みかんの花日記

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<<   作成日時 : 2009/06/11 20:12   >>

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   日本は世界に冠たるユリ王国である。

   日本の山野には驚くほど多くのユリが野生している。

   そのどれもが品種改良の余地がないほど、堂々と完成された美しさを持っている。

   北海道から沖縄まで、海辺から高山まで、実に様々な場所に宝石のような豪華な花々が咲き競うのである。

   世界広しと言えども、これほどユリの種類が豊富な国は、日本をおいて他にはない。

   ユリの花は、どれも豪華な花を咲かせる。

   東の王者がヤマユリなら、西の王者はササユリである。

   このことに異論を挟む人は先ずいないだろう。

   今回の主役は、西日本を代表するササユリである。




   
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   ササユリは新潟県と長野県が接するあたりと静岡県を結ぶ地域より西に分布する。

   本州の西部と四国、九州に分布するが、九州では大分県と宮崎県のごく限られた場所だけに生えている。

   日本海側に生えるものは葉の幅が広くやや厚い、また四国のものは葉に白い覆輪が入るものが普通である。

   生える場所は海崖の草地から、里山のススキ草原、山地の二次林下、稀に標高1000メートル以上の高原に

   生えることもある。

   最も多く見られるのは、人々が生活している場所、里山と呼ばれる一帯である。




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   ササユリにはとても清々しい爽やかな香りがある。

   花の香りはより強く人々の印象に刻まれる。

   多くの人が良い匂いと感じるササユリだが、時に、地域によっては、これはちょっと、と感じる匂いもある。

   ところでササユリの名前だが、地方によって様々な名前で呼ばれている。

   三重県のノユリや愛知県のシバユリなどはまだ納得できる呼び名だと思うのだが、広島県のホンゴウロ、

   山口県のゴーラ、などと言う地方名になると、私にはさっぱり意味がわからない。

   標準和名のササユリは笹百合で、葉が笹の葉に似ていることから名づけられた。

   比べてみると、なるほど良く似ている。

   下の画像はたまたま笹が茂る中に生えていた株である。矢印でもつけないと間違えそうである。

   クリックして見てね。



   
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   ヨーロッパでも日本のユリは絶賛の的だが、ササユリは英名でもササリリーやジャパニーズピンクリリーと

   わかりやすい名前で呼ばれている。

   古くから日本人の琴線にふれる花だったらしく、古くは古事記や万葉集にも登場する。

   古事記にはササユリの花のかたわらで、初夜を過ごす歌がある。

   万葉集にもササユリの花を愛しい妻や恋人に例えた歌が多い。


   
   「筑波嶺の さ百合の花の夜床にも 愛しけ妹そ 昼も愛しけ」



    この歌は万葉集の巻20に収められている大舎人部千文(おほとねりべのちふみ)の歌である。

   現代流に解釈するならば、単身赴任した男が妻を思慕する歌で、

   夜の床のいとしい妻を思い出し、昼間は昼間でまた愛しいよ、と情熱的に歌っているのである。

   万葉集でも古事記でも、ササユリは「さゆり」の名前で登場する。

   「さ」は神聖なものの頭につける言葉なので、ササユリは当時から神聖視されていたことが伺える。




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   毎年6月17日に奈良県本子守町の率川神社(いさがわじんじゃ)で行われる三枝祭りでは、三輪山でとれた

   ササユリを4人の巫女がかざしながら、優雅な舞を奉納する。

   伝統のあるこの三枝祭りは、通称、百合祭りの名で親しまれている。

   かつては本物のササユリを無病息災のお守りとして授与していたが、参拝者の多い現在では、造花に

   変わっている。祭りの当日は、近鉄奈良駅前で造花の笹百合が配られる。

   このように特定の植物が祭事の主役となる例は珍しい。




   
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   ササユリは分布圏内であれば、決して珍しい植物ではなかった。

