みかんの花日記

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zoom RSS 晩秋を歩く  知多半島

<<   作成日時 : 2008/12/15 11:14   >>

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   暖かい知多半島の里山は、師走の声を聞いても、まだまだ晩秋といった風情である。

   雑木紅葉はまだ随所で見ることができる。

   12月10日、雲ひとつない快晴。

   前日の天気予報は、この日の気温は名古屋で18度、10月頃の陽気と報じていた。

   知多半島は名古屋よりさらに気温が1〜2度高いのが普通である。

   寒いの大嫌いのみかんだが、家にこもっている手はない。

   お気に入りのいつもの場所に出かけてみた。

   
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   雑木林の下の道は、カサコソと落ち葉の鳴る道である。

   イロハモミジやコナラの葉が山道を被い隠すように散り敷いている。

   それでも梢を見上げれば、樺色に色づいたコナラは、青空を背景に

   見事なまでの男振りである。

   根元には早くもマンリョウの赤い実が輝いている。

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   今の季節は赤い実がよく目立つ。

   林縁に藪を作って垂れ下がっているのはヒヨドリジョウゴ

   この実を見つけるとつい側に寄って写真を写したくなる。

   今頃の季節の中では格好の被写体になってくれる。

   まだうっすらと黄色に色づいた葉の陰で、まるで宝石のような輝きを見せている。

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   腰を低くして、空に向かってケイタイを構えていると

   まるでアーチのように茂った枝先に、赤く色づきはじめたノイバラの小さな果実にも気がついた。

   派手な色のヒヨドリジョウゴの果実と比べたら、ノイバラのそれは

   あまりにも渋い赤である。

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   ヒヨドリの声がけたたましく響く。

   ここには毎年ビナンカズラの実がたくさん熟し、鳥達の貴重な冬の餌場になっている。

   もっと遅い時期になると、ぶつぶつとした赤い果実のひとつひとつは、かなり鳥達に食べられてしまうが

   今は、遠くから眺めてもたくさんの果実がぶら下がっている。

   木の下には小さな流れがあり、少し深い崖になっている。

   そこに明らかな人の踏み跡があった。

   その踏み跡は、どう考えてもビナンカズラを写すために降りた、としか考えられない踏み跡だった。

   私の他にもここを被写体のフィールドにしている人がいるらしい。

   その踏み跡にそって私も降りてみる。

   びっしりと果実はぶら下がっているのだが、望遠レンズがないケイタイのカメラではこれが限度。

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   ビナンカズラを写し終えて崖を登ってくると、そこにも渋い果実が口を開けていた。

   裂開して黒い光沢を放っているのはタンキリマメの果実。

   果実の鞘が赤い頃はまだ人目もひくが、ここまで季節が進んでしまうと目立たなくなる。

   そのすぐ側にはヘクソカズラのつるも絡んでいた。

   まだ葉も残っているが、ヘクソカズラは冬にはカラカラに乾燥して、果実は翌春まで残っている。

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   私のお気に入りのこの里山は、なだらかな丘陵地で、雑木林に囲まれるようにして水田が広がる。

