みかんの花日記

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zoom RSS モミジチャルメルソウ

<<   作成日時 : 2009/05/12 14:00   >>

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   モミジチャルメルソウは、福井県の西部から京都府の北東部にかけてだけに分布する。

   日本海側要素のチャルメルソウで、チャルメルソウの仲間内では、最もたくさんの花を穂状に咲かせる。

   花の直径はわずか5ミリほどなので、茎にびっしりと花を咲かせても、それほど目立つ存在ではない。

   日本にはチャルメルソウの仲間が11種あるが、その中で最も変わっているのが本種である。

   何が変わっているかというと、11種ある中で唯一、雌雄異株(しゆういしゅ)なのである。

   雌雄異株とは、雄花が咲く株と、雌花が咲く株が別々にあるということである。

   このことを発見したのは、チャルメルソウやネコノメソウ類を研究している若林三千男先生で

   1987年のことである。




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   春先の日本海側の渓流沿いは楽しくて、毎年のように出かけている。

   モミジチャルメルソウは何度も撮影しているが、どうやらいつも雄株ばかりを撮影していたようで、雌株の存在

   には全く気がついていなかった。

   モミジチャルメルソウは雌雄異株である、と知ったのは朝日新聞社発行の「植物の世界」である。

   世界中の植物が紹介されたこの大型企画には、私も植物写真家として加わっていた。

   チャルメルソウやネコノメソウの写真は、私の撮影になるものが多いのだが、その中で、若林先生が撮影した

   雄花と雌花がはじめて写真で発表されたのである。

   よく知っているつもりでいたモミジチャルメルソウが雌雄異株だったとは、自分の写真を改めて見直してみても

   どこにも雌花がない。

   翌春、福井に出かけた時に意識して雌花を探したのだが、どうも良くわからないままに終わった。

   数年来の疑問を解くべく、今年はそのことだけに重点を置いて、撮影に出かけた。

   結果、上の2枚の画像が雌株である。




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   上の2枚の画像は雄株である。

   雌花と比べると雄花の方が華やかさがあるので、撮影する時は無意識のうちに雄株ばかりを撮影していた

   ようである。もちろん花のアップも撮影していたのだが、過去に撮影したものはすべて雄花だった。

   今回、すぐに雌花がわかった訳ではない。

   最初は雄花の花粉が放出されて、葯が目立たないものが雌花なのかと思って何枚も撮影した。

   だが、どうも雌花と断定するにはしっくりこないものを感じていた。

   花の直径が5ミリほどと小さいので、花穂に顔をくっつけるようにして色々な株を見ていたら

   「あっ、これだ。全然雄花とは違うじゃん」という雌株に気が付いたのである。

   モミジチャルメルソウは分布域は限られるが、少し山に入った沢沿いなどでは、決して珍しいものではない。

   大水の影響を受けないような安定した河川や渓流沿いなどには、どこにでも生えている、と言っても過言では

   ない植物である。生える場所は限られるが、その量は多い。




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   雌花と雄花を並べてみた。

   どちらの画像も左が雌花、右が雄花である。

   全体の色が雌花は緑色が強く、雄花は赤色が強く見えるが、これは個体差であって、雌花と雄花の特徴では

   ない。雌花でも赤色が強い個体もある。

   若林先生の研究によれば、雌株の花のオシベには花粉ができず、雄株の花の胚珠は不稔で、種子ができな

   いという。雌雄異株のゆえんである。




   
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   モミジチャルメルソウの名前は、大きく切れ込んだこの葉が、モミジの葉に似ているので付けられた。

   果実が裂開するとラッパのような形になり、その形が中国の楽器チャルメルに似ているのでチャルメルソウと

   いう名前が付いたのである。ラーメン屋さんが客寄せのために吹く、あのラッパがチャルメルである。




   山は新緑から深緑へと姿を変えつつあった。

   春先の花が終り、初夏の花へと入れ替わる、いわば端境期のような季節。

   だがウワミズザクラは白いブラシのような花をたわわに咲かせ、アズキナシはまるで雪が降り積もったかのよう

   に樹全体が真っ白く見える。

   今の季節の木の花は何故か白い花が多い。

   葉にゴマのような匂いがあるヒロハゴマギ(下左)。白い装飾花がアジサイのようなヤブデマリ(下右)など。




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   花とは不釣合いなほど大きな葉が特徴のオオイワカガミ(下左)は、もう今年の若葉を広げはじめていた。

   タニギキョウ(下右)の小さな白い花が、踏み潰されそうな道端に咲いている。

   花が開いていなければ、誰も気が付いてはくれないほどに小さな野草である。

   少ないけれど目を凝らせば、小さな花たちがほほ笑みかける。




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   茹玉子の黄身のような、やわらかいクリーム色のサンインシロガネソウは、季節的にはもう遅いのだけれど

