みかんの花日記

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zoom RSS 秋の七草A  キキョウ

<<   作成日時 : 2008/10/15 23:24   >>

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   今の季節の感覚で言えば、キキョウは秋というより夏の花である。

   最も旧暦の立秋は8月8日頃だから、あながち違っているとも言えないけれど。

   品種改良された丈の低い園芸種などは、花屋の店頭に6月頃から鉢植えが並ぶ。

   秋に咲いているものの多くは、脇芽が伸びて花を咲かせた2番花、3番花のことが多い。

   ススキ草原ではお馴染みの花だが、茅場が少なくなって、今では野生のキキョウは貴重品になってきた。

   蛇紋岩地などでは、今でも見かけることは多いが、蛇紋岩地そのものが日本には少ない。

   絶滅危惧種に指定されるほど、今では貴重な植物になってしまった。

   かつては日本のどこにもあって、里山の花として親しまれていた。

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   万葉集の中で、山上憶良は秋の七草の最後にこのキキョウを持ってきている。

   元歌では最初に「秋の野に咲きたる花を指折りて かき数ふれば七草の花」と歌い

   次に「芽子が花、尾花、葛花、瞿麦の花、女郎花また藤袴、朝貌の花」と歌っている。

   芽子(はぎ) 尾花(すすき) 葛花(くず) 瞿麦(なでしこ) 女郎花(おみなえし) 藤袴(ふじばかま) 

   朝貌(あさがお)  問題は最後に出てくる朝貌である。

   私たちは朝顔と聞くと、夏の早朝に咲くアサガオを先ず思い浮かべる。

   だが、万葉集で歌われている朝貌はアサガオのことではなく、キキョウである、というのが定説である。

   その根拠は下の理由による。

   万葉集が編まれたのが8世紀のことである。

   アサガオは熱帯アジアの原産で、日本には平安時代にもたらされた。

   8世紀の万葉集の時代にはまだ日本に渡来していなかったのである。

   キキョウは北海道から沖縄まで、日本全土に分布する。

   
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   キキョウの根っ子は乾燥させ、生薬として利用される。桔梗根と呼ばれ、鎮咳、去痰、解毒作用があり、

   漢方では重要な生薬のひとつである。その多くは日本産のものではなく、お隣の中国や韓国産が利用されて

   いる。キキョウは日本だけではなく、朝鮮半島から中国、シベリアと広く分布している。

   きわめて日本的な草姿だか、中国の山野で見るものもロシアの草原に生えるものも、まったく日本で見るもの

   と同じ姿、形をしている。

   キキョウは身近な植物であったために詩歌に歌われ、また、家紋の柄としても色々に採用されている。

   本能寺の変で有名な明智光秀の家紋は、淡い青色の水色桔梗である。

   キキョウ咲くときぽんといひそうな、と歌ったのは加賀千代女だったか、ふくらんできたつぼみは風船のようで

   咲くときはまさに、ぽんと音がしそうな雰囲気である。

   発想は万国共通であるらしく、キキョウの英名はバルーンフラワーという。

   キキョウの学名Platycodon(プラティコドン)は「広い鐘」という意味。

   5枚の花弁が合着したその花の形からきている。

   秋の草原を彩っていたキキョウの花も、そろそろ凋落の季節を迎える。

   ひんやりとした草原の草紅葉も、そろそろ枯れる頃だろうか。


   

   

   












   キキョウの花は3枚とも長野県菅平で2008.8.23に撮影。
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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
どーーーも
σ(^^;)がキキョウを見たのも同じ場所だな。
今年は今月の3日に他で実だけ見ているけど。
キキョウ科の花は、いかにも日本の花というイメージですね。
アライグマ
2008/10/16 16:59
みかんさん、こんばんは!
キキョウは園芸種が沢山出ていますが・・・。こちらでは中国山地に行かないと
自生は見れません。「日本のどこにもあって、里山の花として親しまれていた」
何故消えたのでしょうか?土地のせい?それとも漢方薬として使用された?
リンドウの自生はこちらでも僅かに残っていますが・・・。
かげろう
2008/10/17 21:17
アライグマさん おはようございます。
菅平のキキョウも今は黄色く紅葉している頃でしょうね。先日、キキョウを撮影した同じ場所に出かけた友人から、ウメバチソウが終わり、今はセンブリが花盛りだ、との連絡がありました。榛名も花の多い所ですね。ユウスゲが咲く原にはキキョウも多いですね。今年は出かけられませんでしたが、アライグマさんのブログで楽しませてもらいました。この白抜きの文字は読みにくいですね。ご勘弁を。
みかん
2008/10/18 07:17
かげろうさん おはようございます。
日本海側の海辺は、まだまだ花が楽しめますね。ハマベノギクの色の濃い個体は素敵でした。我が家の庭のハマベノギクは、もう何年も前からずっと自然に更新を続けていますが、花はほぼ終わりました。今はソナレノギクが花盛りです。毎年、タネだけは蒔いています。
みかん
2008/10/18 07:22
我が家の庭にもキキョウがあります。
ものすごい繁殖力で,頑丈で,キレイで…自生のキキョウが少なくなる理由が,
環境ごとごっそり変えてしまう人間のせいなのか,なんなのか,不思議です。
自生のキキョウは,青森県八戸市の海岸草原で10年以上前に見たきりです。
その後,八戸でも見ていません。
この旺盛な繁殖力を利用して,夏のキキョウ散歩道とかを造るといいのに,
と,「コスモス街道」のニュースを見るたびに思う私です。
はるこ
2008/10/20 23:09
はるこさん おはようございます。
キキョウは栽培すると確かに増えますね。対馬などでも海岸で咲いているキキョウを見ました。少なくなっているいちばんの原因は、ススキ草原の減少だと思いますね。定期的に草刈りされていたススキ草原は、日本からほとんど姿を消しました。かろうじて残っているのがスキー場くらいなのですが、そのスキー場も最近はブルで土をかき、外来の牧草などを蒔くので、青息吐息です。
日本の山村から馬や牛の姿が消え、茅葺き屋根が消え、ススキは全く利用されなくなりました。キキョウの減少は、そのことと関連しています。
みかん
2008/10/21 08:26
博物館に展示されるような屏風に、日本古来の野草が描かれていて感心しましたが、古の人々に愛されてきたススキや桔梗、葛、竜胆、萩など繊細な美しさを持つ植物が消えてしまうかもしれない状況は、心が痛みますね。残念なことに現実には危機感がないように思えます。
azami*
2008/10/22 00:12
azami*さん 今晩は。
残念ながらキキョウが絶滅危惧植物だということを知っている人は少ないと思います。花屋さんや寺院の庭などではお馴染みの花ですし、万葉植物園などでもたくさん植えられているからだと思います。自生のキキョウがいかに大切かを、もっとたくさんの人に知って欲しいですね。
みかん
2008/10/22 19:55

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