みかんの花日記

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zoom RSS クロユリ

<<   作成日時 : 2008/05/29 11:35   >>

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   クロユリの花に対して、あなたはどんなイメージを持っていますか。

 


   神秘の黒い花、それとも天上に咲く高山植物、あるいは恋の花、それとも怨念の花

   黒い花、というのは少ないだけに何かと話題になる花でもある。

   実際にクロユリを見たことがない人でも、黒百合という名前は知っていることが多い。


   黒百合は恋の花  愛する人に捧げれば

   二人はいつかは結ばれる

   こんな歌詞を知っている人は、かなり年配の人だろう。

   黒という独特の色からは、不思議と歌が生まれる。

   黒い花びら 静かに散った・・・

   低音で歌った水原 弘を思い出す人もいるかも知れない。

   また、富山城主、佐々成政と愛妾小百合との伝説では、クロユリは怨念の花である。

   周りの妬みから、密通を疑われた小百合は切り殺される。その時、立山にクロユリの花が咲く時、佐々家は

   滅亡すると叫んで、小百合は息絶えた。小百合の怨念が黒い花になったと伝説は伝えている。

   このように黒い花からは、様々な発想が生まれる。

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   上の画像は北海道の利尻島で撮影したクロユリの自生の姿である。

   クロユリは時として、このような群落となることもある。

   多くは湿原や原野に点々と咲いているのが普通であるが、画像のような群生状態になる場合もある。

   上の画像の場所は、かつてはもっとスゴイ群生であったが、今年は上のような群生状態の場所は2箇所しかな

   かった。人間に取られて減ってしまった訳ではなく、これは植生の変化等で自然に減少した遷移である。

   植物はある一定の量まで増えると、それからは自然に数が減ってゆく傾向がある。


   

   ところでクロユリだが、日本には3種類のクロユリがある。

   北海道に2種類、本州の高山に1種類、さらに花が黄色味を帯びるキバナクロユリなど、品種を含めると、さらに

   数が増えることになる。

   本州の高山に生えるクロユリは、ミヤマクロユリとも呼ばれ、花びらの中のソバカス模様が目立つ。

   花の色は黒と言うより茶色味が強い。

   北海道の低地に生えるものが、今回紹介しているエゾクロユリで、この種類が最も花色が黒に近い。

   北海道の高山には、草丈が低く、花の色もやや茶色味がかるエゾミヤマクロユリがある。

   慣れてくれば外見でも見分けがつくが、これらは性染色体に違いがあり、高山のものは2倍体だが、低地に生

   えるエゾクロユリは3倍体である。

   ついでに花の性について触れてみよう。

   画像画像

   






















   クロユリの花は下向きに咲くが、花の中をのぞいて見ると、右画像のような花と左画像のような花があることに

   気がつく。これが雌雄の違いである。

   左がオシベだけしかない雄花、右がオシベもメシベもある両性花(雌花)

   左の雄花は花粉を放出すれば、後は枯れるだけ。

   右の両性花は受粉したのち果実ができる。種子の周りには羽根がついているので、クロユリの種子は翼果と

   呼ばれる。風で遠くまで種子をばらまくための知恵だが、実際は生えている場所の近くにパラパラと落下する

   だけで、あまり遠くまで飛んでいかない。だが地面に落ちた翼果は、風の力によって移動する。

   こうして、湿原などの環境の良い場所に定着できたものが、数年後には大きな群落となるのである。

   
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   クロユリは日本だけでなく、北アメリカの北西部からアリューシャン、カムチャツカ、千島列島、ウスリーと分布

   する北太平洋要素の植物である。

   基準となる標本はカナダとカムチャツカのものだが、日本のものは北海道の大雪山のものが基準標本となって

   いる。

   クロユリはどこでも簡単に出会える植物ではないが、運良く花に出会えたからといって、花に鼻は近づけない

   方が良い。黒の持つ神秘さとは裏腹に、確実に期待を裏切る匂いを持っているからだ。

   黒百合に憧れていた方にはゴメンナサイでした。

   最後はほんとに蛇足でしたね。

   ちなみにクロユリはユリ科ですが、ユリ属ではありません。ユリ科バイモ属なんですね。

   画像
































   (画像は最初と最後が礼文島で、2008.5.24 そのほかの画像は隣りの利尻島で2008.5.25撮影)

