みかんの花日記

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zoom RSS マングローブ

<<   作成日時 : 2009/03/15 10:12   >>

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   マングローブというのは、ひとつの植物につけられた名前ではない。

   海水と真水が交じり合う、汽水域の泥湿地に発達した植物群の総称名である。

   満潮時には根元が海水に浸かり、干潮時にはその根元が露出する。

   潮の干満の影響を受ける河口域に発達する。

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   海の中から木が生えているような満潮時の景観は、初めて見た人はビックリするかも知れない。

   日本でマングローブが見られるのは屋久島以南だが、沖縄から南西諸島にかけては、随所でその姿を

   目にすることができる。

   マングローブの主体となるのは、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの3種類である。

   その他に下の画像のように背丈の低いヒルギダマシやハマザクロ、サキシマスオウなどがある。

   
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   マングローブは本来、熱帯から亜熱帯に分布の中心がある。

   分布の中心は東南アジアである。日本は分布の北限にあたる。

   日本では最も北に位置するのは鹿児島県喜入町のメヒルギだが、ここはもはや自然の状態ではなく

   保護されてかろうじて生きているような状態である。

   マングローブと聞いて、少し知識のある人なら、下の画像のような姿を思い浮かべるのではないだろうか。

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   このタコの足のような支柱根を伸ばすのはヤエヤマヒルギである。

   支柱根というのは、木が倒れないようにつっかい棒の役目をしている根である。

   満潮の時でも、水面より高くタコの足のようになっているのは、呼吸をするためで、支柱根は呼吸根の

   役目も持っているのである。

   メヒルギ(下左)やオヒルギ(下右)は、それぞれまた違う形をしている。

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   メヒルギは木が大きくなると画像のような板根が発達する。

   オヒルギが最も陸地で見る木の根に近い形かも知れない。

   上の右画像と同じオヒルギが、満潮になると下の画像のような状態となる。

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   これでは息ができなくなる。そこでオヒルギは、息をするための呼吸根を出す。

   それが右画像である。

   クリックして大きな画像にすると、後方の海の中に3つほど呼吸をしている状態も見えるが、手前にぼこぼこと

   連なるひざを折り曲げたような根がある。これが呼吸根である。

   満潮になっても一部は水上に飛び出して息をしているのである。

   人間が海に潜る時、シュノーケルで呼吸をするが、呼吸根はそれと同じ役目と考えるとわかりやすいだろう。

   ここでオヒルギの生活を見てみよう。

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   左画像のように群生して、右画像のような山裾の泥湿地に広い群落となって広がる。

   高さは6〜8メートルくらいのものが多い。

   マングローブは汚れた水を浄化するほか、護岸の役目もはたしている。

   ところが近年、西表島では異変が起きている。

   枯れ死するオヒルギが多いのである。

   原因は山から流れ出た土砂によって呼吸根が埋まってしまうことによる。

   呼吸根が土砂に埋まってしまうと、オヒルギは息ができなくなり枯れ死してしまうのである。

   自然豊かに見える西表島でも、人災による危機が静かに忍び寄っている。

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   オヒルギは別名をアカバナヒルギという。

   右画像のように、つぼみの時は赤い色がよく目立つ。

   この赤い部分は萼である。

   花が咲いた時も赤い萼片がよく目立つのでアカバナの名があるが、花弁は黄色い。

   下の画像を見ていただこう。

   左が咲いた花、右が果実である。

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   花が咲いた後、萼の真ん中から少しずつ伸びだした種子は、1年をかけて長さ15センチほどに成長し

   親指ほどの太さになる。

   ヒルギの仲間はすべてそうだが、種子は木についたまま発芽する。

   そのため胎生種子と呼ばれる。

   樹上で発芽した種子はスポッと抜け落ちて、海水によって運ばれて分布を広げる。

   
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   多くの日本人が、樹木には年輪があるものと思い込んでいる。

   四季の変化がはっきりしている日本の樹木には、1年ごとの成長の輪、年輪がある。

   だが、マングローブは木でありながら年輪がない。

   マングローブに限らず、熱帯雨林などに生える樹木は年輪のないものが多いのである。

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   波によって分布を広げたオヒルギは、やがて定着し、長い年月の末にマングローブ林を形成する。



   太古の昔、植物は海で生まれ、陸上を目指した。

   陸上を占拠するように茂った植物達は繁栄の栄華を極めた。

   マングローブは海から陸を目指した植物が、再び海を目指している姿だと考えられている。

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   画像はクリックすると大きくなります。

   撮影は沖縄県西表島で。2008.2.1〜2008.2.8

   今年はメヒルギにはほとんど果実がついていないなど、明らかに異変が見られた。
   浦内川のオヒルギは随所で枯れている木が目立つ、など水の汚染も含め
   深刻な事態が進行しているような気がする。
   杞憂であることを願うばかりである。







