みかんの花日記

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zoom RSS 花紀行1  晩秋の平戸島 その2

<<   作成日時 : 2008/11/19 22:09   >>

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   平戸島では所々に画像のような狐色の草原の山がある。

   オガルカヤやススキなどの草やアキグミやヤナギなどの木が丈低く茂る草原である。

   かつては放牧が行われ、定期的に野焼きも行われていた草原。

   放牧が行われなくなった今も、野焼きは続けられている。

   1年に1度行うこの野焼きによって、色々な草花が見られる草原が維持されているのである。

   阿蘇や九重と同じように、この草原は天然自然のものではなく、

   人間が自然に介入したためにできた、言わば人工の草原である。

   野焼きを行わなくなると木が入り込み、長い年月の間には照葉樹林へと遷移してゆく。

   1年に1度行われる野焼きが、勢いの盛んな木の類を焼き尽くし、小さな草原の花々に、たっぷりと太陽の

   光りを与え、雨は焼かれた草木灰を肥料として、充分にその生育を助けるのである。

   牛馬が放牧されていると、排泄物や適度の攪拌によって、特に草丈の低い小さな植物達にとっては、

   まさに最高の住み家となる。

   草原の中に牛や馬達のための、水飲み場が設けられている。

   もう役目を果たさなくなったコンクリートの水飲み場は、雨水を溜めて、青い空と白い雲を写していた。

   そんな草原の中にオケラの花が、今を盛りと咲いていた。

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   すぐ側には、まだ瑞々しい色のヤマハッカが咲いていた。

   花期はすぎたものの、ヤマヒヨドリやサケバヒヨドリの花の残骸も残っている。

   ワレモコウの坊主頭が、わずかな風にそよいでいる。

   花の最盛期はすぎているのだが、まだ花を咲かせていたタヌキマメも見つけた。

   ススキの根元で最後の力を振り絞って咲いているかのようだった。

   
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   黄ばみはじめた草原で、今、最も目立つのは、やはりヤマジノギクだろう。

   花の色は淡い紫色だが、個体によって随分と花の色が違う。

   白っぽい花の株も目立つ。

   薄紫の花びらはいかにも晩秋を思わせる野菊で、あちらにも、こちらにも、といった感じに

   点々と生えている。

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   振り返ると、入り組んだ入り江が空の青よりも青く見える。

   海水が透明で、山の上から眺めると、その様子が良くわかる。

   透き通っていることが、はっきりと見てとれるのである。

   時々さわさわと吹き抜ける風が、汗ばんだ体には気持ちいい。

   今回のいちばんの目的は、シマシャジンの花を見ることだった。

   地元の花友達たちが、3年かけて、やっと探し当ててくれた貴重な花である。

   シマシャジンが咲きはじめた、というメールは1ヶ月も前にいただいていたが

   色々な仕事が重なっていて、すぐに飛んでくることができなかった。

   もう花期には遅いことは充分に承知していた。

   せめて残りの花でも見られれば、と考えていた。

   だが、

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   ご覧のように、まだ充分に鑑賞に値する花が咲き残っていてくれたのである。

   自生している場所は限られた狭い範囲なのだが

   少しでも花数の多い株を探して、斜面を上へ上へと、いつの間にか移動していた。

   なんとなくどんよりとしていて、雲行きが怪しいのだが

   幸いにして、ここにはそよとの風もない。

   ブレる心配もなく、安心してスローシャッターが切れた。

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   はじめて念願のこの花に対面した時、なんて濃い色をしているのだろう、と思った。