   雪が遅くまで残っていた水辺で、まだいくつも小さな花を咲かせていた。

   少し上の斜面では、もうプロペラのような果実がたくさん稔っていた。

   別名をソコベニシロガネソウと言うように、小さな小さな花びらの元は赤紫色になっている。底紅という名前の

   ゆえんである。




   
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   画像はクリックすると大きくなります。

   撮影は2009年5月10日 福井県粟柄谷にて

   オマケ画像

   帰りの道すがら敦賀市敦賀海岸で海浜植物を。白い花はスナビキソウ。

   赤紫のハマエンドウやピンクのハマヒルガオが咲き出していました。


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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、こんにちは。
チャルメルソウの仲間に、雌雄異株があるなんてはじめて知りました。
雄花と雌花を並べた写真、違いがよくわかりました。
図鑑にも載っていないような、こういう情報を知ることができるのはBlogの良いところですね。
ところで、モミジチャルメルソウの雌株は、雄株に較べ数が少ないのでしょうか?
雌雄異株の草花の場合、(ちゃんと調べたわけではないですが)種類によらず雌株の方が少ないように感じます。
先日、タチシオデの花を撮影したのですが、雌花の方が極端に少なかったことを思い出しました。
nekoppana
2009/05/13 01:23
nekoppanaさん 今晩は。
モミジチャルメルソウの雌株はたくさんあります。今の季節ですと標高の低い所はすべて果実になっていますが、それが林立するようにたくさんありました。ただ果実が稔っているので雌株と判断できるのですが、花の時期ですと雄株の方が多いような気がします。雄花でも花粉を放出してオシベが枯れると、
雌花のような感じに見えるのですよ。そんなところから今までは雌雄同種と考えられていたのかも知れませんね。
花の季節でも、雌雄異株と思ってじっくり観察しないと違いに気がつきませんからね。
みかん
2009/05/14 00:51
みかんさん、こんばんは!

チャルメルソウといえば「コチャルメルソウ」しか見たことありませんが、日本には11種類もあるのですか?
チャルメルソウは早春にのみ関心を寄せ、花が多いこの時季にはあまり目を向けることがありませんが、こうやって植物の観察ポイントを教えていただくとまた探してみたくなるから不思議です(^^ゞ

浜辺の植物たちの奥行きある画像、私もこんな写真が撮れるようになりたいです!!
fu-co
2009/05/14 20:53
fu-coさん 今晩は。
関東地方ではコチャルメルソウだけですが、fu-coさんがアワガタケスミレを撮影されたあたりの沢沿いにはコシノチャルメルソウが咲いていたはずですけどね。種類が多くなるのは中部地方以西ですが、魚の骨のような花弁も種類ごとに微妙な違いがあって、なかなか面白い種類なのですよ。1種類をのぞくと、日本の特産種なんですよ。
みかん
2009/05/15 00:40
みかんさん、こんばんは。

自宅周辺はチャルメルソウのみですが、赤色、緑色です。
これは雌雄同株ですか〜詳しく見ていないのでわかりません。
虫眼鏡を持って観察してもわかるかしら・・・。
今は種になっているはずですね。覗いてみます。
かげろう
2009/05/15 01:57
みかんさん、こんにちは。

と言うことは、私のフィールド圏内にはモミジチャルメルがある可能性が高いですね。

我が家も畑の花壇には、谷あいからの小川が流れていて、岩の部分にチャルメルソウはたくさん咲いていましたが・・・。

探す楽しみが増えました。
葉に艶があるようですね。

お仲間さんに、このページを見せました。
記憶の中にあるようなと言いますが、何しろ広いフィールド内。
記憶がはっきりしないようです。
いい物を見せていただきました。
がんばって見つけようと思います。

チャルメルソウは、よく見かけますが、モミジチャルメルと同居しますか?
サンインシロカネソウがまだ咲き残っているのですね。
今年は雪が少なく、早い時期に咲きました。

私も先日2回ほど海岸に行きました。ハマエンドウ、ハマボッス、ハマヒルガオ等など。
今年はハマヒルガオの花の奇形がよく見られます。
昨年までこんなの有ったかなと・・・・花びらが細かく分かれているのです。
さなえ(花の庵)
2009/05/16 15:27
みかんさん、こんばんは。
私はモミジチャルメラソウの存在すら知りませんでした。(^^;)
雌雄異株なのですね。
他のチャルメラソウの仲間もやはり雌雄異株なのでしょうか。
今度山に入ったときに確認して見たいと思います。(^^)
色々お勉強させていただき楽しみに拝見しています。
アザミの歌
2009/05/16 20:49
申し訳ございません。
モミジチャルメルソウの事をモミジチャルメラソウと間違えてコメントいたしました。
間違えた思い込みで頭に入っていたようです。(大汗)
そそっかしいので時々このような覚え方をしてしまって恥ずかしいです。(^^;)
アザミの歌
2009/05/16 20:53
かげろうさん おはようございます。

モミジチャルメルソウ以外はすべて雌雄同株です。
みかん
2009/05/17 10:20
さなえさん おはようございます。

チヤルメルソウとモミジチャルメルソウは一緒に生えていることも多いですよ。チャルメルソウがぽつぽつと生えるのに対して、モミジチャルメルソウはどこに生えても群生することが多いので、とても目立ちます。
さなえさんのエリアの山中では、どこかでお目にかかれると思います。福井と滋賀の県境周辺、福井と京都の県境周辺の山の沢には多いと思います。
みかん
2009/05/17 10:26
アザミの歌さん おはようございます。
チャルメルソウの仲間は、モミジチャルメルソウ以外はすべて雌雄同株です。
雄花と雌花が別々にあるのではなく、両性花なんですね。
花のアップをルーペで見ると、また違った面白さを発見できますよ。
みかん
2009/05/17 10:33

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