みかんの花日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 紅いソバと白いソバ

<<   作成日時 : 2008/10/21 08:47   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 6

画像画像




















   ソバの花といえば、普通は白である。

   ところが最近は紅い花が咲くソバが作られはじめている。

   新蕎麦の季節は、蕎麦好きにとって心がウキウキと弾むものである。

   今年はどこで最初の新蕎麦を食べようか、などと迷ったりもする。

   また蕎麦通を自認する人は、一家言を持っている人が多い。

   かっての蕎麦は貧栄養の地に育つ貧しい食べ物であった。

   決してご馳走などではなかったのである。

   ところが時代が変わって、グルメなどと称する輩が出てくる今の時代は

   蕎麦は高級品ではないが、贅沢品になってきた。

   自分のお気に召す蕎麦屋を探し求めて、日本全国を旅する食通も多い。



   ソバはどんなに痩せた土地でも育つ貴重な穀物である。

   山を切り開き、焼畑にし、最初に播種するのがソバである。

   山村や寒村のイメージと結びつくソバは、日本がまだ貧しかった頃の名残りであるかも知れない。

   ソバは日本に昔からあるので、日本原産と勘違いしている人も多いが、原産地は中国の雲南省あたり

   とするのが有力の説である。

   日本には朝鮮半島経由で、すでに万葉の時代8世紀頃にもたらされていた。

   
画像







   真っ白く一面に咲くソバの畑は、やはり山間部で見ることが多い。

   ソバは種子を蒔いてから2ヶ月ほどの短期間で収穫できるので、日照量の少ない山間部での栽培に向いて

   いるのである。

   ソバはタデ科ソバ属に分類される。

   ソバの学名Fagopyrumはギリシャ語のphagein(食べる)に由来する。

   また、三角形のソバの実は、ブナの実にも似ているので、ブナ(fagus)に由来するという説もある。

   今や世界各国で生産されている。

   日本の自給率は極めて低く、多くは中国、カナダ、アメリカなどからの輸入に頼っているのが現状である。

   日本のソバの約8割が輸入物なのである。

   信州ソバなどと銘打っていても、ソバ粉は輸入品、という例は非常に多い。

   画像






















   日本で昔から栽培されてきたソバの花は白い。

   だが、最近は花が美しい紅い花のソバの畑を見ることが多くなってきた。

   今年は去る9月27日に第1回紅そばサミットも開かれている。

   紅い花の咲くソバはネパールなどでの高地で栽培されていた。

   収穫量が少なく、白いソバと比較すると3分の1程度の収量しかないという。

   この紅い花が咲くソバに目を止めた一人の日本人学者がいた。

   信州大学名誉教授の氏原暉男である。

   ヒマラヤ山麓の標高3600メートルに位置するネパールのムクティナート

   彼の目の前には、とてもソバの花とは思えないようなピンクの絨毯が広がっていたのである。

   
画像






   このソバを日本に持ち帰りたい。信州大学農学部で教授として穀物の栽培や品種改良に従事していた
 
   氏原は、そう強く心に思った。

   1986年、ネパールから持ち帰った紅い花のソバの試験栽培をはじめる。

   だが、なかなか現地で見たような美しい色が出ない。民間企業のタカノの協力によって、試行錯誤を繰り返し

   ながら、紅い花のソバの栽培が続く。

   薄いピンクの花の中から、時により強い色の花が咲く。それらを選抜育種しながら、数年間が過ぎる。

   画像






















   様々な環境条件を調べて行くうちに、より花の色が濃くなる条件は、昼夜の温度差が高いことに気がつく。

   こうしてネパールのソバより花の色の濃い品種「高嶺ルビー」を作り出すことに成功したのである。

   ネパールのような標高の高い場所でも育つところから高嶺を、宝石のような赤い輝きからルビーをとって

   「高嶺ルビー」と命名したという。

   1993年1月18日農林水産省より正式な登録品種として認可される。(品種登録3347号)