   一歩野外に出かければ、かつてはどこにでも咲いていた花である。

   ところが最近では目に見えてその数が減っている。原因の第一は草地の利用方法が変わり、定期的に行わ

   れていた草刈りや火入れが行われなくなったこと。

   燃料革命によって、二次林が放棄され荒れるにまかせたまま藪へと変わってしまったこと、などがあげられる。

   ササユリの咲く環境は、自然に人間の手が程よく加わった、いわば人間との共存によって最高に素晴らしい

   生育環境が維持されていたのである。

   上の画像は私が定期的に通っている隣町のお気に入りの場所である。

   春先にはショウジョウバカマやハルリンドウがたくさん咲く土手でもある。

   不覚にもこの土手にササユリが咲くことを私は知らなかったのである。今回、この土手の上にあるカギカズラを

   撮影するつもりで訪れて、初めてササユリの存在に気が付いたのである。

   放棄水田になっていたこの土手は、前年の秋に見事なまでに草刈りされて、ヤブ山化していた所が、

   水田らしい土手に変わった場所である。

   草刈りをしてくれた田んぼの持ち主に感謝をしなければならない。

   ヤマユリなどでもそうだが、何年も地中で眠っていた球根が、山火事などによって突如花を咲かせる例は

   決して珍しいことではない。




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   ササユリの花の色はピンクが普通だが、個体によって色の変化は大きい。

   白から濃いピンクまで、幅広い色のグラデーションがある。

   そこがまたササユリの魅力でもある。

   小さかったつぼみが、少しずつふくらんで、花筒がピンク色に色づけば開花は間近い。

   花びらが開くと同時に、オシベの葯も開いて、強い匂いを発するようになる。

   風に揺られるとオシベの花粉が花びらについて汚れてしまうので、写真を撮るには咲いたばかりの花を

   選ぶのが良い写真になるコツである。




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   この日、上の画像右のつぼみに出会ったのが10時06分、このつぼみなら今日中に咲きそうと目星をつけて

   下の左画像を撮ったのが11時57分。そしてついに咲き出した右画像が13時26分でした。

   まさに咲いたばかりの新鮮な花に、銀塩、デジカメ、ケイタイと、とっかえひっかえ撮影したのでありました。

   ケイタイやデジカメは撮影した時間がきちんと記録されるので、こういう時には便利です。

   そして本業の銀塩でたっぷりと撮影した後に、ブログ用の画像に挑戦したのです。

   それがこの写真です。

   新鮮度は100パーセントのササユリです。




   
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   1輪の花のように見えるのはプロのテクニック。ササユリは大きな花なので、咲いたばかりの花で、向こう側に

   咲いているもう1輪の花を隠しているのです。

   花筒の部分をわずかに見せて、ササユリが最も美しく見える部分から撮影しています。

   この花が咲きだすまでの3時間ほどは、近くの湿地で花盛りのアギスミレを撮影したり、野生化したビワの実を

   つまんだり、カギカズラのつぼみを確認したり、飽きることがありませんでした。

   梅雨に入ったこの日、雨が降り出すまでの数時間、束の間の花との逢瀬でした。



















   画像はクリックすると大きくなります。
   大きな画面で楽しんでくださいね。

   撮影は2009年6月10日 愛知県武豊町で。一部に愛知県民の森で撮影した画像も含まれています。


   今回のオマケ画像

   美味しかったビワの実とアギスミレです。

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コメント(20件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、こんばんは。
ササユリはこちら島根に来てから初めてみました〜熊本の実家では見たことはありませんでした。

ササユリ、今週末に出かけなければ・・・と思いますが。(町内で)
かげろう
2009/06/11 20:25
〜笹百合〜


私がはじめてあなたに会ったのは   
小さな雑木林の中

こぼれんばかりの陽の光を浴び
楚々と、そしてゆるぎない自信をもって
咲いていましたね

透き通るような、花びら
凛とした花姿が
深い緑にひときわ映え・・・・

一瞬、刻も、すべての音も止まり
体中が震えたことを覚えています

神様はこんなに美しい花に<
出会わせてくれた

今年、初めて書いた
あなたへのラブレター
届けに森に入ります

・・・・・・・・・・・・・・・・

嬉しいササユリの紹介です。
ありがとうございます。
今まで私が出会った花の中で、一番好きな花がササユリです。
この季節になるとフィールド内のササユリの追っかけをします。
「今年も会えたね〜」