   すぐ側には知多半島の先端に向かう名鉄電車が山間を走っている。

   水田といっても山の中の小さな水田で、平野部の広い水田とはかなり雰囲気が異なる。

   細々と、だが大切に耕作が続けられている。

   緩やかな山の斜面に作られているので、段々畑というほど大袈裟ではないが、ゆるやかな傾斜がある。

   水田の面積は、ひとつひとつがそれぞれに違う小さな水田である。

   機械で耕作するような面積ではなく、昔ながらの手作りの耕作が続けられているのではないかと思う。

   水田に残された藁ぼっちが、それを物語っているかのように見えた。

   
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   水田の土手には早くも春の花が咲いていた。

   背中が汗ばむような陽射しの中で、ハハコグサの黄色の花が、あちらにもこちらにも咲いている。

   よく見れば白いタネツケバナも黄色いノゲシやオオジシバリの花も咲いていた。

   寒さの中の間隙を縫って咲く春の花だが、やはり季節は12月。

   どの花も寒さを用心するように咲いていて、春のような伸びやかさはない。

   すぐ側の土手には、真っ赤に紅葉したホラシノブがあって、やはり冬なんだと実感する。

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   それにしても空が青い。

   思いきり伸びをしたくなるような青空だ。

   青空の中に林立するかのようにドライフラワーをかざしているのはノリウツギの花がらだ。

   装飾花が華やかだった名残りをいまだ留めている。

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   知多半島は山の斜面から滲み出す水が豊富である。

   山間に作られた水田はそれらの水を利用している。

   だから水湿地に生える植物も多い。

   水田が放棄されると、真っ先にガマが侵入してくる。

   ガマがまとまって生えている場所は、ため池のほとりか、放棄された水田跡地であることが多い。

   ソーセイジを串に刺したようなガマの穂も、茶色から色あせて、今では白っぽくなっている。

   すでにモコモコとした穂綿が風に旅立っているものもある。

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   放棄された水田が知多半島でも増えつつある。

   ガマやアシやセイタカアワダチソウなどが茂る水田跡地は、見ているとなんだか寂しくなる。

   数年前までは良く手入れが行き届いていた水田が、セイタカアワダチソウのジャングルに変わり

   一面に白い穂綿が風になびいている姿は、なんとも悲しい。

   あんなにこまめに草刈りされていた水田への道が、今ではつる草に足をとられるほどに変わった。

   農業に携わる人の高齢化が取り沙汰されるようになって久しい。

   この山間の小さな水田を継ぐ後継者もいなかったのだろうか。

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   ガマやセイタカアワダチソウの穂綿は、晩秋の光りの中で輝いている。

   また、アシやススキが逆光に輝く姿も、やはり美しい。

   だが、その風景の後ろに見えている現実に思いを馳せていると、なんだか悲しくなる。

   植物を見つめることもまた、今の世の中を垣間見ることなのかも知れない。

   下の左画像はアシである。水田脇や河川敷などの水辺に好んで生える植物で、縦横に張り巡らした根っこで

   水を浄化するなど、人間にとっては有益な面も持っているが、ひとたび水田などにはびこると、駆除の厄介な
   
   害草となる。

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   アシのことをヨシとも呼ぶように、いつも人間は勝手な解釈をしてきた。

   アシ(葦)という名前は、アシ(悪し)にも通じるので、反対語のヨシ(善し)と縁起をかついで呼ぶのである。

   アシとヨシは同じ植物なのだが、生半可な知識の人は別のものだと思い、中にはアシやヨシが生い茂る水辺

   などという、いい加減な表現にもよく遭遇する。

   あげ足をとるつもりはないが、植物の名前を書くからには正しい認識が欲しいものだ。

   水田の土手から水が滲むような場所には、知多半島らしい植物が越冬している。

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   土手を赤く染めているのはトウカイコモウセンゴケである。

   小さな触手を広げて土手に張りついている。

   この姿が冬の越冬状態なのだが、花の頃とそれほど違う形ではない。

   ただピンクの花が咲く頃は、周りの草が伸びるので、赤い葉はむしろ冬の方が目立っている。

   良く草刈りの行き届いた土手の先は、雑木林が続いている。

   その林の縁で下の画像のような光景を見た。

   
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   クリのイガが大きいところをみると、これは野生の山栗ではなく、栽培栗である。

   おそらく林縁に植えたクリの果実を採取した後に、イガだけをまとめて捨てたものだろう。

   その土手は日当たりが良く、いつも春先にはスミレがたくさん咲く場所である。

   たぶん返り咲きの花があるはず、と思いのぞいてみたら、案の定咲いていました。

   冬のスミレの花は、ぽつんぽつんと淋しげに咲くことが普通だが

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   なんとここでは、春の姿と変わらぬような見事な咲きっぷり。

   今からこんなにたくさんの花を咲かせてしまって大丈夫だろうか、とこちらが心配するほどに

   たくさんの花を咲かせていた。(その数およそ30〜40輪ほど)

   シハイスミレが今の季節にこれほどたくさんの花を咲かせるのは珍しいかも知れない。

   冬のスミレといえば、良く帰り花を見るのはタチツボスミレやコスミレなどが多く、シハイスミレは少ないと思う。

   その土手に刈り残されていたマンリョウの木も見事だった。

   女性の腕の太さくらいはある大木。

   ここでも鈴なりの実をつけていた。

   
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   あちこちに寄り道しながらの散策が続く。

   ともかくうららかな良い天気で、小春日和というより、春近し、を思わせるような晴天。

   ほとんどの植物が枯れて、種子がほうけるような季節なのに、まだ秋の花が残り、すでに春の花も咲いている

   という不思議な季節の狭間。

   ひらひら、ひらひらと舞っているのはキチョウだろうか、黄色の蝶が優雅に舞っていたが、やがて

   コシダの陰に隠れるように止まった。

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   デスクワークから離れて、気分転換のための散策

   それもわずか3時間ほどの短い間の・・・・・

   相棒が迎えに来てくれる約束の時間が迫ってきた。

   約束の駐車場に向かって急ぐ私に、まるでさよならの手を振っているようにススキがなびく

   
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   すっかり枯れてしまったアキノエノコログサが、逆光の中で光る

   とうに命の営みを終えているのに

   まるで生命が宿っているかのように輝いて

   晩秋の太陽は、ほんの一瞬、そんな幻影を見せてくれた。

   
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   長くなってしまいました。最後までお付き合いいただきありがとうございます。

   撮影は2008.12.10 愛知県の知多半島で。
   
   クリックすると画像は大きくなります。大きな画面で散策気分を一緒にお楽しみください。

   撮影はいつもの通りケイタイカメラですが、いちばん最後のアキノエノコログサのみデジカメです。

   次回、同じ場所での霜の朝、を予定。  

   