   ツリガネニンジンやサイヨウシャジンのようなブルー系の色を想像していたが、遠目には、明らかに

   紫色に見えたのである。キキョウやヤツシロソウのような赤味の強い紫色。

   そして、想像していたよりも、ひとつひとつの花が大きい。

   花友達が「ソバナのような感じですよ」と言っていた言葉に納得がいった。

   シマシャジンの特徴は、花冠からメシベの先が飛び出さないことである。

   そして萼は全縁、海岸に生える植物の常として、葉は厚く光沢がある。

   それらの特徴をひとつひとつ確認しながら、お弁当を食べる時間も忘れて、じっくりと撮影した。

   画像画像






















   上の画像の右は、シマシャジンの根生葉である。

   茎葉は細長く、縁に細かな鋸歯がある。

   初めて出会った貴重な花だけに、念入りに何度も何度も撮影した。

   ちなみに、このシマシャジンは長崎県の限られた場所だけに自生する絶滅危惧植物である。

   長崎県のレッドデータブックでは、最も絶滅の危険性が高いCRにランクされている。

   だが、環境省版では絶滅危惧1B類のENになっている。

   調査ランクの方法の違いと思えるが、私の知る限りにおいては、明らかにCRの状態である。

   シマシャジンの撮影に夢中になって

   この日、結局お弁当を食べたのは、午後も3時をすぎてからだった。














   次回、晩秋の平戸島、最終回につづく。
   
   長く引っ張るつもりはないのですが、感激したシマシャジンのことを書いていたら、ついつい長くなってしまいま

   した。ごめんなさい。

   画像はクリックして、大きくしてお楽しみください。



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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
シマシャジンということはツリガネニンジンの変種ですか。
ヽ(´ー`)ノ本当にソバナちっくな奴ですね。
アライグマ
2008/11/20 00:28
みかんさん、こんばんは!
シマシャジンの根生葉〜茎葉は細長く、縁に細かな鋸歯。
ゴメンナサイ。かげろうには良くわからないですが・・・。まるっぽい葉の側の細い葉ですか。
花の形は大山で見たソバナに似ていますね。
かげろう
2008/11/20 00:51
アライグマさん 今晩は。
早いですね。ツリガネニンジンの変種ではありません。独立種です。
学名はAdenophora tashiroiですから、ツリガネニンジン属ではありますが。
ランクとしてはツリガネニンジンと同等ということです。見る価値のある素晴らしい花ですよ。
みかん
2008/11/20 01:02
かげろうさん 今晩は。
根生葉と茎葉とは全く違うものです。画像の丸い葉が茎の根元に生える葉で、根生葉と言います。茎葉というのは花の咲く茎の途中につくもので、こちらの葉は細長く、縁にギザギザがあるということなのですよ。花は鐘形ですが、先端が広がり気味になるので、ソバナの花の形に似ていますね。
みかん
2008/11/20 01:15
みかんさん こんばんは〜
平戸の草原に咲く花、地元の皆さん達のお陰で沢山の草花が咲いてることを忘れてはいけないと思っています
先日も平戸で観察会がありました
今では放牧していない草原を、大切な草花が咲くのでとお願いして野焼きをしていただいているとの事でした
私が所属する会でもお手伝いに行くそうです
時々不思議に思う事があります
自然を壊しているのも人間なのですが、自然を守っているのも人間なんですよね
いっしい
2008/11/20 23:26
いっしいさん おはようございます。
花好きな人なら、誰もが願うことでしょうが、自然を壊す側の人間よりも、自然を守る側の人間でいたいですね。私はそもそも自然を守る、などということ自体が人間の驕りだと考えています。人間が自然に守られているからです。自然を敬い、尊ぶ気持ちだけは失いたくないと思っています。
みかん
2008/11/21 10:27
平戸の沢山の花々はすべて逢いたい花ばかりです。みかんさんのお陰で美しい花たちに逢えて感激しています。あまりに悲しい知らせに眠れず情緒不安定でしたが平戸の花に少し気力をいただきました。ありがとうございます。
ayaya
2008/11/21 19:25
ayayaさん 今晩は。
多くの人の心に、温かい花をたくさん咲かせてyasukoさんはあまりにも早く逝ってしまわれました。お気に入りの角島を案内してもらったり、秋吉台を一緒に歩いたことなど、様々な思い出がよみがえります。今近くに来ています、といきなりメールをもらって、驚かされたこともしばしば、楽しくて素敵な女性でした。今頃は天国のお花畑で、夢中で撮影しているかも知れません。悲しんでばかりいないで、yasukoさんが何よりも愛した野の花を、負けずに写していこうと思います。
みかん
2008/11/22 01:27
みかんさん、皆さん、お早う御座います。
天の風になったYasukoさんは今年、念願のイズモコバイモに会いに、友人と2人で来られました。数時間の中でしたが、イズモコバイモ、ユキワリイチゲ等他、かげろう地の草花で女3人、楽しい時間でした。秋にも来ていいかしら・・・。秋を楽しみにしていました。チビの私には羨ましいスマートで、素敵な女性でした。悲しんでいると主人が、「天国でカメラ抱えて草花を撮って楽しんでいるかも・・・」の言葉で、本当に、天の風になられたのだなぁぁ・・・と。
娘が脳内出血した時はご心配頂いたのに、何もしてあげられなかった事のみが・・・。本当は秋に又、お会いしたかったです。
かげろう
2008/11/22 11:01
かげろうさん こんにちは。
当地は今日も良い天気です。人との出会いも、花との出会いも一期一会ですね。大事にしなければと思います。これからは寒さが一段と強くなる季節です。あーちゃんのためにも風邪などひきませんように。
みかん
2008/11/23 12:57

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