みかんさんが書かれているとおりの理由で、こちらもだんだん少なくなりました。


さなえ(花の庵)
2009/06/12 08:23
かげろうさん こんにちは

素敵なササユリの花に出会えると良いですね。熊本県には自生しませんから
嫁ぎ先での宝物のひとつでしょう。毎年、必ず出会いたくなる花ですよね。
みかん
2009/06/12 15:27
さなえさん ありがとう。

初めて出会った時の感動がよみがえってくるようです。

いつの日か、さなえさんの詩とみかんの写真のコラボに、素敵なBGMもついたものが作れたら、とさなえさんの「花の庵」を見ながら、いつも思っています。さなえさんのホームページは見所が多すぎて、毎回少しずつ楽しませてもらっています。ポリバケツに無造作に摘まれた花の、なんと素敵なことでしょう。さすがお花の先生、と溜め息混じりに拝見していますよ。
みかん
2009/06/12 15:39
東の国に住まう私には,ササユリはあこがれ。
見た目もニオイも派手目のヤマユリより,自分好みですし…。
美しいササユリ,堪能させていただきました。

【追伸】カギカズラのツボミをリクエストします!
はるこ
2009/06/12 16:58
はるこさん 今晩は。
静岡か愛知県まで足を延ばせば、ササユリは普通に見ることができますよ。生える場所は随分と少なくなってしまいましたが、まだ道路わきなどでも目にすることが出来ます。是非いらしてくださいね。豊ボタのメンバーも歓迎しますよ。
カギカズラは花が咲いたらアップしますね。
みかん
2009/06/12 17:54
その手があったか(ーー;)
カキラン、ハマカキラン、エゾスズランなんてのをリクエストしておくと・・・
V(^▽^*) はるこさんに続いてσ(^^;)も
アライグマ
2009/06/12 20:26
アライグマさん おはようございます。

ってコレ何、ササユリのことは・・・・・・ダメッ
却下します。男には厳しいのダ。あはは

とは言えプレッシャーになるんだよな。みかんさんは優しいからねぇ。デヘッ
みかん
2009/06/13 09:38
>ってコレ何、ササユリのことは・・・・・・ダメッ
だって、こっちじゃササユリ見れないんだもん(o_ _)o 〜〜〜
ヤマユリならいくらでも有るけど。
現状、遠出が出来ないので誘惑に耐えるためには「見なかったことにしよう」ですーーーー
(>д<) 「みかん真理教」に入信しますので。
お布施は????
アライグマ
2009/06/13 15:39
アライグマさん 今晩は。
お布施は・・・・・なんて、はしたないことは聞かないの
黙ってん万円包むのだよ。そうすると霊験あらたかにご利益が・・・・ないかもしれないけど。あはは

みかんはササユリはもちろん大好きだけど、ヤマユリもそれ以上に大好きです。いまだにカサブランカが日本で作出されなかったことに、地団駄を踏む思いなのですよ。
みかん
2009/06/13 18:28
 「ゆり祭り」
小さい頃住んでいたのは隣りの「北向町」
率川神社には「秘密の通路」では2分ほどで
行けるいい遊び場でした。(たいした悪さはしてないと思います)

 その頃は由緒ある祭りとは知らないで
出店ばっかり見ていました(もったいない)

 そんなこんなで 幼い頃を懐かしく
思い出させていただきました。

風太
2009/06/13 23:50
風太さん おはようございます。
そういえば風太さんは奈良で育ったのでしたね。神社は子供にとっては格好の遊び場だったことと思います。子供にとっての祭りとは、もちろん色々な店が出店するのが何よりの楽しみ、綿菓子、金魚すくい、鼈甲アメ、輪投げ、ヨーヨー釣りなど、子供にとっては目が輝くものばかりでしたよね。
私も田舎の春祭り、いまだに日にちをハッキリ覚えていますよ。母方の春祭りは4月12日で、母の実家に行く途中の水田の土手には、カタクリやショウジョウバカマがどっさり咲いていたことまで、鮮明に記憶しています。鬱蒼と茂る杉の古木で薄暗い神社が、この時ばかりは輝いて見えました。
みかん
2009/06/14 10:01
みかんさん、こんばんは。