      

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
ははは(^▽^*)
自分で散歩しているみたいな感じがしてきた。
σ(^^;)もスミレを探しに行こうかなー
ヽ(´ー`)ノ
アライグマ
2008/12/15 17:23
知多半島はまさに晩秋ですね。
十分楽しませて頂きました。
こちらでも今年は暖かく、12月に入っても小春日和と言いたくなるような日が続いていましたが、昨日あたりから冬になってきました。
ただ,返り咲きはこちらでも目立ちます。

やまそだち
2008/12/15 18:12
こんばんは。

今年はやはり、戻り花が多いのですね。
私は京都北部ですが、戻り花の多さに驚いています。

台風の大きなのが来なかったせいか、実物も本当に綺麗でした。
サネカズラも綺麗なままです。

文章を読みながら、変わりなく荒れてきているのはいずこも同じなのかとの思いを深めました。

楽しげな散策でよかったことです。
さなえ(花の庵)
2008/12/15 19:27
アライグマさん 今晩は。
一緒に散歩している気分になってもらうのが狙いでした。
三浦半島も返り咲きのスミレは多いと思います。コスミレやタチツボスミレなら、たぶんすぐに見つかるはずです。
みかん
2008/12/15 20:07
やまそだちさん 今晩は。
知多半島ではタチツボスミレは稀で、そのほとんどがニオイタチツボスミレなんですが、何故かニオイタチツボスミレの帰り花は見たことがありません。やまそだちさんのブログでニオイタチツボスミレも返り咲くことがあるんだ、と
初めて知りました。
知多半島は今日も暖かい一日でした。
みかん
2008/12/15 20:16
さなえさん 今晩は。
京都の北部は冷え込みが厳しい印象があるのですが、今年はそんなに戻り花の数が多いのでしょうか?
知多半島はわりと暖かいので、今頃は春先に咲く多くの花がかなり見られます。レンゲの葉もかなり伸びていました。1月になれば花が見られます。
農業の後継者がいなかったり、高齢になったりすると、山間の水田はあっという間に荒れてしまいます。当地ではイヌセンブリやスイラン、リンドウなどが消えつつあります。
みかん
2008/12/15 20:27
知多半島をみかんさんのお供をさせていただきました。時には足を止めながら真っ赤なホラシノブやトウカイコモウセンゴケの赤は際立って輝いていますね。こちらではタチツボスミレの返り花をよく見かけます。最近お庭などのコウテイダリヤをあちこちで見かけます。流行でしょうか?コウテイダリヤも足を止めて見上げてしまいます。次回もお供よろしくお願いします。
ayaya
2008/12/16 18:09
ayayaさん 今晩は。
日当たりの良い場所では、今の季節スミレの返り咲きがよく見られますね。枯葉の中から咲く花は、春の花とは雰囲気が異なり、また風情があります。皇帝ダリアは寒さが厳しくなると咲き出し、おまけに高さが4メートルにもなるのでよく目立ちます。やはり流行なのでしょうね。関東以西の様々な県で目にするようになりました。我が家の周辺でもあちこちで咲いています。
みかん
2008/12/16 22:01
みかんさん、こんばんは。
パソコンが不調で、大事なものは今、移動中です。
山陰でもかげろう地は山の谷間ですから寒いです。草花も見当たりませんし、
お日様があたらない・・・・。
知多半島は暖かくていいですね。
山間の水田はセイダカアワダチソウで荒れています。
実際にかげろう地も今年は減反したところもあり、30アール強は荒れ放題です。米は40アールほど。でも回りはよその土地で荒れ放題です。
かげろう
2008/12/17 19:13
2日前に初霜となった千葉では,ヒヨドリジョウゴは,実だけが薄茶色に枯れたヤブで目立っていて,葉っぱなどもうすっかり落ちています。
やはり知多半島は暖かいのですね。
はるこ
2008/12/17 23:02
かげろうさん 今晩は。
パソコンの不調は困りものですね。大事な画像などが失われませんように。とても便利な機器であるだけに、万一の時は本当に困ってしまいます。
最近の日本は、特に山間部で放棄水田が増えている傾向にありますね。山からの湧き水があるような場所は、今でも貴重な植物が多く残っているのですけどね。食の自給率の問題だけではなく、山間部の水田が荒れてゆく姿を見るのは、ほんとうに辛いものがあります。
みかん
2008/12/17 23:55
はるこさん 今晩は。
知多半島は確かに暖かいのですが、さすがに師走です。ほんの数日で、今は大きく変わります。まだまだ人家の庭にはたくさんの花が見られますが、野生の花は随分少なくなりました。それでもホトケノザやノゲシが花盛りで、春のような場所もあるにはありますが。
みかん
2008/12/18 00:03

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