮っても、どうしてみかんさんのと自分のがこう違うのか?・・・
これから少し写真の勉強しなくちゃと思っています。
  今朝は大雨です。昨日は地震で今日は台風が来るそうですね。
自然には逆らえませんね。来週は南アルプス荒川三山にお花見に行きます。






本当に夢のような・・・・
とても幸せな時間でした。
トマト
2009/08/10 05:52
トマトさん こんにちは。

今頃は荒川三山でお花畑を楽しんでいる頃かな。みかんは昨夜中央アルプスから帰ってきたばかりです。ロープウェイに乗るのに2時間も待たされて、うんざりでしたが、みかんが歩くコースは人もほとんどいなくて、静かな山旅を楽しめました。
チベットの青いケシの群落は、本当にすごかったですね。みかんもあんな群落を見たのは初めてでした。ほんとに嬉しい群落でした。
みかん
2009/08/13 15:29
こんにちは、みかんさん。
すごくきれいな青ですね。最大180cmにもなるなんてびっくりしました。
身長が140cmしかない僕には撮れないかも…(笑)
それにチベットのアツモリソウは花が黒ずんでいるのにもびっくりしました。
さて、2日の壱町田湿地の観察会は、残念ながら雨で行けませんでした。
仕方がないので祖父に頼んで翌日わざわざ葦毛湿原に行ってきました。みかんさんがおっしゃっていた通りミミカキグサって、本当に小さいですね。びっくりしました。
来年は壱町田湿地の観察会に行きたいです。
ミゾコウジュ
2009/08/14 14:56
みかんさん、こんにちは!
ヒマラヤの青いケシ、吸い込まれるような青色にうっとりしています。
こんな美しい花々が群生している姿を想像しながら、いつの日か私もこの目で見てみたいと思うのですが、高度障害が出やすい私にとっては永遠に憧れの地かもしれません(~_~;)
高山病対策などはいかがでしょうか?標高が4000mもあると、かなり大変なことになりそうですね(^^ゞ

サクラソウの仲間、アツモリソウの仲間など魅力的なお花が満載でヨダレが出そうです(笑)

出発される直前のみかんちゃんの訃報に、みかんさんはお気持ちは如何ばかりかと思っておりました。
素晴らしい群落に引き合わせてくれたみかんちゃんに感謝感謝ですね!
fu-co
2009/08/15 10:21
ミゾコウジュさん 今晩は。
壱町田湿地の観察会は雨で中止になったのですか?
当日はあいにくの雨でしたけれど、あの程度の雨なら行われたのではないかと思っていました。昼頃には晴れてきましたし。折角楽しみにしていたのに残念でしたね。でも葦毛湿原に行かれたのなら、良しとしましょう。ヒメミミカキグサをご覧になったのかな、ミミカキグサよりヒメミミカキグサはさらにずっと小さいのですよ。
みかん
2009/08/16 16:58
fu-coさん 今晩は。
高山病予防の薬としては一般にダイアモックスが使われています、朝夕1錠ずつ飲みますと、症状はかなり楽になると思います。この薬は薬局では売られていないので、医師の処方箋が必要になります。
私は空気の薄い所では頻繁に水を飲みます。苦しくなったら先ず水、これは結構効きますよ。それと常時アメ玉を口の中に入れておくのも効果があります。
以上、高山病予防対策でした。
今日みかんが眠っている霊園にお墓参りに行ってきました。庭の花の少ない季節ですが、トウテイラン、エゾリンドウ、ミソハギで花束を作りました。昨日がみかんの49日でした。
みかん
2009/08/16 17:21

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