>さなえさんの詩とみかんの写真のコラボに、素敵なBGMもついたものが作れたら
嬉しいお言葉ありがとうございます。
詩の勉強などした経験もなく、ただ素直にと書いている拙いものですが、
いつか是非お願いできれば嬉しいです。

ネット上にスミレ図鑑は沢山見かけますが、より花の庵らしいものにしたいと
投稿いただいた画像より、ピックアップで紡ぐ輪コラボを載せております。

事後承諾で(私の掲示板でちょこっと書きましたが)申し訳なかったのですが、みかんさんからいただいたシロバナタチツボスミレ(スミレー4)も載せております。
お差支えあらばいつでもはずします。
でも皆、見てしまわれたと思います<(_ _)>
さなえ(花の庵)
2009/06/14 19:11
みかんさん こんばんは〜
優しい素敵なササユリを見せていただきました
今年もササユリの咲く山へと出かけたのですが
今年は少し遅かったので、ササユリには会えませんでした(涙)
来年こそは、一番素敵な季節に出かけたいと思っています
カギカズラの蕾、こちらでも大分大きくなっていました
今月末には咲くと思います
百合つながりで、黄色いノヒメユリ8月の初め頃が見頃だと思います
お時間が取れるようでしたら、お出かけくださいね
いっしい
2009/06/14 21:43
さなえさん 今晩は。
私も拝見しましたよ。白いスミレ。とても素敵に仕上がっていましたね。
ところでスミレ図鑑の件で、気になっている所を連絡しようと思っていたのですが、さなえさんのアドレスがないので連絡できません。こちらにでも連絡くれますか。
みかん
2009/06/15 00:32
いっしいさん 今晩は。
いつもありがとうございます。黄色いノヒメユリいつか是非見たいものです。
7月は中国に2回、8月も北海道や東北や、すでにスケジュールがいっぱいで
時間が作れそうもありません。鬼に笑われそうですが、来年時間が取れましたら予定に入れますね。
みかん
2009/06/15 00:41
みかんさん、こんにちは!

「ササユリ」なんて優雅で気品ある花なのでしょう!

本当に笹の葉そっくりの葉なのですね^^
これまで私が出会ったササユリはすべてピンク色だったので、実をいうと白花があることさえ知りませんでした。
花の大きさ、自生地、葯の色などから最近ようやくヒメサユリとササユリの違いがわかるようになったと勝手に思っていましたが、もう一度勉強してみます(^^ゞ
咲き始めの新鮮な花を見るためには時間と労力をかけなければならないということですね〜せっかちな私にはとても真似できそうにありませんが、咲き始めのササユリ見てみたいです^^
fu-co
2009/06/17 11:49
fu-coさん こんにちは。
ササユリとヒメサユリを葯の色で区別するのは正解ですよ。慣れてくれば、ぼてっとした感じのヒメサユリに対して、ササユリはスマートなので、花の感じだけでも区別できるようになりますよ。
私は職業として植物の撮影をしていますので、新鮮なものにこだわりますが、花を普通に楽しむのであれば、そんなこだわりは不用と思います。
みかん
2009/06/17 13:07
みかんさん、こんばんは。
スミレの件、御世話になり有難うございました。
素敵なササユリ堪能させていただきました。
三重県にも少し山に入ると見かけることがあり、そのときの感激はひとしおです。
何か控えめで品があり百合の中ではやはり一番好きな百合です。
咲き初めから3時間ぐらいで開くことも見せていただきよい勉強になり有難うございました。
遅まきながらのコメントで失礼いたしました。
アザミの歌
2009/06/20 20:21
アザミの歌さん おはようございます。
スミレの件ではこちらの方こそ失礼いたしました。
ササユリはほんとに品がありますね。三重県でも撮影していますよ。海山町にはお気に入りの料理旅館があり、最近は少しご無沙汰気味ですが、かつては良く訪ねていました。今頃だとクチナシやチョウジソウ、カギカズラ、シタキソウなどが花期でしょうか。真夏のハマボウなども良いですね。
どうぞ、またお越しください。
みかん
2009/06/21 10:02

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