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
クロユリは園芸種?でしか見た事がありませんので、詳しく観察した事もありません。園芸種で売られているのも匂いは良くないのでしょうか?
雄花と両性花がある事も初めて知りました。でもこの色は一応、憧れますが・・・好みではありません。神秘の中に何か恐れも感じます。
ユリ科のバイモ属になるとコバイモ類と同じですね。アミガサユリと同属ですか?
北海道の草花たち、楽しみにしています。
かげろう
2008/05/29 15:02
7月後半の千畳敷カールでクロユリの群生がキバナノコマノツメと一緒に咲いているのが美しかった。ヽ(^o^)ノ
クロユリは咲き始めは下向きで花が終わる頃には水平を向いて色が薄くなりませんか。千畳敷カールで見たときそんな印象を受けたのですが。
((((((((^^;
アライグマ
2008/05/30 23:33
こんばんは。
近頃、新規の掲載が無いと思っていたら最北へ遠征だったんですね。
自生のクロユリは北岳に登ったときに見たかな?園芸店でクロユリの球根を買っても、一度は咲いても無くなってしまいます。
ぽんぽこ
2008/06/01 01:33
かげろうさん おはようございます。
クロユリはコバイモ類と一緒です。ですから花も百合のイメージは少ないですね。アミガサユリという和名は、日本でもよく栽培されているバイモにあてられることが普通ですね。クロユリの花はこのバイモにそっくりです。
みかん
2008/06/01 09:22
アライグマさん おはようございます。
三浦半島もご無沙汰しています。以前は暇さえあれば出かけていた場所だったのですが。千畳敷のカールにはクロユリが多いですね。でも最近は人が多くて撮影なんかしていられませんね。私はそこを歩くことさえ敬遠してしまいます。花は開花が進むにしたがって横向きになるようです。
みかん
2008/06/01 09:28
ぽんぽこさん 久し振りです。
来週は九州に行きますよ。目的地は佐賀県ですが。その次が東北と、スケジュールがちょっと詰まっています。四川大地震の影響で、6月下旬からしばらく中国に行く予定が中止になったので、2週間ほど予定が空いたので、今年は日本の少し高い山に登ろうかと考えています。
園芸で売っているクロユリは、どの辺りで生産されているものなんですかね。数年は花をつけるようですが、自然と絶えてしまうようですね。滝めぐりは着々と数をこなしているようで、なかなか読むのが追いつきません。
みかん
2008/06/01 09:37
登山デビューが木曽駒で、雨の中の登山でしたので、
登山に対してちょっと否定的な印象を持ちかけてた時、
千畳敷でクロユリを発見し、
少しは登山に対する興味を持つことになった経験から、
自分にとってクロユリは思い出の花の一つです。
でこぽん
2008/06/04 21:30
みかんさん こんばんわ〜☆
久しぶりでお邪魔させていただきました。
「くろゆり」とても魅惑的なお花ですね。
画像が何枚もあり、解説と共に楽しませていただきました。
どうもありがとうございます♪
azami*
2008/06/05 22:45
でこぽんさん こんにちは。
中央アルプスの木曽駒周辺はミヤマクロユリの多い所です。千畳敷で気がつく人が多いようですが、むしろ木曽駒の湿り気のある場所では大群生する場所があります。高山植物の最盛期では花が少なくなりますが、7月はじめだとビックリするほど多いですよ。
みかん
2008/06/06 16:08
azamiさん ようこそお越しくださいました。
クロユリはその名の響きとともに、何か不思議な魅力がありますよね。名前で得をしている植物のひとつかも知れません。
どうぞまた遊びにおいでください。書き込み大歓迎です。
みかん
2008/06/06 16:13
みかんさん、こんばんは!
クロユリは私にとっても憧れの花です。神秘に満ちた印象をうけますね!
双六小屋付近と白山で出会ったことがありますが、確かにみかんさんの写真のようには黒くなかったです。こうなると利尻岳の黒い黒百合に出会ってみたくなりますね。その時は鼻を近づけないように気をつけます(^^ゞ
クロユリは恋の花〜♪メロディーが浮かぶ私って…ウウゥゥ悲しや〜
たんべぇ
2008/06/07 23:59
たんべぇさん おはようございます。
白山のクロユリの群落も、規模としては見事ですね。東北の月山の群落が日本一と思っていましたが、40年ほどの間にすっかり減少して、今は昔の面影さえありません。遷移もこれほど進行してしまうとガッカリです。
尾瀬の家族旅行拝見しましたよ。目の前にたんべぇさんの走る姿が浮かびます。思わず笑ってしまいましたが、それでも花を写す執念に感服しました。今は亡き母を連れて、二人で尾瀬を歩いたことなどを、ふと思い出しました。
みかん
2008/06/08 06:51

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