みかんの花日記

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zoom RSS クマガイソウ

<<   作成日時 : 2008/05/11 21:00   >>

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   北海道の渡島半島から南下して、本州、四国、九州と、ほぼ日本全土に分布するが、自生地はどこでも激減

   して、今や絶滅危惧植物に指定されている。

   減少の原因は、マニアによる採取(特に山草業者による大量盗掘)が、日本の山野からこの野生蘭を極端に少

   なくさせた最大の要因である。

   また竹林や杉林の手入れ放棄による自然減少、あるいは遷移による減少もある。

   クマガイソウは人間とかなり強く結びついた植物で、里山の杉林の下や竹林の中などに多い。

   手付かずの自然の中にも生えてはいるが、あまり多くない。

   人間の管理が行き届いた杉林や竹林の中では、極めて旺盛に繁茂し、大きな群落となる。

   枝打ちされ、間伐されて適度に光りが入る杉林の下、筍などの収穫がこまめに行われ、間引かれて竹が切ら

   れるような竹林の中、などが大好きな環境なのである。

   またコナラやミズナラなどが茂る落葉広葉樹林下で、林床に他の植物が少ない場所などで群落を作る。

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   なんとも奇妙な形の花だが、名前はこの花の形から付けられた。

   丸く膨らんだ袋のような部分を唇弁(しんべん)と呼ぶ。この風船のように膨らんだ唇弁を、源平の合戦の折、

   熊谷次郎直実が背負った母衣(ほろ)に見立てたのである。

   母衣とは、戦国の武将が弓矢が体に刺さるのを防ぐために背負った、大きな布製の袋のことで、風をはらんで

   巨大にふくらむ母衣に、その唇弁を見立てたのである。

   クマガイソウとアツモリソウは対になった名前で、クマガイソウを熊谷次郎直実に、アツモリソウを歳若き平敦盛

   になぞらえて付けられた、ということを知っていないと源平の合戦が成り立たなくなる。

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   この唇弁、真ん中に丸い穴が開いている。
  
   この穴は何のためにあるのだろうか。

   いくつもの花を眺めていると、答えはおのずと出てくる。

   花の形にはすべてに意味がある。この穴、じつは昆虫達の入り口だったのである。

   花の中にもぐりこんでゆくのは、昆虫としては大きなマルハナバチである。この蜂がもぐりこむのにちょうど良い

   大きさの穴が開いているのである。

   ところが、この穴から入り込んだマルハナバチの黒い姿はすぐに見えなくなるが、決して戻ってはこない。

   この穴は入り口専用で、蜂が中に入り込むとここからは外に出られない巧妙な仕掛けがあるのである。

   花の構造が忍び返しになっているのである。

   中に入り込んだ蜂は、唇弁の奥に生えている毛を足がかりに蜜を求めて上へと登って行き、狭くなった芯柱

   の横をすり抜ける。この時、クマガイソウは花粉がいっぱい詰まった花粉塊を蜂の背中に付着させる。

   こうして、次の花を訪れた蜂は、見事に受粉の役割を果たすのである。

   花が蜂を利用するために、このように進化したと考えられている。

   
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   ところが、これほど巧妙な仕掛けがあるにもかかわらず、クマガイソウの結実率は非常に悪い。

   秋になると受粉が成功した花は実を結ぶが、果実が出来る割合が驚くほど少ないのである。

   クマガイソウは環境さえ良ければ、どこでも大きな群落となる。

   その群落の多くは、種子から芽生えた実生繁殖ではなく、親株のまわりに子株が増えてゆく栄養繁殖なので

   ある。

   
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   上の画像は7年振りに訪れた自生地の群落の姿である。

   クマガイソウの自生の姿を見たことがない人は、この画像を見てビックリするかも知れない。

   私もビックリした。

   余りにも花の数が少なくなっていたからである。

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   自生地はこんな感じの場所である。

   杉林の急な斜面で、今年咲いていた花はざっと数えて100輪ほど。

   10年ほど前の大群落と比べたら、花の数は3分の1程度に減っている。

   道のないこの場所は、盗掘こそまぬがれているものの、遷移が進んでジリ貧気味である。

   鹿かカモシカかはわからないが、食害の痕跡も結構見られた。

   仲間内だけの秘密の場所だったのに、最近は結構有名になってしまったらしく、この日も株の周りには

   人間の足跡がしっかりとついていた。

   この場所を発見して私に教えてくれたF氏に、偶然にもこの日の朝に違う場所で出会った。

   彼は「あの場所は崖が崩れて、随分と減ったそうですよ」と、半ばあきらめているような口ぶりだった。

   人間の手が加わらない自然の状態で、数百輪の群生は長野県や千葉県、高知県などでも撮影しているが、

   どこもが、その後はあまりはかばかしくない状態が続いている。

   
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   (画像は2008.5.8 愛知県で撮影) 今年は例年より花期が1週間ほど早いですね。

   画像はクリックすると大きくなります。

   実はこの日はデジカメをテストするつもりで色々と撮影してきました。デジカメのシャープな画像と比べて
   しまうと、やはりケイタイは情けないほどですが、それでも今しばらくは、頑張ってみますね。
   それにしても銀塩、デジカメ、ケイタイと3回も撮りわけるのは面倒ですね。
   今回も、ケイタイは、と友人に促されて撮りました。あやうく忘れるところだった。

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コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
みかんさん、こんばんは!
クマガイソウの群生は減っているのですか?100株でも多いと思ったら、以前は大群生だったのですね。
この花の自生は見た事がありませんので、隣町で山野草園としてこの時期に開放されているところでいつも見ています。
本当に面白い花ですね。確かに杉林の下で手入れされているところでは増えているように思います。
かげろう
2008/05/11 21:17
今晩は(^^)/~
「熊が居そう」はある公園に一般人からは望遠鏡でも持っていないと見えないところに10株くらいずつ2箇所生えています。
これも、普段手入れしていなかったのに草刈など手入れをしたら出てきたようです。
盗掘業者やマニアは性質が悪いですね。蘭科の植物は特殊な菌類が蘭と共生しないと生きていけないので盗んでいっても絶対に枯れてしまうことは有名なのに。(ーー;)
特に貴重な種は自分たちが盗った分の希少価値が高くなるように盗りきれない分は踏み潰してしまうという話を聞いたことがあります。
皆で呪い(のろい)ましょうエゴエゴアザラク
ヽ(´ー`)ノはいご一緒にエゴエゴアザラク・・・・・
アライグマ
2008/05/11 22:56
かげろうさん おはようございます。

何故かクマガイソウは杉林ととても相性がいいですね。ですから、人間が管理している所は、杉林の下に植えている所が多い気がします。山野草園では目玉的な存在になっているようですね。
みかん
2008/05/12 10:36
アライグマさん おはようございます。
望遠鏡で見るような場所でも、増えていることは嬉しいことです。
クマガイソウはある程度の管理をすると、自生地ではみるみる増えてゆきますね。それにしても、業者やマニアの盗掘は今も後を絶ちません。なんか、おまじない以外で良い撃退策はないものですかね。
 エゴエゴアザラク・・・・・・エゴエゴアザラク
みかん
2008/05/12 10:42
またまた、こんにちはヽ(´ー`)ノ
結局、国が真剣に盗掘などを初めとする環境破壊に真剣に取り組んでいないからではないでしょうか。(ーー;)
真剣に取り組めば盗掘業者を逮捕したり販売しているはずのない野草の出所を調べたりしていくはずです。今は我々がいくら言っても暖簾に腕押し状態で(-_-;)
逮捕者が次々刑務所行きになれば盗掘は減るしマニアに対しての抑止効果もあると思います。
だいたいからして、うちの親なども意識が薄い。山でこんな花を見たと言う話をすると「持ってこられないの」との発言が帰ってくることは少なくありません。昔若かった人には山にあるものを持ってくることに対して犯罪意識が無いのです。この手の人たちは珍しい山野草なら盗掘など気にせず買うでしょう。だから業者もとんでもない所業に出る。
こういう方達に自然破壊を意識させるアプローチが必要です。
*o_ _)oバタッ
アライグマ
2008/05/12 16:06
またまたアライグマさん 今晩は。

いま自分にできることは何だろう。いつもそんなことを考えています。
私のような植物写真家だって、突き詰めると自然破壊の一端を担っています。そのことを常に認識しながら、警鐘を鳴らしていくしか方法がないのかも知れません。
個人の発する小さな鐘の音も、決して無駄ではないと、無理やり自分自身に言い聞かせながら・・・・。
みかん
2008/05/12 17:29
みかんさん、こんにちは。
たまに、こちらを覗かせていただき、花の勉強をさせていただいています。

愛知では今年は、クマガイソウが一週間早かったのですね。
私は去年もクマガイソウを見に行った徳島の山に、3日早く登ってきたのですが、今年は花芽すら上がってない状態でした。今年は四国の山は雪が多かったので、そのせいかなと思っています。その代わりに去年は花が終わりかけていたシコクカッコソウが丁度見頃でしたし、シコクテンナンショウにも会えました。
この山は急登を2時間かけて登るので、そうそう、下見にいけるような場所ではありませんが、汗をかいて登り、ようやく会える花たちは、野草園で見る花よりもずっと素敵に思えます。私が見に行く場所もやはり杉林の下です。地元の人の話では、昔は車道沿いにも良く咲いていたと言うことですが、やはり盗掘されたのでしょう。
愛媛の山では4月末にクマガイソウの芽が出て葉っぱが展開し始める寸前の姿を見ましたが、近くに住む山仲間が5月10日撮影の画像を送ってくれました。たった10日で葉を展開し終わり花まで咲かせた姿に、驚いたことでした。


keitann
2008/05/14 13:04
keitannさん 今晩は。
コメントありがとうございます。画像は宮本さんの所で拝見しました。
野の花は、やはり汗をかいて登った後で見る自然のものに限ります。全く私も同感です。植物園などで見る野草には、なぜだかまったく感動が湧きません。クマガイソウなどは、今はあちこちで保護管理された群落がありますが、そういった場所の花には、精彩がないように思います。
短期間で見る見るうちに成長する野生の力強さが、栽培されたものにはないように感じるのは、私一人ではないと思っています。どうぞ、また遊びにおいでください。
みかん
2008/05/14 22:58
みかんさん、皆さん、こんばんは!
野の花は野にあって初めて本当の自然だとは思いますが、クマガイソウみたいな花は今はドライブでは見る事が出来ません。(もちろん山でも見れませんが)
先日もドライブしながら、道端でコケイラン、キンラン、コバンノキ等を楽しみましたが、やはり高原の空気は美味しいです。
あら・・・もちろん、かげろう地の自然の空気も美味しいですよ。但し道路が目の前。これを覗けば、自然体の草花を眺めています。
高級な(珍しい)草花ではなく、自然のままにさいている草花たちです。自宅前の川を眺め、その中に咲く野の花を眺めて生活するものには、自然は最高の贈り物です。但し健康であればの事ですが、重症心身障害児(者)の娘にとっても環境はよいのですが、病院が遠くて・・・・。
かげろう
2008/05/15 02:25
かげろうさん おはようございます。
生活の便利さと自然の素晴らしさは、やはり相反する要素なのでしょうか。みかんから見ると、かげろうさんの生活は、身近に素晴らしい自然が溢れていて、うらやましいの一言です。山間部の生活の大変さは充分承知の上で、それでも羨ましいです。お嬢様の病院通いは、特に冬場は大変でしょうが、厳しい冬があるからこそ、輝くような新緑の季節も迎えられるのだと思います。
田植えの準備が整った水田の水鏡、素晴らしいですね。これからさらに重労働が待っていますが、こんな素晴らしい環境は、お嬢様にとっても間違いなく最良のはず、他人にはわからない辛さや大変さもあると思いますが、そんな時はブログで思い切り吐き出してしまいましょう。かげろうさんには素敵な友人がたくさんいらっしゃるから、皆さん、きっとわかってくれますよ。
みかん
2008/05/15 07:50
みかんさん、お早うございます。
大変嬉しい励まし、有難うございます。嬉しくて涙が出ましたよ。
確かに冬の寒さがあるから、春の新緑も綺麗だし、草花も身近に沢山あります。それで慰められています。
全介助の娘がいるから、頑張れます。PCの御蔭で沢山の方々とお知り合いに慣れて嬉しく思います。みかんさんにはお会いしていないけど、こうして書き込める事に感謝します。皆様、それぞれの悩みはある事と思います。それが自然であれ、草花であれ、慰めになれば生きてくのに(ストレス等)頑張れると思います。

みかんさんの励ましに感謝、自然に感謝、感謝の心で生きていけば、今みたいに殺伐した事は起こらないと思いますが・・・。
長くなり、申しわけありません。
かげろう
2008/05/15 11:09
我が家の庭にもクマガイソウが五月の中ごろ満開になりました。花数も400を超えようとしています。25年前10本程が年数と共に増えました。今は開花時期がくるのを毎年、楽しみにしています。これといった手入れはしていません。雪の降る地域ですので寒暖の差が良いかも知れません。
山野草
2010/05/30 18:02
山野草さん 今晩は。
400とはすごいですね。さぞかし見ごたえがあることでしょう。どうぞこれからも大事になさってくださいね。コメントありがとうございました。
みかん
2010/06/01 19:52
みかんさん 今晩は。
前回は始めての投稿となりましたが、皆様のお仲間に入れて戴ければ幸いです。クマガイ草をご存知の方がたくさん いらっしゃるので感激いたしました。これからも楽しみに閲覧いたしますので、宜しくお願い致します。
山野草
2010/06/03 18:45
山野草さん 今晩は。
どうぞいつでも書き込みしてください。
ここは自然の花が好きな人達が多く集まっています。皆さんの交流の場になれば、というのがみかんの願いでもあります。コメントはいつでも大歓迎ですよ。
最新のブログの方にも是非お立ち寄りください。
みかん
2010/06/03 19:56

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