   今回のオマケ画像

   マングローブの中で咲いていたハマジンチョウ。

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   マングローブ林近くに多いナンテンカズラ

   葉がナンテンの葉に似ているところからの命名、枝にはトゲがある。

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
アカバナヒルギの胎生種子が一年をかけて成長するとは思っても見ませんでした
やっぱり南国の花たちは、南国の生き方をしているのですね
今回もみかんさんのお話には目からうろこですね。
風月螢
2009/03/15 22:02
風月蛍さん こんにちは。
マングローブは木に果実がついたまま発芽するので、熟すまでに時間がかかるのだと思います。スポッと抜け落ちた段階で、すでに先端は芽が少し伸びています。波間に漂いながら分布を広げるのですが、果実の比重は一定ではなく、あるものは親木から1メートルの距離に、あるものは親木から10メートルの距離に、というように綿密な計算がしっかりとインプットされています。
みかん
2009/03/16 11:58
世界遺産に指定される前の屋久島で見たのは確か板のような根っこだったからメヒルギかヽ(´ー`)ノ
昔の記憶が・・・・・脳細胞が段々減っている
アライグマ
2009/03/16 21:01
私が、西表島でマングローブを見たのは25年以上前で、そのときのまま、私の記憶の中の西表島は、時が止まっています。
マングローブの干潟を歩いて、ピナイサーラの滝を見に行った浦内川ですが、オヒルギが枯れ始めているとは。昔とは様子が変わってしまっているのでしょうか?

やっとブログの頭から、読み終えました。
大急ぎで、駆け足で読みましたが、昨年の8月2日、私も同じ日に伊吹山に行ったので、ニアミスだったのか!と驚きました。
多分、私も、カシャカシャとせわしなく写真を撮って歩いていた一人です。デジタルになって、じっくり三脚で撮ることが減ってきました。明らかに、フィルムの時より、数撃っています。反省。
ほととぎ
2009/03/16 23:57
アライグマさん おはようございます。
屋久島のはメヒルギで正解ですよ。規模こそ小さいもののマングローブがわずかに見られますよね。日本にある3種のヒルギの中で、いちばん寒さに強いのがメヒルギです。
みかん
2009/03/17 08:49
ほととぎさん おはようございます。
25年前と比べたら、あまりにも違いすぎて、今現地を訪れたら、きっと浦島太郎の気持ちになりますよ。ガッカリすることの方が多いと思います。
昨年の伊吹山は、私もほととぎさんのホームページを拝見して、アレッ同じ日に行ってたんだ、と思いましたよ。
みかん
2009/03/17 08:55
みかんさん、こんばんは。
今頃は中国・四川省の花散策かと思いました・・・。

南の国の樹木・・・マングローブの中で染色になるものは??
遠い南の国は平和ではないのですか。
この暑さ、寒さの繰り返しで風邪さんと仲良し(グスュン・・咳もつらい)
あーちゃんは2泊3日でショートスティをお願いしました。
ナンテンカズラの花はジャケツイバラに似ていますか?


かげろう
2009/03/17 22:56
南の植物は見た事の無いものばかりなので、勉強させていただきます。

みかんさん、ちょっとこのBlogお借りします。
実は17日〜19日に岡山、広島、島根と廻ってきました。
18日に思いがけず、かげろうさんにお会いしました。素敵なフィールドを案内して頂きました。(かげろうさんのBlogには書き込みが出来ないのでこちらをおかりします)

>かげろうさん

思いがけず、お会いできびっくりするやら、うれしいやら。
お忙しいところ案内して頂きありがとうございました。
あれから三瓶温泉に泊まり、昨日は立久恵峡をを散策し、無事帰宅しました。
念願のユキワリイチゲ、イズモコバイモを見られ満足して帰ってきました。
やまそだち
2009/03/20 08:22
かげろうさん おはようございます。
もう風邪は治ったようですね。イズモコバイモも花盛りのようで、いよいよ春本番に突入のようです。
ナンテンカズラはジャケツイバラと同属ですから、花の感じは似ていますが、ジャケツイバラほどゴツイ感じではありません。今頃はたぶん花盛りになっていることでしょう。
みかん
2009/03/20 08:49
やまそだちさん おはようございます。
収穫の多い3日間だったようですね。早春の花を堪能されたようで、うらやましいです。偶然にかげろうさんにもお会いしたとのこと、きっと楽しい散策だったことと思います。ボタンネコノメやトキワイカリソウなども見ることができたのでは、と思っています。ブログで拝見できるのを楽しみにしています。
みかん
2009/03/20 08:56

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