   画像画像






















   こうして日本に登場した紅いソバは、長野県をはじめ、日本各地の山間部で栽培されるようになった。

   そば粉を取るため、というより、村おこしや町おこしのための景観的な要素として利用している所が多いよう

   な気がする。

   見て楽しめ、食べて楽しめるのは結構なことである。

   だが、気をつけなければいけないことがある。

   ソバは典型的な自家不稔性の植物である。他花受粉しなければ実が稔らないのである。

   紅い花のソバと白い花のソバが、自然交雑する可能性が極めて高いのである。

   美しいからといって、やみくもに紅い花のソバを栽培すると、将来とんでもないことになる。

   紅いソバの栽培は、くれぐれも慎重に、と釘をさしておきたい。

   画像画像



























   画像はクリックすると大きくなります。
   大きな画面で臨場感を楽しんでください。
   白い花のソバは愛知県四谷の千枚田で2008.10.9撮影
   紅い花のソバは長野県箕輪町で2008.10.13撮影

   文中、敬称は略させていただきました。

   
















   

   

   

   



   

   

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、こんばんは!
今年から15アール減反した所があるので、この赤いソバの花の種でも撒こうかしら・・・と考えましたが、とんでもない事になると・・・止めたほうが良い見たいですね。何故なら、シャクチリソバが近くに広がってつつあります。これと交配したら・・・・??。
簡単に考えたらダメですね。
かげろう
2008/10/21 18:50
蕎麦好きで,山形蕎麦ツアーなるものを開催したりした,蕎麦の好みはウルサイ私です(硬い田舎蕎麦が好き)。
数日前に,テレビで赤い蕎麦畑の映像を見て,解説を聞き「え,見るだけ? 食べないの?」。
蕎麦にしろ,稲にしろ,食文化で持ち込まれる植物は,そうそう繁殖しまくらないけど,慎重を期するに超したことは無いでしょうね。
茨城あたりで食べられる,青い新蕎麦,とやらを一度食してみたいと毎年うずうずしています。

はるこ
2008/10/22 20:18
4年前にネバールのジョムソンに行きニルギリ、ダウラギリを身じかに見て、空港の近くの畑ににて赤い蕎麦のジュタン畑を見ました。そこからカクベ二村迄トレッキングマルファ村でリンゴを日本人が教えて沢山のリンゴが実って居ました。リンゴ酒、乾燥リンゴが売られていました.その後日本でも見る機会が多く成った様に思います。最近の健康ブームのダッタン蕎麦とは赤い蕎麦からの物ですか?? 新蕎麦の時期ですね。安くて美味しい山形の蕎麦街道にでも食べに行こうかしら!!! 
うなこ
2008/10/22 22:33
かげろうさん こんにちは。
やっと雨が上がったようです。これからは一雨ごとに秋が深まっていきそうです。今年は見事な紅葉を見ないうちに秋が終わってしまいそうです。花を見にはちょくちょく出掛けているのですが。
みかん
2008/10/24 13:10
はるこさん こんちは。
今年はまだ新蕎麦をたべていません。この前、戸隠に行った時に友人を案内してお気に入りの蕎麦屋に行ったのですが、時間が遅く、ちょうど店を閉めたところでした。日本一美味しい蕎麦を食べさせてあげる、なんて言った手前、引っ込みがつかなかったです。長野県には日本で1番目と2番目にウマイ蕎麦屋
があります。3番目は北海道、残念ながら山形県ではみかんのランクに入っている店はありません。色々な店の蕎麦を味わってはいるのですけど、今年の山形では蕎麦ならぬ、冷やしラーメンなるものを蕎麦屋で食べました。
みかん
2008/10/24 13:19
うなこさん こんにちは。
赤蕎麦とダッタンソバは全く別のものです。健康ブームのせいか、最近は苦味のあるダッタンソバが人気のようですが、テレビの影響もあるみたいです。
ネパールの一面の紅蕎麦畑は素敵ですね。特に周りの高い山々を背景に咲くピンクの絨毯は見事ですよね。日本の高嶺ルビーとは、また違った雰囲気です。
日本の紅蕎麦は今後、作付面積が増えてゆくと思います。観光資源として導入する気配は濃厚ですね。
みかん
2008/10/24 13:28

コメントする help

ニックネーム
本 文
紅いソバと白いソバ みかんの花日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる