みかんの花日記

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zoom RSS ハナネコノメの咲くころ     裏高尾にて

<<   作成日時 : 2008/03/19 12:18   >>

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   高尾山では、ネコノメソウ類のトップをきってハナネコノメが咲く。

   この小さな花が咲きだす頃になると、今まで人影もまばらだった裏高尾に、どっと人が

   押し寄せるようになる。

   前日の夜に、高尾の博物館にいたAさんが「最近は平日でもデジカメを持った人がいっぱ

   いやって来て、ハナネコノメのような小さな花にまでカメラを向けている」と、やや迷惑そう

   な口ぶりで話してくれた。

   私の著作の1冊である「山に咲く花」のハナネコノメも高尾山での撮影である。この本をは

   じめ「野に咲く花」「日本のスミレ」など、数々の植物図鑑を作った山と渓谷社のK編集長

   が今年定年を迎え、そのご苦労さん会が14日都内で行われた。そのために上京したの

   だが、せっかく東京までやって来てとんぼ返りも能がない、せめて高尾山にでも行ってく

   るか、と一人でぶらりとやってきたのである。

   3月15日の土曜日、おまけに見事なまでの晴天。きょうはどっと人出がありそうなので

   早めに高尾駅に向かう。駅前を9時12分発のバスに飛び乗る。当然立ったまま。

   目的の沢にはかなりの人の数、アズマイチゲが水滴をつけて、まだうつむいたままだ。

   
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   今年は裏高尾の花も相当花期が遅れている。

   土曜日だからきっと知り合いに会うだろうと予測はしていたが、案の定、数人の知り合い

   と出会う。こんな場所でカメラも三脚も持たず、携帯だけ持った私に出会ったら、誰だって

   不思議がることは目に見えている。

   シュンランを携帯で撮っていたら、やっぱり言われた「アレッ、ほんとに携帯写真家だ」

   昨夜、宴席に同席していた後輩のプロカメラマンにである。

   「ふん、携帯でだって撮れるんだよ、腕よウデ・・・・・」と強がりを言いながら彼に今撮った

   ばかりの画像を見せる。それが下の画像。

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   3月12日にここを訪ねた花友達は、その時はシュンランはまだつぼみで1輪も咲いていな

   かったという。今の季節の一日は、花のすすみ具合が早い。

   人出の多いときには余り花の側で長い時間ガンバルことができない。例え雑木林でも、

   何があるのですか、何か咲いていましたか、と次から次へと人がやってくるからだ。

   裏高尾に花を見に来るような人達は、植物もかなり知っていて、決してマナーが悪いわけ

   ではないが、写真を撮るために踏み込んで結構植物を傷めている。

   やっと芽吹いた草の芽を平気で踏みつけてしまう。今咲いている花には気を使っても、自

   分の知らないところで植物達を傷つけているのだ。

   花を写そうとする人達は、もっと、もっと心配りをして欲しい。

   高尾山はスミレの種類が多いことでも知られている。最初に花を咲かせるのはアオイスミ

   レだろうか。今回はそのほかに、タチツボスミレとヒメスミレが咲き出していた。

   左がアオイスミレ、右がタチツボスミレ、下がヒメスミレ。

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   民家が点在するあたりには、春の花が盛りである。オオイヌノフグリやヒメオドリコソウ、ミ

   チタネツケバナ、コハコベ。春早い時季に咲く花は何故か帰化植物が多い。これらの花

   はみんな帰化種である。

   だがそれらに混じってフキノトウやタンポポなどの日本在来の花もしっかりと咲いている。

   左はフキの雌花、右はカントウタンポポである。

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   高尾山らしい春の花はもちろん素敵だけれど、私はどこにでも咲いているタンポポやスミ

   レに親しさを感じる。民家の庭や畑で、今を盛りと咲く白梅や紅梅の香りに、春を満喫す

   る。庭に植えられているクロッカスの花に小さな歓声をあげたりする。

   サラサラと流れる小川の瀬音を聞きながら、都心よりははるかにキレイと感じられる空気

   を思い切り吸って、とことこ歩く散歩の延長線上のような散策を楽しんでいる。

   何十年か通い続けた高尾山である。どこに何が咲くか熟知している。

   誰にも会わない秘密の場所に寄ってみることにした。

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   窪地になっているその場所は、道路からは見えない日当たりの良い場所である。

   小さな沢に沿って登りながら、咲いてる咲いてる、と、思わず独り言をつぶやいてしまっ

   た。ユリワサビの小さな株が、あちらにも、こちらにも点在している。

   たくさんの人で賑わうH沢では、まだニリンソウは芽生えたばかりだったが、ここでは早く

   もほころびはじめていた。

   頭上にはフサザクラの赤いオシベが伸び出しはじめている。

   トレーナー1枚なのだが、暑くて汗が流れる。きょうは20度近くまで気温があがると天気

   予報が言っていたけれど、ほんとに暑い。

   陽射しがきついが、咲き始めたニリンソウの白い花に携帯を向ける。

   
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   どの花でもそうだが、咲きはじめというのは、ともかく初々しい。

   花びらが透けて、裏側のうっすらとしたピンクが見える。草丈もまだ低く、春の盛りの姿と

   は違って見えるのも面白い。

   この少し上にはアズマイチゲのちょっとした群落がある。もう花もきれいに咲いているは

   ず、そう思いながら歩いてゆくと、花が開いていたのは数輪で、まだほとんどが伸び出し

   はじめたところだった。

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   次から次へとか細い茎がおきあがり、葉を展開する前から、もう立派な蕾をつけている。

   花が満開になるのは、ここ数日のことだろう。

   
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   春の花が爛漫と咲くのは、まだひと月ほど後になるが裏高尾では確実に春がはじまって

   いる。大東京の近郊にありながら、これほど植物が豊富な場所は珍しいと思う。そして、

   流れの側の苔むした岩に咲く、小さな小さなハナネコノメを、これほど多くの人が訪ねる

   のも喜ばしいことと思う。

   裏高尾を訪ねる多くの人が、今の季節、目的のひとつとしているハナネコノメを最後に

   再び紹介しよう。

   
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   地味なネコノメソウの仲間の中では、小さいながら花らしい形をしている。

   チャームポイントは真っ赤な葯である。

   水辺などの苔むした岩に生える。白い花びらと赤いオシベはルーペでのぞくと可愛い。

   本州の西部や四国、九州などには良く似ていて、茎に白い毛がもじゃもじゃと生えるシロ

   バナネコノメソウというのがあって、ハナネコノメはその変種である。

   チャームポイントは赤い葯、と書いたが、それは高尾山でのこと。同じハナネコノメでも

   中部から北陸にかけて見られるものは、葯の色が黄色からオレンジ色のものもある。

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   高尾山では同じ仲間のヤマネコノメソウやヨゴレネコノメがこれから花盛りを迎える。

   地味だけれど、これらの仲間が一緒に観察できるのも楽しいことである。



   こうして、この日の散策は終わった。

   たった半日の短い時間だったが、新幹線ののぞみの車内では、心地よい疲れに

   ついうたた寝をするほどだった。





   (画像はいずれも2008.3.15 東京都の裏高尾で撮影)

   



   
   

   

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
お疲れ様でした。(*^.^*)
最近は平日でもこの時期は混んでいますね。
下手にカメラを構えていると直ぐに「何かありますか」「この花は何ですか」
が始まる。珍しい花は人の流れがないときにすばやく撮る。
人が来たときはカメラの位置をずらし近くにあるハコベやタンポポを撮っているふりをする。皆さん苦労してますね。
ところでエンゴサクはいかがでしたか。まだまだかな(^◇^;)
アライグマ
2008/03/19 16:29
こんにちは!
色々と検索して、環境goo(2004年11月)拝読しました。
田舎に育った子供の頃の思い出等がよぎりました(今は育ったところより田舎に住んでいますが〜笑)
こちらはイズモコバイモがようやく満開になりました。
又、シロバナネコノメソウ、ヤマエンゴサクも咲き始めました。
自宅周辺を散策するだけでも充分楽しめる事に感謝ですね。
かげろう
2008/03/19 17:17
暖かい日が続いたお陰で、花が咲き始めましたね。
ハナネコノメソウは4月半ばにならないと見られないけど、ネコノメソウの蕾が咲く寸前の所まで大きくなっていました。これからは、あちこち出歩くのが楽しくなりそうです。
里山の春蘭も咲き始めていました。
無名子
2008/03/19 22:15
みかんさん こんばんは〜
ハナネコノメソウやアズマイチゲなどもう咲いてるのですね
何だか九州よりも早い気がしますが・・・
昨日熊本の仰烏帽子山に登って来ました
小さなツクシネコノメソウが咲いていましたが、シロバナネコノメソウはまだまだ小さな蕾でした
スミレの花は全然咲いてなくて、マルバコンロンソウが咲き初めていました
福寿草は満開状態で、とても綺麗でした
オニシバリやアブラチャンが可愛いお花を咲かせていました
いっしい
2008/03/20 00:42
おはようございます。私もハナネコノメに逢いたくて2度通いました。流石みかんさんはちゃんと葯が付いているのを写しておいでなのですね。見習わないと!
kako狸
2008/03/20 08:16
イヌノフグリのご紹介でも感動しましたが、私がイヌノフグリを見つけたのは2ヶ月もあとで、乗り遅れてしまいました。改めてお礼申し上げます。
高尾はもっとも身近な観察地で、この時期はよく通います。みかんさんが辿った道も、わずかに見えてくるような気がします。
昨年のヒットは高尾でキバナノアマナを見つけたことで、アライグマさんの気持ちも分かります。人通りの多いところなので、撮影には気を使います。
今年も残っていてくれるか、気にかかりますね。
t-yam1
2008/03/20 11:57
みかんさん、こんにちは。
先週末は初夏のようなお天気でしたから、裏高尾はたくさんの人で賑わったことでしょうね!私が訪れたのが11日でした、暖かい日が続いた4日間でずいぶん開花が進んだようです。
都会のすぐそばにありながら、これほどの自然を毎年毎年届けてくれる高尾山に対し感謝の気持でいっぱいです。
撮影に夢中になるあまり、植物たちを傷つけることがないよう気をつけたいと思いました。
たんべぇ
2008/03/20 14:07
みかんさん、こんにちは。
裏高尾もいよいよ花盛りですね〜。
かわいらしいハナネコノメに会いに行きたいな〜、と思いつつも
賑やかな山は苦手でどうしても敬遠してしまいます。(^^ゞ
写真を撮るときはついつい夢中になってしまうので、他の植物を
いためないよう気をつけなきゃ、と気持ちを引き締めました。
nekoppana
2008/03/20 19:30
アライグマさん 今晩は。
私が土日に撮影に出ないわけはそこにあります。
特に大都市近郊では仕事になりません。それでも高尾山は魅力ある山で、いまだにたびたび通ってます。
みかん
2008/03/21 21:47
かげろうさん 今晩は。
いつも感心するのですが、かげろうさんのデジカメは色が鮮やかですね。どこのメーカーのなんというデジカメを使ってますか。
ヤマエンゴサクの色に驚きました。
それにしても随分と古い資料を探し出しましたね。私も読んだことがなかった。
みかん
2008/03/21 21:51
無名子さん 今晩は。お元気で何よりです。
しばらくブログの更新がなかったので、ご病気かと気になっておりました。
それにしても素敵な春の小川ですね。
私は雪のある風景の方が好きですが、定点撮影は続けるとおもしろいですね。
みかん
2008/03/21 21:55
いっしいさん 今晩は。
見事なフクジュソウの群落、拝見しましたよ。
筋肉痛はもう大丈夫ですか。実は私も数日前に三重県の藤原岳に登ったのですが、なんと筋肉痛になってしまったのです。その翌日は岐阜県に植物調査に行ったのですが、まるでロボットのような歩き方で、少々はずかしかったです。
みかん
2008/03/21 22:01
kako狸さん 今晩は。
ハナネコノメはやっぱり可愛らしいですよね。この日は時間もなかったので、ささっと見ただけでしたが、今頃は花の最盛期になっていることでしょう。
みかん
2008/03/21 22:07
t-yam1さん ようこそお越しくださいました。
他の掲示板ではお目にかかっていますが、こちらには初めてですよね。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
高尾山はなんと言っても魅力ある場所です。これから次々に咲き出すスミレを思うと、何度でも出かけたくなります。キバナノアマナの咲く場所知ってますよ。今年も咲いてくれると良いのですが。
みかん
2008/03/21 22:13
たんべぇさん 今晩は。
私が裏高尾に行こう、と思ったのは、たんべぇさんがM さんの掲示板に貼った画像を見たからなんですよ。特にアオイスミレが素敵でした。ほんとは友人を誘ったのですが、皆土曜日は雨の予報だからと尻込みするので、私一人で出かけました。私は天下にとどろく晴れ男ですから、いつも雨の心配はしたことがありません。
みかん
2008/03/21 22:20
nekoppanaさん 今晩は。
静かな山は最高ですよね。その気持ち良くわかります。
やはり撮影する時は誰にも邪魔されず、じっくりと撮りたいですものね。
きょうも撮影に出たのですが、たった一人で撮影していても、やはり自然に負担をかけてしまうなぁと、述懐しています。
みかん
2008/03/21 22:27

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